MRIを標準基準として肝脂肪を定量化する超音波マルチパラメトリック法

An ultrasound multiparametric method to quantify liver fatusing magnetic resonance as standard reference

An ultrasound multiparametric method to quantify liver fat using magnetic resonance as standard reference

Abstract
背景と目的
臨床現場において、脂肪性肝疾患をモニタリングするための信頼性と再現性の高い非侵襲的な脂肪肝含有量(FLC)の測定に対するニーズは満たされていない。本研究の目的は、磁気共鳴(MR)値を標準基準としてFLCを定量化するために、Bモード画像に基づく新しいマルチパラメトリックアルゴリズムを開発し、検証することである

方法
肝酵素上昇および/またはUSで明るい肝臓を有する患者(N = 195)は、MRおよびUSによるFLC評価を受けた。USに由来する5つの定量的特徴[減衰率(AR)、肝腎比(HR)、横隔膜可視化(DV)、肝門脈比(HPV)、門脈壁(PVW)]をマルチパラメトリックモデル(Steatoscore2.0)の混合線形/ex-ponential回帰で組み合わせた。トレーニングには134人、独立した検証には61人の被験者が使用され、スコア計算の術者間再現性解析が行われた。

結果
モデルは、3つのUSパラメータ(AR、HR、DV)の混合線形/指数結合に基づいており、AR値に応じて2つの方程式でモデル化された。Steatoscore2.0(平均±標準偏差、7.91%±8.69)およびMR(平均±標準偏差、8.10%±10.31)によるFLCの計算は、トレーニング/検証コホートの両方において、それぞれ低い二乗平均平方根誤差(R = 0.92/0.86、RMSE = 5.15/4.62、p < 0.001)と高い相関を示した。Steatoscore2.0は、MR-FLC≧5%/≧10%の患者を、それぞれ感度=93.2%/89.4%、特異度=86.1%/95.8%、AUROC=0.958/0.975で同定し、MR(R=0.92)とCAP(R=0.73)よりも有意に(p<0.001)相関した。

結論
MultiparametricSteatoscore2.0はFLCを測定し、MRと非常に比較可能な値を提供する。FLCの非侵襲的スクリーニングとモニタリングのための新しいツールとして、より大規模な前向き研究でテストされる資格がある。

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 Liver International 9月号からです。イタリアの多施設共同研究です。最近、減衰イメージ単独の限界が明らかになってきており、本研究ではCAPの他、4種類のBモードベースの指標を組み合わせて検討しています。肝腎コントラスト、横隔膜描出の有無はこれまで言われてきたものですが、聞き慣れないものが2つあって、
門脈壁(PVW)は、肝実質と門脈壁内に置いたROIの平均グレイレベルの比を表す。
肝門脈比(HPV)は、肝実質と門脈内に置いたROIの平均グレイレベルの比を表す。
とのことです。減衰はCAPとは別途、輝度値から計算したものも使用しています。

 結果、HPVは脂肪量と相関は無く、PVWは軽度の相関だったとのことで、その他の3つの指標が予測式Steatoscore2.0に組み入れられています。External Validation setでもR2=0.70と良好な相関があったとのことでした。このセットはn=28と少ないのが問題ではあります。色々な指標を測定して計算すると何かしら良いデータが出てくるもので、この成果はアプリケーションに落とし込む計画でしょうか。超音波診断装置は各社のものが使用されています。この中ではPVWが気になりますが、上記以上の説明、解説は記載されていません。引用もありません。Figureも無いのでいまいちイメージできず、何とも言えないです。

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