入学式

入学式の日がやって来た。
学科は民俗学を専攻した。

 大学の正門をくぐると、両脇に各サークルの勧誘の人垣がある。それぞれが新入学生を勧誘しようと、大声でサークル名を連呼している。次々にチラシが手渡され、話しを聞きに来るように誘われた。賑やかでお祭りの喧騒にいるようだった。
 受付で高校の卒業証明書を渡すと、学生証と、履修届をもらった。
ピカピカの1年生になったのだ。
 体育館では学長の挨拶、先生たちの紹介を聞く。1時間ほどで入学式は終わり、キャンパス内を散策する。田舎の高校に比べると敷地は広い。迷子になりそうだった。
 生協で、利用手続きをし、学食でお昼ご飯を食べる。定食は200円。アイスクリームなどのスイーツもある。
 購買部で教科書、ノートを購入し
カフェで履修届をみると、卒業に必要な単位数は128単位。卒業論文は4単位とある。1,2年次に半分の64単位をとる必要がある。3,4年次には専門科目の単位を取ることになる。
 大学にはいれば遊べると思っていたが、生半可な気持ちでは留年が待っているのだ。4年での卒業も危ぶまれる
 教職過程は一般科目の法学、心理学などを、教職科目は教育心理学などのほか、教育実習を出身高校で2️⃣週間つとめ、卒業論文は4単位、3年時になるとゼミに所属し、担当の先生の指導を仰ぐことになる。
 リュックいっぱいの書類、チラシを抱え、帰ろうとすると、あるサークルから「お花見にいかない?」と誘いをうけた。
 なにを呑気なことをと思ったが、年上の女子学生の言葉である。ホイホイと誘いに乗った。
 民俗学研究会というサークルだった。一生を決める出会いとはそのときは気づかなかった。

 

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