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松本を訪れて

節度とセンスがあり、知性漂う町。観光地でありながら、観光客に媚びない。街全体から自信と底力を感じる。

松本ってそういう町やなと今回初めて来て感じてる。まだ滞在中やけど、何度も訪れたい場所。

この町のことはこれまでよく知らんかったけど、今年の夏に安曇野を訪れ(安曇野も最高に良い)、前回は時間切れで立ち寄れなかった松本を、今日一日満喫した。

町全体に染み渡る価値観について、思うことがある。

壊せば2度と再現できない古い構造物に価値を見出し、わざわざ金をかけて修復して使おうとするか…

「古臭いと若者にウケない」という思い違いにより簡単に壊して、時の薄っぺらい流行りモノで上書きするか…

その選択は、その街に備わっている文化のレベルや価値観によるんやろう。で、松本は前者。

これ、空襲で焼けていないのもかなり大きな要因ちゃうかと思う。

日本って、ものすごいスピードで戦後復興したって言われるけど、日本のいろんな都市を訪れてみると、そんな事ないやろと思うんよ。

空襲で破壊されるのは、建造物とか物理的なモノよりも、町の記憶、つまりは脈々と続いていた人の文化活動そのもの。

もちろん東京みたいに完全に新しい価値を生み出せている町もあるかもしれんけど、相当いろんな条件(知性、労働力、金)が半端なく揃ってるから再生できてるだけ。

敗戦の痛手を21世紀の今、こんな風に感じてる人がどれくらいいるのかわからんけど、空襲でボコスカにやられた町って、ホンマの意味で復興なんかしてないと思うねん。

あと、文化って、ない場所にはずーっとこの先も生まれないんやろう。ましてやそれが強烈に破壊されると不可逆やし、外から来る人の価値観を無意識に拒む人が多い町の場合は絶望的。

そういう町は、訪れてもなんか薄っぺらいし、行くとこなくて、すぐ飽きる。自分らがひとつの「長所」だと思い込んでいるものごとにしがみついていて、必死。それが痛々しい。2回行こうと思わへん。

日本にはそんな「仮面」を被った町がぎょうさんある。めっちゃ辛口かもしれへんけど、街づくりするならそういう事に気づいたり考えたりした方がええと思うねんけどなあ…。やりようあるのにと思うんやけど。

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