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「英語人」という言葉を創り上げたインターナショナルスクールの日本人生徒達を想う
インターナショナルスクールで働き始め、初めて耳にした言葉があります。
それは、「英語人」
英国人ではなくて、「英語人」
私の聞き間違え?
生徒達が単語を間違って覚えている?
それとも、言葉通り英語を話す人のこと?
でも、あなたも私も英語話すよねぇ…
ならば、私達も「英語人」ではないの?
疑問がいくつかポッポッと浮かんだので、まずは確認。
「英語人」って「英国人」のこと?
あまり小学生が日常使う単語だとは思いませんが、私が知っている言葉の中で一番近い言葉。
「英語を話す人達。」(なんで分からないの先生!)
そんなニュアンスで説明してくれたのですが、まだ突っ込みどころ満載。
この今まで聞いたことがない言葉が、とても興味深かった。言葉を作り出した背景には、子ども達の思いがあっただろうから。
インターナショナルスクールで学ぶこの子ども達も、英語が話せないわけではない。
だから、ちょっとつついてみました。
「あなた達だって、英語を話すよね?ならば、英語人だよね?」
英語を話しても、自分達は「英語人」ではない。
English Speaker/英語を話す人というグルーピングではなく、「自分達」と「他者」を分けるのグループに使うみたい。
フムフム、「日本語」という共通の言葉を持てば、「英語人」のグループには属さないのが定義なのね。
子ども達を理解する為に、言葉の使われ方の定義理解も大切。思いを読み取りつつ、定義を収集します。
「英語人」の使われ方を観察するに、
「私達/日本語を話す」対「相手/日本語を話さない」構図
相手の個人的な情報は重要ではなく、「英語」という言葉のみでひとまとめに
休み時間に、自分達「日本人」グループが仲良く遊んでいた。そこに「英語人」達が邪魔しに来た。けしからん!
沸々と湧き上がる怒りを分かってほしく、私に報告する際に頻度高く使われていました。きっと私に対して使う際は、「先生ちょっと聞いてよ、理不尽なんだよ!」の報告なので、上記の定義が当てはまるのが高頻度だったのかな。
日本人の生徒達が生み出したこの言葉。
なんと興味深い。
インターナショナルスクールという環境から、共通の言葉は英語です。自分達も話すんです。しかし、自分達は決して「英語人」ではなく、日本語を話し理解する自分達は「日本人」1つのグループ。日本語対英語のまず言葉ありきで、区別。
「日本人」対「英語人」と区別するのならば、私達も「日本語人」の方が良いんじゃないの?
突っ込みたくなりますが、大人気ないので我慢。
このグループ分けをしている子どもたちの心理がなかなか興味深く印象に残っています。
同じ言葉「英語」で学校生活を送っていても、「英語人」ではない自分達。
昭和時代に日本の地方都市で過ごした小学生時代。私は彼らと同じ年齢の頃、自分が「日本人」であることを意識した覚えがありません。
県外に行くのが冒険で、国外なんてどんなに遠いのだろうか?!遠い遠い場所のお話で、現実味がありませんでした。
「英語人」のクリエイター達。
彼らは幼い頃から国外で生活することで、必然的に自分の属性について肌で感じ、対するものへ言葉まで創り上げてしまう。
この感受性よ!
自分達の立場や努力を力強く示しているように思いました。
頑張っているんだよね。
英語が母語でないことで、理不尽な思いをする時ってあるよね。
突っ込みどころ満載の「英語人」という言葉だけれど、母語以外の言葉で精一杯生活しているこの小さな人たちを応援しよう。
そう強く感じさせた言葉です。