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子どもへの性犯罪予防対策「日本版DBS」?!

「日本版DBS」法案って?

8月日本滞在中「日本版DBS」法案についてのニュースを耳にしました。

「え、DBS?」

シンガポールで生活している者にとっては、DBSは大手銀行の略語でして。

「なぜ、日本でシンガポールのDBS銀行がニュースに?」

気になりニュースを聞くと、性犯罪歴証明を求める制度を導入するかどうかの議論でした。

日本版DBS
子どもに接する仕事に就く人に性犯罪歴はないことを確認する制度

NHK News

そして、昨日も。

私からすると、「え、まだ?」。

即急に導入しましょうよ!

日本全国的な導入には、つめて話し合う点も多々あるのでしょう。ただ、「もっと早くから着手し話し合うべきだった」んじゃない?

海外の例(オーストラリア・ビクトリア州)

1999年~2010年、オーストラリア・メルボルンで教師として働いていた時代を振り返ります。

2010年メルボルン滞在最後の年、ビクトリア州で教師として働くには、以下3つの点が必要でした。

·  教師資格
·  州管轄団体への教師登録(毎年更新)
·  5年ごと警察証明(犯罪歴の有無を証明)の提出

ビクトリア州(メルボルンは州都)では、2006年から州管轄団体に教師登録手続きが必要になりました。この登録がないと、学校で働けなくなりました。教師の間でザワザワしたのを覚えています。(2006年以前は、登録は必要なく、資格保持者であれば働けました。)

当時と最近の状況が変化したか気になり、ビクトリア州の現状をチェック。

教師登録更新に必要な点(2023年10月現在)

1. 働いた時間数
(1年間に最低20日間教師として勤務)

2. 研修の時間
(1年間に最低20時間の研修済)

3. 5年ごと警察証明(犯罪歴の有無を証明)の提出

当時も今も、警察証明提出は必要。

学校でボランティアとして子どもと接する場合も、警察からのWorking with Children Checkの提出が必要でした。

異文化交流を目的に、勤務先に毎年日本人アシスタントがやってきました。1年間生徒宅でホームステイをしつつ学校でボランティアで働く20代前半のアシスタントも、証明書提出を学校に求められました。

「えっ?!何?犯罪有無の証明?悪いことしていないのに」と、疑われている様な気がして、最初は正直抵抗を感じました。その抵抗感も、永住権申請時や教師の登録で何度も「証明」提出を求められたゆえ、メルボルン滞在中「警察証明」は、身近な存在に。

問題0にはならないけれど、ステップとして

「警察証明」提出は必然という、上記の感覚で生活をしていたので、日本の状況に正直不安を感じる時も。

小学生の帰宅途中に起こる犯罪が増えたために、ボランティアが通学路に立っている姿を実家付近でも見かけるようになりました。

「ボランティアのバックグラウンドチェックはどうなっているんだろう?」

ボランティアの方々は、善意で子どもの安全を守ろうとしています。その方々を疑っているのではなく、焦点は、子どもの安全

学校の教師陣もしかり。社会が教師を疑っているからではなく、子どもと密に過ごす大人の義務として、まず簡単に出来るスクリーニングではないですか?

相手を疑う必要がないのが理想。
けれど、人目がない場所で子どもは弱者です。

「学校」や「塾」等、子どもが守られるべき場所で性犯罪事件が起こるなんて…。「犯罪証明」が法律化されても、事件の可能性は残念ながら0ではない。

スクリーニングだけでは決して問題解決にはならないけれど、性犯罪防止へ意識が高まり、犯罪防止対策の1つのステップになります。

性犯罪歴証明制度、他の国でどうなっているか気になります。

子どもの心と身体の健康が守られますように。

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