大塚まさじ・遠い昔ぼくは・・・から
あーよかった探しあてたせいせいとご紹介できるなっ姫様の腐海あそびも無駄ではなかった。
「うた」大塚まさじ。アルバム「遠い昔ぼくは」から。
漫画雑誌「ガロ」の編集長、長井 勝一さんが「まさじはいいね」と言ってた頃のまさじのアルバム。歌詞がむちゃぶりしやがってで。加川良に第一期と第二期があるという言説はよくあるけれど、まさじにもそれがあてはまると個人的には思う。
その時代の空気感をつよく想起させるタイプの歌い手がいる。いや、ホーボーのように旅先で日銭を稼ぐフォークシンガーのような人種ーーそれを「歌う渡り鳥君」と親愛の情を込めてあるひとが表現していたーーは、宿命的にそうであったりするのだが、まさじは街の場末の酒場その記憶だったり、いまとなってはちょっとてれくさいであろう時代が思い描いていたかもしれない男の浪漫だったりをねっ、いやあいいんだなあ(なにをいってるのこのひと(笑))。
関西の「雄」であった、(東の)Charとのデュオでの活動でも知られる石田長生(おさむ)のR&Bスタイルのギターが冴えわたるこの「うた」。
今でもその音色とサウンド、フレーズに痺れこころを熱くして、なぜこの時代にこの人にはこれが可能だったのかとことあるごとに。そこらへん慣れがこないんです学習能力なさすぎっっ(笑)。
難波元町の関西のフォーク系ミュージシャンが出入りしていた「喫茶ディラン」で店員をしていたんだよねまさじ(確か)。そこに「大阪へやってきた」友部なんかやって来たりしてさっ。
このアルバムは全編とおしていい。ああだこうだいわずともよい。そして時々むねからうたがとびだしそうになる。
友部正人が提供した「港のはなし」出だしは考えようによってはひどい小話で始まるのだがしんみりともするちょとない味わいの詩で、「海になった少年」はだいたい同時期の大貫妙子の作品を連想し、数曲ではトム・ウェイツの情緒もあり。
ではでは(*'▽')。