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異国に行ったタケシ【エッセイ】

父親のタケシは、気付いてしまった。

娘のコズエとワカバの会話が聞こえる。

子供の成長は早いものでコズエとワカバもすくすくと成長をして、はや思春期真っ盛りであった。

先ほど聞こえたコズエとワカバの会話に耳を傾けてみた。

コズエ『それな~』

ワカバ『ぎょ』

コズエ『ゆうて』

ワカバ『あね』

コズエ『きしょ』

ワカバ『ビジュが』

コズエ『おけ』

ワカバ『り』

ここは、日本か?

タケシは狼狽えた。

ワカバとコズエの会話がまったく理解できない自分がいた。

大人なタケシは全集中で頭の中をグルグルと考えを巡らせてみた。

そうだ、いろいろな言葉をタケシも知ってるではないか。

コズエとワカバのわけのわからない会話にタケシは、強引に入って来た。

タケシ『コズエとワカバの会話はナウいね』

コズエ・ワカバ『・・・』

タケシ『そのかえし、チョベリバ』

コズエ・ワカバ『・・・』

タケシ『ギャフンといわせるぞ!』

コズエ・ワカバ『・・・』

タケシ『許してくちょんまげ』

タケシ『ドロンさせていただきます。』

コズエ・ワカバ『きしょ』

やっぱり、コズエ・ワカバは異国人になっていた。

そういうタケシも異国人の時があった。

おしまい。

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ぱぽこめ
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