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【FE風花雪月】教えてやるよ。最高のキャラゲーってヤツを、な!!【5周年】

最近、『先生』の時代が来てる気がする。

直近で言うなら名作『地獄先生ぬーべー』の再アニメ化が決まった。

大人気『逃げ上手の若君』作者の前作も『暗殺教室』だった。

韓国発のソーシャルゲーム『ブルーアーカイブ』も人気だ。『ごくせん』のヤンクミが出てくるらしい。

国境を越えてムーブメントが起きている。

間違いない。今のトレンドは『先生』だ。



そんな訳で今回は『ファイアーエムブレム風花雪月』を紹介する。

名作

本作はあの『ヨッシーアイランド』でお馴染みの大手ゲーム会社【任天堂】が贈るSRPG、『ファイアーエムブレム』シリーズの最新作……そのひとつ前の作品である。

売上は2022年時点でシリーズ最高となる380万本を記録し、発売から5年が経った今もジワジワとその数字を伸ばしているモンスタータイトルだ。

既に多くの先生方がレビューを書いているゲームではあるが、今年が発売5周年という特別なタイミングである事と、我が国は昨今教員不足が深刻という事で、社会奉仕も兼ねてこのゲームの魅力を文字に起こしてみる事にした。


お前も先生にならないか?



☆どんなゲームなの?


そもそもファイアーエムブレムシリーズをご存知無い方の為に説明しておくと、本作の属するSRPGというジャンルは、将棋やチェスなどのボードゲームにRPGの育成要素を足したものを指す。


最近のトレンドである『エルデンリング』や『モンスターハンター』のような骨太のアクションが魅力のゲームとは完全に真逆を行くジャンルである。

頭を捻りながらキャラクターを育成し、数字と睨めっこして発狂し、これでいいのかと恐る恐る駒を動かし、奇跡よ起きろとしつこく祈り、何かいい感じに敵将を討ち取る。そんなゲームだ。

退屈そうに聞こえるかもしれない。
難しそうに聞こえるかもしれない。

だが本作『ファイアーエムブレム風花雪月』には、この退屈そうで難しそうで何が楽しくてやってるのかカケラも理解できない僧の籠る洞窟みてェな要素の数々を、あらゆるプレイヤーが楽しめるようにと様々な工夫が盛り込まれている。

まず、主人公は新任の先生になる。

性別は男女から選択可能
そのタイツで先生は無理でしょ


特徴は元傭兵という異色の経歴。あとそれが災いして、世間の常識にも疎い。


もしかしなくても学ぶ側では?


ちなみに本作ではキャラクターごとに得意技能が設定されているのだが、先生の特技は人を斬る事と人を殴る事。PTA〜!

士官学校なので暴力性が重視されるのかもしれない


ともあれ、先生になったからには当然、個性豊かな生徒たちにあの手この手で戦いのイロハを叩き込む事になるのだが……

授業はもちろん、

食事に誘ったり、

お茶会を開いてみたり、

一緒に合唱練習をしてみたり、

学内の武闘大会に出場させてみたり、

先輩教師から高度教練を受けてみたり、

そうして絆を育んでいるうちに気になるあのコとイイ感じの雰囲気になっちゃったり生徒同士がイイ感じの雰囲気になっていくのをニヤニヤ眺めたり、とにかくやれる事が多い。

お茶会はメインコンテンツ ですわ〜

他にも植物の栽培釣り料理悩み相談落し物の捜索風呂など色々なアクティビティがある。

その気になれば一日10食も可能


全ての活動で何かしらの報酬が得られるので、プレイヤーは限られた時間にどの生徒と何をするかを常に考えつつ、学園生活を進めていく事になる

学園生活がそのままSRPGにおける『育成』の役割を果たしているわけだ。

生徒達の育成方針も多岐に渡り、剣術槍術斧術弓術格闘術などのよく聞くものはもちろん、重装馬術理学信仰飛行指揮などの中から複数選択できる。

得意分野を伸ばすも良し苦手を克服させて秘めた才能を開花させるも良しと、こちらもまた幅が広い。

授業を重ねたら試験を受けさせよう

筋骨隆々の巨漢を魔法使いにしたり、華奢な少女を屈強な重装斧兵にしたり、全ては先生であるプレイヤー次第。

スキルや武器、ステータスも含めれば生徒たちが他プレイヤーと全く同じ成長をする事はまず無いだろう。

物語が進めば同僚を転職させることもできる
歩め    第二の人生を

そしてこれだけ色々とやっていると必然、生徒たちに愛着が湧いてくる。

この感覚が複数のキャラを同時に育成、操作するSRPGの仕様と大きく噛み合っている事はもはや言うまでもない。


手塩にかけて育て上げた生徒達が狙い通りの活躍をしてくれた時逆境を跳ね除ける意外な切り札になってくれた時、その瞬間こそ本作を遊んでいて最もテンションが高まる瞬間と言っても過言では無い。



どうだろう。

ちょっと楽しそうに見えてきたのでは?


☆魅力的な生徒たち



本作最大の特徴として、三つの学級から一つを選んで担任するシステムが挙げられる。ポケモン

担任する学級によって生徒はもちろん、ストーリーも変わってくる為、3回は新鮮な気持ちでゲームを遊べてしまう。


条件を満たす事で突入できる隠しルートもあるため、実質ゲーム4本分のボリュームがあると言える。これはもう定価でもお買い得なのでは?  FE風花雪月はニンテンドーカタログチケット対象商品です。

そんな訳で、ここでは学級の紹介に合わせて私のお気に入り生徒を3人紹介する。


微ネタバレが挟まるので、予習無しで授業に望む新任教師はすぐに退勤するように。

・青獅子の学級



崇高な騎士の国『ファーガス神聖王国』出身の生徒が集う学級で、級長は同国の第一王子ディミトリが務める。


一見して分かる通り、他クラスに比べて正統派のイケメンや美少女が多いのが特徴。


そして本編の4年前に起きた内乱で王を含む有力貴族が虐殺されており、その影響で家庭環境や交友関係が終わってる生徒が多いという教育者冥利に尽きる学級である。すぐケンカしてて草。

ストーリーが比較的シンプルなのも特徴なので、どうしても学級を決められないなら最初に選んでみる事をオススメする。

そんな青獅子の学級における私のイチオシは……まぁこの学級に限らず全員というのが正直なところだが、ゲームの紹介を兼ねるならクラスの陽キャ代表、シルヴァン=ジョゼ=ゴーティエが相応しいだろう。

近寄ると「せーんせっ」って呼んでくれる


シルヴァンは辺境伯の次男という恵まれた出生に加え、持ち前のルックス、そして無類の女好きという気質もあって、毎日のように女性関係の問題を起こしている学級一のトラブルメーカーだ。

どのくらい女好きかと言うと、主人公を女性にしてプレイしていた場合、他学級のルートでも無条件で自分の学級に引き抜きできる。




しかしただのエロ男かと言うとそうでもなく、学力は学級でもトップクラスという意外な一面があったり、悩める友人の心の内を読み取って的確なアドバイスを授ける場面があったりと、年齢不相応のどこか達観した感性も持ち合わせている。

そういった面はキャラ性能にも反映されており、彼は物理も魔法もそつなくこなせる数少ない生徒だったりする。彼をどう育てるかが教育者の腕の見せ所ですぞ……。

ちなみに『風花雪月 シルヴァン』と検索するとサジェストに『怖い』って出てくるぞ!  

なんでだろうね。


・金鹿の学級




君主を戴かず、多数の貴族の共同体という形で統治されている『レスター諸侯同盟』の生徒が集まるのがここ、金鹿の学級だ。級長は盟主の子息、クロードが務める。

特異な国柄を反映したかのように個性豊かな生徒が多く、パッと見では担任していて一番楽しそうに見える学級かもしれない。





そして金鹿の生徒を語るなら、やはりリシテア=フォン=コーデリアちゃんは外せないだろう。

かわいいね……


風花雪月のみならず、ファイアーエムブレム全作のキャラクターが参加したFE総選挙2020で女性2位にランクインした超人気キャラで……え、1位も風花雪月のキャラだって?  男性1位2位も?  そいつらは長くなるから……。


はぁ、かわいいね……


ご覧の通り、彼女の最大の魅力は何といってもその愛らしさだ。

作中のプロフィール曰く、好きな物は甘いものと可愛いもの。かわいい。嫌いな物はオバケと苦いもの。かわいい。年齢は15歳。かわいいね。士官学校では最年少なので級友からは妹のように可愛がられている。かわいい。でも本人は子供扱いされる事を嫌っており、早く立派になって両親の役に立つ事を望んでいる。いい子。年齢による学力差も常人離れした努力と天性の才能で補っており、所持スキルは直球の『天才』。えらい。そして生真面目な性格で基本的に誰にでも敬語で話すのに二人称は『あんた』と子供っぽさが抜けていない。とってもかわいい。野暮ったさを感じる独特な語調も……はぁ、とても、かわいいね。CV悠木碧。


アッ……


ともあれ、こうして魅力を羅列してるだけで無条件に風花雪月を遊びたくなる危険な女だ。


何も知らなければ、明るい雰囲気の漂う金鹿の学級におけるマスコットと言えるだろう。


・黒鷲の学級




物語の舞台となるフォドラ大陸で最も幅を利かせている帝政国家『アドラステア帝国』出身の生徒が身を置く学級。級長は次期皇帝の証を持つ第四皇女、エーデルガルト。

第四皇女なのに時期皇帝に内定しているのは内乱で兄姉を全キルされたからだよ


さて、そんな黒鷲の学級だが、所属する生徒達は金鹿に負けず劣らずの個性派揃い……主に悪い意味で個性派揃いなのが特徴だろう。




引き籠もりがいたり、カッとなったらすぐ手を出す奴がいたり、隙あらばすぐ居眠りをするサボり魔がいたり、見るからに悪人面の奴がいたり……そんな面々を級長の頑張りでギリギリ学級という形に纏めている、かなりアレな集団だ。

そんな黒鷲の学級が誇るトップオブ問題児こそ、ベルナデッタ=フォン=ヴァーリである。




自他共に認める引き籠もりで、平日こそエーデルガルトに引っ張り出されて渋々授業を受けているが、休日になると部屋に閉じ籠って外に出てこなくなる。


必然、先生との会話はドア越しに行われるのだが、その絵面はどう見てもカウンセリング。違う先生やそれは。

趣味も小説執筆、裁縫、読書、絵画、音楽と見事なまでのインドア派で、嫌いなものは他人との接触や会話。筋金入りである。

その上他人の話を最後まで聞かず隙を見て逃げ出したり、強引に自分に関わろうとする人間には被害妄想をこじつけてそれを当人の前でベラベラ喋り倒して発狂したり……まぁ、だいぶヤバい寄りの女だ。


根暗キャラは日常系のアニメや漫画では何度も擦られてきただろう鉄板属性だが、これ程までに自分の性格が問題の根幹になっているキャラクターは稀な気がする。なぁ、こいつ好きな同級生いるんか??

とあるルートでの『○○が○○だ。それはいいんですけど』発言には彼女の真骨頂を見たね。ホンモノだよ君は……。

☆SRPGの範疇を越えた作り込み


本作のシナリオは二部構成となっており、学園生活が主軸の第一部と、三国入り乱れる戦乱の時代の第二部に分けられる。

第二部が始まるのは開戦から5年が経過したタイミング。もちろん生徒たちも心身共に成長しており、ビジュアルもちゃんと変更される(先生は色々あって5年間寝てた)(あ、FE風花雪月5周年おめでとうございます)

殆どの生徒が年上になってしまう


そして学園編の主な敵はその辺で自生していた山賊が殆どだったが……


戦争編の敵は同じ釜の飯を食べた他クラスの生徒たち。つまり周回プレイをしていたら前周でお世話になった生徒たちが敵に回るという筆舌に尽くし難い展開が待ち受ける。


もちろん戦争なので敗北した敵将はバッチリ命を落とす。なんならこちらの仲間も敗北したら命を落とし、そのデータでは二度と使えなくなる(※第一部でも敗北した生徒は同様の扱いになるが、撤退扱いで死亡はしない)


一応、どうしても戦いたくない生徒がいる場合は第一部の時点で指定の条件を満たして自学級に引き抜いておくという手もある。

ただし、引き抜いた生徒は祖国を裏切るという形で自軍に加入する為、家族や友人に罵声を浴びせられながら戦う事を強いられる。かわいそう。

誰を誰と戦わせるか、可能性は無限大


ちなみにスカウトした生徒は本来いないはずのキャラクターなのでシナリオには関わらない……と思いきや、物語の展開に合わせたテキストがしっかり用意されており、学級の垣根を越えた生徒同士で信頼度を上げる事も可能だ。もちろん会話パートにも手抜きは一切無い。

しかもこれらのイベント全てがボイス付きという拘り。もはや狂気すら感じられるボリュームだが、そもそもこのゲームに出てくるセリフは全てボイス付きなので当然といえば当然。容量がバグっていらっしゃる???

もちろんモブのセリフもフルボイス


あと、信頼度システムのあるゲームの醍醐味といえば、お気に入りのキャラクターとのペアエンドは外せない。

だが、生徒を含む全てのNPCにも複数パターンのペアエンド、ソロエンドが用意されているゲームは『ファイアーエムブレム』シリーズくらいのものだろう。


共に戦った仲間たちが本編後にどんな人生を歩んだかがスタッフロールと共に綴られるので、エンディング中に感極まる事間違いなし。


生き残りが少ないと葬式会場になるけど。

高難度だと学級崩壊ENDもザラ



☆最後に


ここまで私は『ファイアーエムブレム風花雪月』の素敵なポイントばかりを紹介してきたが、実は本作にはひとつだけ……ひとつだけ人によっては弱点と呼べる部分が存在する。

それは純粋なSRPGとして評価すると、本作は従来のシリーズに比べて、若干シンプルなゲームとして仕上がっている点だ。

私の推測だが、従来のシリーズよりもキャラの描写に力を入れた事とルートを4つに分けた影響で容量がカツカツになり、仲間になるキャラ数が少なめになった事が原因だろう。

本作で仲間になるキャラは1ルートあたり20人にも満たないが、次回作の【ファイアーエムブレム エンゲージ】や過去シリーズでは30〜40人近くが仲間になる。仲間の数が増えればそれだけ戦略の幅も広がるし、ルートが1本ならその分ステージの数やギミックにもかなりの余裕ができる。

もちろんキャラクターの作り込みや演出面では【風花雪月】の方が圧倒的に優れているので、SRPG的な面白さとキャラクター描写は容量の都合でどうしてもトレードオフになってしまうのだろう。

・登場人物が多く、かつどのタイミングで誰が死んでも成立するシナリオ。

・ステージ制のゲームゆえ、最初から最後まで大軍と戦う展開が連続するシナリオ。

以上の制約からファイアーエムブレムシリーズは通常のRPGなどと比べてストーリーに関してはかなり粗が目立つシリーズだった。


しかし、『練りに練り込んだ世界観』と『重厚すぎるテキスト』と『作り込まれたキャラ造形』をSRPGのシステムに掛け合わせる事で、風花雪月は従来のファイアーエムブレムには無かった新たな魅力を獲得した。

SRPGとしては他作に及ばないが、代わりに他に並ぶ物のない最強のキャラゲーとなった。

勘違いしないで欲しいのが、あくまで他シリーズと比較して物足りない点があるだけで、本作単体で見ればSRPG部分も決してつまらないクオリティという訳では無いという事だ。

むしろはじめてSRPGに触れるプレイヤーにとっては入門作として丁度いい塩梅に仕上がっている。というかつまらないなら380万本も売れるわけがない。


敵の弱いSRPGほどつまらないゲームも無いので難易度はハードを推奨。自信の無い先生はカジュアルモード(仲間が死んでも離脱しないモード)を選んで難易度を調整するのがいいかも


じゃあなんでそんな事言ったのという話だが、先に述べた通り本作がSRPG入門作として特に優れている事を伝えたかったからに尽きる。

例えば最新作の【ファイアーエムブレムエンゲージ】はグラフィック面でもバトル面でも評価の高い作品だが、だからと言って先にそちらを遊んでしまった場合、本作のシステム面でかなりの不便を感じてしまうのでまずはこちらを……風花雪月を遊んでからエンゲージないし過去のシリーズに触れて欲しい。


厄介オタクの切なる願いである。


DLCの『第4の学級』編。オススメ
スピンオフの『ファイアーエムブレム無双  風花雪月』。こっちもオススメ



余談だが、風の噂でニンテンドースイッチの次世代機が開発中と聞いた。

次世代機ともなれば、容量もグラフィックも既存のゲーム機を大きく上回るものが出てくるのは間違いない。


もしかすると【風花雪月】のキャラクター描写と他シリーズのシステム面を併せ持つ、最強のファイアーエムブレムが発売する日もそう遠い未来では無いかもしれない。

任天堂さん。

コーエーテクモゲームスさん。

インテリジェントシステムズさん。



期待して待ってます。



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