見出し画像

ユニットコント大感想

まず、ぼくは昔からなかなかの虚弱体質だ。
しかし、気張ればなんとかいけなくはないんだと思った。無理はしたけど。

約1ヶ月とちょっとの稽古期間。
その間にライブや、M-1の2回戦のために東京に行ったりなかなかのハードスケジュール。
その間一度も体調不良で飛ばしたことはなかった。
まず褒めよう。
よく頑張った自分。えらい。



始動したのは9月上旬頃。
最初に全員でおおまかなコントの案を出し、8個に絞る。プラスでOPコントとVTRが入り、香盤表が決まる。



決まったのはこれ↓↓↓




OPコント『野球』
野球のアニメ。最後の一球にかけた主人公の思い。回想シーンで色んなキャラクターが出てくる。てか野球じゃねぇや。

『灼熱クレーマーバトル』
カスすぎるポンコツコンビニ店員のもとに現れるクレーマーたち。彼らが見事なクレームを見せつけバトルを繰り広げる。最後に現れたのは...

『ずっと一緒』
初めて彼女の家に訪れたタカくん。そこにいたのは人に遣えて働く妖精たち。彼らは働かないと消えてしまう。そうはさせまいと厳しく叱る彼女のなつみちゃん。しかし結末は切なく...

『指ペロ』
モテない男は緊張で手汗がネチョネチョ。でもレジ袋は開けられる。モテる男は手汗がないから開けられない。噂の地方CM。サッポロマイバックは物販にて実物が販売された。

『バラエティ』
見たことありそうでなさそうな絶妙にグダグダなお昼のバラエティ番組。撮影スタッフのストライキで人数が足りない中なんとか乗り切る!
普段は大丈夫なのかこの番組。

『缶蹴り』
いつも行われる奥様たちの何気ない井戸端会議。しかし足元には缶がひとつ。突如始まる缶蹴り。井戸端会議によってその理由が明らかに...
ゴシップは毎回アドリブ。

『エロ本獅子舞』
修学旅行の夜。いつまでも寝ない男子たち。その部屋にあったエロ本。だがそれは呪いの始まり。取り憑かれ舞うのだ。これぞ伝統芸能。

『アフロ・ディジアック島』
意味は媚薬。全ての男を取り込む謎の女、メアリー。島を訪れた救助隊は徐々にメアリーのペースに。ずっとじんわりR指定がかかりそう。

『マイバラード』
ミュージカル 〜愛〜。売れない役者 郷大輔。役者の道を諦めかけていた時、売れっ子女優 天木時雨と出会う。2人は互いに惹かれ合い、困難を乗り越え、最後は歌が全てを繋ぐ。



ざっくりはこんな感じ。
それぞれ必要な配役が決められる。
自分の担当ごとに別れ、みんなで案を出し合い固めていく。
最初に案を出した人が各コントの脚本担当者となり、台本を作成。それをもとに稽古が進んでいく。

ぼくが出るのは、『ずっと一緒』『エロ本獅子舞』。そして全員参加の『バラエティ』『マイバラード』。

ずっと女性役だった。

誘われた当初、ユニットコントなら色んなコントもできるしメンズウィッグでも被って男役でもやろうかと淡い期待を抱いていた。
そんなことはなかった。

だがすんなり受け入れた自分がいた。
もう不思議じゃない。適材適所。

『ずっと一緒』・・・なつみちゃん(彼女)
『バラエティ』・・・RIKO(モデル)
『エロ本獅子舞』・・・音師(幻の存在)
『マイバラード』・・・結城めぐ(女優)

これがぼくの役だ。
女役というだけでなく、ある程度綺麗でなくては成り立たない役もある。
役作りとして美意識は高めた。
食事制限と筋トレ。姿勢改善。
なにしてんだ。

衣装としてアンヌ(ぼくだけなかもりあやをそう呼ぶ)に何着か借りた。
なつみちゃんの衣装で使ったワンピースはかなり細身なシルエットになる。ちょっとでもお腹が出たら恥ずかしいことになる。

絶対に太れない。

そんな心配も必要ないくらい痩せた。
毎日の稽古。意識なんてしなくても、あまりちゃんとした食事をとってなかった。
ストレスのせいなのか、慢性胃炎、逆流性食道炎にもなった。

ラッキーと思おう。

役作りの手間が省けた。


せっかくなので役をひとつずつ振り返っていく。

『ずっと一緒』
ぼくの役はなつみちゃんという女の子。彼氏のタカくん(ありちゃん)を初めて家に呼ぶ。そこで家にいる人に遣えて働く妖精達を紹介する。
なつみちゃんは物語を進行するかなりメインの重要な役だ。
さらに大変なのはなつみちゃんの二面性。
大好きな彼氏には甘い声色、妖精達には厳しく怒鳴りつける。切り替えて演じ分けなければならない。

ムズい。

まず見た目を女の子に寄せるのは簡単だが、声は特に意識はしたことがない。
地声は高い方かもしれないが女声とは呼べない。
そういう時、演技でカバーするのだ。
喋り方や雰囲気で彼氏にデレデレする女の子に見せられるような演技。
束田さんや村井さんのお手本を見せてもらったりした。格好はそのままでも不思議と女の子に見えてしまう。すごい。これがコント師か。
全力でかわいい彼女になってやろうと努めた。

そして後ろを振り向けば妖精達に今度は怒号を浴びせる。ある程度ドスの効いた迫力のある声で怒ってほしい。注文があった。
なるほど。なら男声の方がいい。
ぼくならではの役。

しかしこれも難しい。

人生で怒鳴ったことなど一度もない。
ブチギレドッキリとか自分だったらできるかな?みたいに思いながらよく見てた。
怒鳴ろうとしても気を抜いたら声が高くなってしまい迫力が無くなってしまうだろう。
それでいて妖精達と掛け合いを続けなければならない。
今までのぼくにはないだろうと思っていた演技の幅が広がった気がする。

今回の中で1番力を入れた。印象に残ってる特別な役。このコントができてよかった。
脚本を考えてくれた村井さんに感謝。

最後の方のシーンでは役に入りすぎて稽古でいつも涙目になるくらい。

みんな大好きなんだ...




『バラエティ』
ぼくはモデルのRIKO。同じくモデルのNANAMI(なかもりあや)と地方のあんま見たことないモデルとしてひな壇にいる。
脚にはタトゥーが入っている。

最初の見所は食レポ対決に勝ったおしゃまんべ酒井(サカヅメ)がご褒美にモデルとイチャイチャするもの。
NANAMIとRIKOが酒井を囲むように立つのだが、これ気づいただろうか。
ただイチャイチャしてるように見えて元コンビ(補色)と現コンビ(暮花火)が集まってるだけ。
全員同い年。なにしてるんだろう。

このシーン、脚のタトゥーが映ってしまう放送事故が起きる。

タトゥーは透明なテープに自分で絵を描いた。観音様の絵に「極楽浄土」という文字。
とてもイヤなタトゥーにしたこだわりポイント。

だがこれを見せなきゃいけない。

そう。
露出だ。

脚を出し、かつモデルっぽい格好。
ショートパンツにオフショルにした。

普通の女の子でもちょっと躊躇うんじゃないかという露出度だと思う。

ぼくはもうすぐ27になる成人男性です。

でも舞台の上なら気にならなかった。
心はモデルだったから。

街中歩いてくださいと言われたら断るけど。
それはさておき。

なんだかんだあり放送事故は芸人わっかない村井(わっかない村井)の起点によって救われる。

ひな壇に戻ると隣にいるムエタイファイター ポンヌク・ワンチャイ(たいよう)がちっちゃい声で「オツカレサマデス」と迎えてくれる。
地味にツボ。カタコト外国人ってかわいい。

その後はなんとなくワイプに映ってる女性タレントみたいな表情していた。

口角はとにかく上げる。

モデルとして全うした。


『エロ本獅子舞』
脚本は有馬さん。ぼくは参加していなかったが、前回のユニットコントで同じく有馬さん脚本のネタが物議を醸した。その名は『珍龍』。
全員が振り回されたため、今回はそうならないようにと釘を刺されまくっていた。
ぼくは楽しそうと呑気に見ていた。

有馬さんのキャラクターを知ってる人にはわかると思うが、突拍子のないことを言い出す。
しかしそれが全ておもしろそうと思わされてしまう。世界観がすごい。個展でも感じた。

実は発案段階ではストーリーが少し違っていたのだ。ぼくは主人公ようた(たいよう)の好きな女子生徒をやると聞いていた。
エロ本を見て獅子舞になるのは同じ。そして暴れたとこをみんなで抑えようとバトルになる。
なんとか落ち着いたと思ったところに女子生徒が来て興奮してまた暴れてしまう。というもの。
それもおもしろそう。

結果的にぼくの役は演舞の時に現れ祭囃子を盛り上げる「音師(おとし)」に落ち着いた。実際は演奏してる人のことを音師とは言わないのだが、このコントのシメにも出てくるため「落とし」とかけた遊び心。
イメージは牛若丸。

おもしろいと感じるか、なんだこれと思うかはあなた次第。
稽古を1番楽しそうにしていたのはこれ。
男子の悪ふざけ。
でもそれがいいんだよね。


『マイバラード』
ぼくの役は女優 結城めぐ。
現在は育休のため女優業からは離れている。
主人公である郷大輔(たいよう)の所属する練馬どんぐりプロ劇団の先輩で脚本家の大河内ビフテキ(よねけん)の妻。
ヒロイン 天木時雨(アライヒカリ)とは同期。
天木時雨と付き合ってる俳優 葛城雄大(齋藤のようなもの)のことをあまりよく思っていない。

設定モリモリ。

時間の都合上あまり詳しく掘り下げることはなかったが、その他のキャラクターの背景などがわかるコントも見てみたいくらい。
今回のユニットコントだけで終わってしまうのはもったいない作品。

全員参加でトリのコント。おまけにミュージカルで歌もある。シーンの切り替わりも多い。
必然と稽古の大半の時間はこれだった。

ずっとよねけんさんと大河内夫妻の夫婦コントしてた。めぐは良い奥さんだと思う。世間体を気にするがなんだかんだ旦那のこと大好きなんじゃないかな。

役に入っていたためほとんど隣に座っていた。
打ち上げもなんとなく隣に座ってみた。

早く役を抜かないと嫉妬とかしちゃうかもしれない。

大河内夫妻のステッカー当たった人いるかな。
いい写真と評判なのですが。



そんなこんなでユニットコントライブ4
本番も無事終演しました!
お越しいただいた皆様ありがとうございました!!
ちょっと時間は激押しくんで申し訳ないです。

みんなでヘトヘトになりながらやって達成感半端ない!

次回ももしあればきっとまたいいものになると思います。今回見れなかった方は来てみてください。絶対またおもしろいので。

いいなと思ったら応援しよう!