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ディズニーの現場力 大住力

ディズニーの現場力 大住力
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○著者紹介○
「ソコリキ教育研究所」所長。公益社団法人「難病の子どもとその家族へ夢を」代表。20年間ディズニーランドの最前線から中枢までさまざまな仕事を経験。
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○こんな人におすすめ○
✔︎ディズニーが大好きな方
✔︎組織やチームで上の立場の方
✔︎会社員
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ウォルト・ディズニーの仕事の哲学
ウォルトは仕事を「デューティー」と「ミッション」の2つとしていました。日本語だと、「作業」と「役割」です。
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働く人の9割がアルバイトで占められているディズニーランドには、とても細かな作業手順が書かれたマニュアルが存在します。これが「デューティー(作業)」になります。デューティーは、働く誰もが当たり前にできるもので、デューティーをこなしたからといって、自分は仕事をしたと思ってはいけないそうです。
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ウォルトの考える仕事は、実は「ミッション(役割)」です。ディズニーランド事業のミッションは、「Give Happiness」に集約されています。つまり、すべてのゲストに幸せを提供するということです。
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ディズニーランドでは、2日に1回の割合でパーク内のどこかで本番さながらの防災訓練が行われています。災害マニュアルには、震度6強の地震により5万人が3日間園内に留まる最悪の状況を想定してつくられています。
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そのマニュアルの中に、こんな記述があります。
1.目をふさぐ
2.足をしばる
3.手をしばる
4.口をふさぐ
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これは、パニックを起こさないための作業です。何万人ものゲストが一斉にエントランスに向かって走り出すと、液状化という現象が怒る可能性があるためだそうです。ディズニーランドは埋立地ですから、地震が起きた後に地面に力が加わると、地下から水が上がってきて海辺の砂浜のようにズブズブになってしまいます。また、人と人とが激突することで起こる怪我などの2次災害を防ぐためでもあるそうです。
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液状化の体験ができる実験をご紹介します。まずタッパーに水を入れビー玉やコインなどを入れます。次に、タッパーに砂(海の砂とか)をゆっくり入れます。水面がなくなって表面が乾燥した砂になったら準備完了。
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あとはタッパーの側面を叩いてみてください。埋めたはずの物が浮いてきます。これが液状化です。
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東日本大地震の時、キャストはこのマニュアル通りに対応し、安全を確保しました。しかし、小さな子どもが不安で大泣きしていたそうです。その時アルバイトのキャストは、店内にあったダッフィーのぬいぐるみを子供にあげて安心してもらえるよう対応しました。
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もう一つの例をご紹介します。
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ある時、ゲストの方がパーク内で指輪を無くしてしまいました。間違えてゴミ箱に捨ててしまったようです。
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しかしここからがすごいディズニー。ディズニーでは、ゴミが溜まっていなくても一定時間毎に回収され、バックヤードに運ばれます。運ばれたゴミは、エリア別、時間別に保管されます。なので、ある程度の時間と無くした場所さえ検討がつけば、あとは人海戦術で探しまくるだけということになります。
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そしてあっというあ見つけてしまいました。
ディズニーにはゲストに幸せを与えたいキャストがたくさんいますから、人数をかけてあっという間に見つけてしまったそうです。
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ここから学ぶことは、まず最低限の約束事があり、残りは目の前の相手に幸せを届けるためになにが最適か自分の頭で考え行動するということです。
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僕たちの仕事に当てはめて考えると、求められている働きが「作業」、目指している成果が「役割」になります。最後の自分の頭で考えて行動するがポイントかなと思いました。
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「ディズニーの現場力」には、僕たちの働き方に参考になることがたくさん書かれています。ディズニーランドに何度も行きたいと思える理由は、ウォルトの考えた細かな約束事やこだわりがあるからです。
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最後に、ウォルト・ディズニーの言葉「夢を叶える秘訣」について紹介します。
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夢を叶える秘訣は4つのCに集約されます。
『curiosity(好奇心)』
『confidence(自信)』
『courage(勇気)』
『continuation(継続)』
ウォルトは、好奇心を持って何かを始めても三日坊主で終わってしまえば成果は残らないと言っています。続けることの難しさを誰よりも知っていたからこそ、マニュアルという形で継続しやすいしくみを作ったのだと思います。
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ずっと人気を保ち続けるディズニー。それはまぐれじゃなくて、しっかりとした裏付けがあるからなんだなと思います。地道なことをひたすら続ける。そんな小さな積み重ねが、大きな成功や成長をもたらすのかもしれません。
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