コモンパーパスの作り方
こんばんは。窪田です。
先日までは結婚式場の事例を題材にエンゲージメントの5C「コモンパーパス」についてお伝えしました。今日はコモンパーパスを作るポイントについてお伝えします。
通常、企業には経営理念やミッションがあります。これらもコモンパーパス(共通の目的)の一つです。
経営理念がない会社はほとんどありません。つまり、多くの企業でコモンパーパスは最初から存在しているということになりますので、理念やミッションをそのままチームのコモンパーパスとして利用できれば、それでコモンパーパスの制作は終了ということになります。
ただ、現実的に、これらの企業のコモンパーパスは、現場でそのまま使えないことも多いのです。理由は「抽象的すぎる」からです。
私の結婚式の事例で言うと、私の所属していた企業の当時の理念は「最高の結婚式を〜」みたいな理念でした。でも「最高の結婚式」と言われても、「料理が最高に美味しい結婚式」と「演出が最高に楽しい結婚式」は別物です。
これでは現場はどちらの方向に一歩踏み出せばいいかわかりません。
それぞれのメンバーの最高の結婚式の定義が違えば、全員コモンパーパス沿った行動をしているはずなのに、チームとして進む方向も、取り入れる施策の優先順位もバラバラになります。
ですので、現場のコモンパーパスとして機能させるには「最高の結婚式」という抽象化された理念を自分たちのアクションの指針やアイデアの選択基準になる程度に具体化する必要があるのです。
下の図をご覧下さい。
理念を具体化するためには、
「自分たちにとっての最高の結婚式は何か?」
「自分たちのチームが「理念を体現しているね」と他のチームに評価されたとしたら、それは何をしたからか?どんな行動をとったからか?」
などの質問の答えをチームで考え、行動の指針になる程度に具体化していく必要があります。
そしてさらに
「チームの(定量)目標の達成は、自分に、チームに、会社に、お客様に、社会にどんな意味をもたらすのか?」
を想像することで、目標に対する理解が深まり、目標を達成する自分たちなりの「意味」の発見につながるのです。
これらの質問により、チームが意識できていなかったことを意識にあげることで、メンバーの目標に対する理解が深まり、右側の目標に対する自覚領域(黄色い円)が広がります。
同じように、「自分にとっての最高?」を質問で掘り下げることで自分自身が人生や仕事で大事にしている考え方や価値観を自覚することで、左側の円も広がります。
質問により自己理解と目標理解が広がることで自分の価値観とコモンパーパスと重なりが生まれます。これが5Cの「コネクション」です。
コモンパーパスを作る時には、他にもいろいろな切り口があるのですが、目標理解と自己理解の領域を増やし、その重なりの中でメンバー同士が多く重なっているところを切り口に、言語化していくプロセスを経るのが一般的です。
少人数のスタートアップは、事業数や商品数も少ないため、経営理念=チーム理念として機能するケースも多くありますが、
たくさんの事業体を包括する大企業ほど、すべての事業を包括するために経営理念は抽象化せざるを得ません。
そのため大企業のチームほど、自分たちでコモンパーパスをDIYすることが必要なのです。そしてこの共感されたコモンパーパスこそ、「業績に役立つ目標」だといえます。
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