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母の宅急便
もしかすると、
もう母から宅配便が来ることは
ないのかもしれないと思っていた。
だけど、来た。
白砂糖の大袋には首をかしげたけれど
半分使った小豆の袋と餅があったので
これでぜんざいを作れってことですね。
故郷からの宅配便は翌々日配達になり
野菜や干物は送りにくくなってしまい、
その分、菓子類が増えた気がするけど。
「これを送ろう」と選んで詰めて。
一人では外出もままならない母が
こうして送ってくれたのだと思うと、
感謝しかない。
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思えば母の宅急便は、
私が大学に入ったときから続いている。
あれやこれやで何度か海外に出たときも
変わらず送ってきてくれた。
でもそのころは、
もしかしたら送られて来ない日がくるかも、
なんてことは思いもしなかった。
母も歳をとり、
当たり前だがその分、私も歳をとった。
秋は、しみるなあ。
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