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【IVRy】「自動音声応答」市場から、AIによる「法人対話業務」市場へのチャレンジ

スタートアップに転職を考えているが、なんだか不安。そう感じているのはあなただけではありません。

安定した企業での仕事を続けるか、それとも新しい挑戦に踏み出すか…。
多くの人がこの岐路に立ったときに同じような悩みを抱えます。

ワクワクする未来が待っているかもしれないが、同時にリスクや不確定な要素が付きまとうのも事実です。
・失敗したらどうしよう?
・給与や福利厚生は大丈夫かな?
・これまで築いてきたキャリアが無駄にならないだろうか?
そんな疑問が頭をよぎるのは自然なことです。

そこで、今回は自動音声応答のスタートアップ「IVRy」について、事業概要やその評価、将来性などについて、著者の観点から分析・考察していきます。


IVR「自動音声応答」とは

飲食店や飛行機の予約、電化製品のサポートなどのため、企業の窓口に電話をかけた際に「音声案内に従ってご希望の番号を押してください。ご予約の確認は1を~」といった自動音声が流れることがあると思うが、そのシステムを「自動音声応答」IVR(Interactive Voice Response)と呼ぶ。

事業概要

IVR事業:
そのようなIVRサービスをAIとクラウドで実現した会社の一つがIVRy(アイブリー)である。主力サービスである対話型音声AI SaaSは、電話業務を効率化するための幅広い機能を備えている。たとえば、電話応答の分岐設定、AI自動応答、SMS返信、電話転送、顧客管理(CRM)など、フロントオフィス業務を支援するさまざまな機能をクラウド上で管理できる。

  • 顧客:主にtoC向けのサービスを展開している企業。

  • 競合:コミュボ、pickupon、fondeskなどのスタートアップ、AVAYAなどの海外サービスに加え、NTTコミュニケーション、KDDIなどの大手のサービス、また、自社開発ソフトも依然根強く残っている。

事業の強み:
IVRyの強みは、AIを活用した高度な音声対話技術と、従来の050番号に加えて、03など全国での固定電話番号(0AB-J番号)の利用が可能になったことが挙げられる。

事業評価

IVR事業:

  • 現在の市場規模:5点(1000億以上)

    • コメント:電話を顧客接点のひとつとしている企業がターゲットとなるため、市場規模は非常に大きくなる。調査会社によっては2,000億、3,000億規模と言われている。

  • 今後3~5年の市場成長の見立て:1点(2倍以下CAGR 15%以下)

    • コメント:市場自体は大きいが、電話対応件数が少ない企業は、これまでどおり人の対応、またはシンプルなIVRでも十分だと考えられるため、成長率は高くないようである。

  • 変化する 外部環境との親和性:4点(外部環境変化と親和性高い)

    • コメント:人手不足が顕著になってきていること、また、AIの精度が高まってきているため親和性は高いと言える。

  • 支配的なプレーヤーの存在感の低さ:3点( 5-10社がシェア争い)

    • コメント:市場には大小さまざまなサービスが存在してはいるが、機能面と導入実績でIVRyは業界をリードしている。

  • 現状の顧客が活用している代替案の未充足度:3点( 代替案が何とか使える)

    • コメント:企業規模によっては、AIで応答しなくても、転送先を振り分けるなどのこれまでのシンプルな機能だけでもニーズをある程度満たすことができると考えられる。

事業の将来性

IVRyは急速に成長している企業のひとつであり、国内47都道府県、80業界以上でサービスを提供している。累計アカウント数は15,000を突破し、事業は順調に拡大。特にAI技術の進化と需要の増加に伴い、同社のプロダクトは「電話DX」から「対話型音声AI SaaS」へと大きく進化を遂げている。また、シリーズCラウンドで30億円の資金調達を実施し、累計49.5億円の調達額に達した。

マーケットの定義を変えられる可能性

これまでのマーケットは「自動音声応答」という言葉通り、基本的にはただ音声で決まった通りに応答するにすぎない。そういう意味においては、対応部門に振り分ける機能で十分かもしれないし、場合によっては人間が対応したほうが顧客満足度高くなることもある。

しかしながら、AIによる「法人対話業務」というマーケットを想像するとどうだろうか。AIが自社の営業マンさながらの対話を繰り広げるようになれば、そのマーケットは「自動音声応答」の何十倍にも、何百倍にも大きなものになることが考えられる。

企業理念またはミッション・ビジョン・バリュー

IVRyのミッションは、「最高の技術をすべての企業に届ける」。ビジョンは、「“働くことは、楽しい”を常識に変えていく」。また、バリューとして「Beyond the Wall(あらゆる壁を超えよう)」「Keep on Groovin'(多様を受け入れ協奏し続けよう)」「Grab and Grit(機会を掴んでやり遂げよう)」を掲げている。

このミッション・ビジョン・バリューからは、IVRyにとってIVR事業は最初の一歩に過ぎず、これからも全ての人が楽しく働ける世界実現のために、AIをはじめとしたさまざまなテクノロジーを使い、新しいチャレンジをしていくと推測できる。

採用概要

遊びたくなる新オフィス:
IVRyは、2024年に新オフィスへ移転し、従業員数が100名を超えたことを発表した。今回移転したオフィスのコンセプトは「遊びたくなるオフィス」であり、なんとオフィスにボルダリングの壁が設置されている。

とてもユニークなオフィスであるが、それにはちゃんとした意味もある。事業が成長するにあたって避けられない、壁にぶつかったり、挑戦をしないといけない場面でも、社員みんなで楽しみながら乗り越えることができるということを願っている。

採用情報:
成長中の会社らしく、セールス、マーケティング、事業開発、PdM、デザイナー、ソフトウェアエンジニア、コーポレートと、多方面にわたって人材を求めています。また、中で働く人と30分間面談できるというカジュアル面談という仕組みも用意されている。

スタートアップの役割の一つに、顕在化していない市場をつくりだすということがある。道なき道(未知)を歩むスタートアップのその道のりは、まさにボルダリングのようなものかもしれない。


以上、急成長中のIVRyの紹介でした。魅力的な企業ですので、ぜひ転職を検討されている方は採用ページを確認して、カジュアル面談から進めてみてはいかがでしょうか?

ライター:松本英次

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