自分で自分を見つけた話
不思議なことが起きるたびに、これは気のせい。私の妄想。
そんな風に、感じたことを押し込めてきた。
心の中には誰も入ってこないので、表向きに見せていることとは違う感覚でいることも多かったように思う。
そもそも私のやや風変わりな価値観を、表に出すことには抵抗があったし、誰にもわかってもらえないのに、そうすることに意味を感じられなかった。
「ただの変な人で終わっちゃうもんね」そうひとりごとを言いながら、また自分の殻に閉じこもる。でも殻の中は安全で、一人の世界も居心地が良かった。
でも心のどこかでは、自分と同じようなことを考えている人といつか出会い、心をオープンにして思う存分話すことを夢見ていた。
そして、2022年。
この人なんじゃないかと思う人と出会い、まるで魂の磨き合いのような日々が始まった。
会うたびに話しが尽きず、過去の体験から感じたことやあり方、考え方、宇宙意識からこの世の源的な話まで、お互いにずっと話し続けた。
どうも普通の人とは一風変わった雰囲気のその人は、まるで何もかもわかっているような態度でいつも余裕を見せていたけれど、その目の奥にはどこか寂しそうな何かを抱えていたように思う。
海を見ながら、川に足をつけながら、山からの景色を眺めながら、とにかく頭の中にあったことを全て吐き出す作業が始まった。
時には意見をぶつけ合ったり、子どものように喧嘩をしたりして、あまりの内容の濃さに時間の感覚がバグったことも何度もあった。
ぶつかり合うたびに、無意識に身につけた鎧のような思い込みが取り払われ、気づきが押し寄せる日々。泣いたり笑ったり忙しすぎて、記憶にも残らないまま、すごいスピードで時間が過ぎていった。そして、本当の自分が顔を出し始めた。
こんな私見たことない。こんな私、私じゃない。
そんなことを何度も何度も思い、喜怒哀楽のフルコースを味わいながら、月日は流れた。そして、2年が経った頃、この人は私自身なのかもしれない。疑うことなくそう思った。それは、鏡の法則で言われるような、現実は内面の現れという意味ではなく、魂の片割れと表現されるロマンチックなものでもない。
もう一人の自分。
それは、年齢も性別も超越した存在。
私が私に会いにきてる感覚。自分が自分を見つけたのだ。
この世はエネルギー。エネルギー場で起きたことが現象化するには、全てが共時性的に成立している必要がある。
もう一人の自分も私と同じように、自分と同じことを考えている人を探していたのだろう。それは無意識の領域かもしれないけれど。
膨大な会話を通して、自分の中にあったいくつかのスイッチが押されていくのがわかった。1番顕著に出たのは、A面の私だけではなくB面の私が現れたこと。(例えが昭和です、はい。)
そしてどうやらこの私というカセットのB面が、これからの私のメインになろうとしている。まだ抵抗があって、最後の殻を破らない私に、宇宙は容赦無く強制終了をかけてきた。
今まで当たり前にあったものが、あっという間に消え去り更地になってしまった。2024年から本格的に風の時代がスタートする。宇宙の計らいは1ミリの狂いもなく、ベストタイミングだなぁと改めて気づいた。