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「使用済み紙おむつ」から生まれたRefF商品 イオン九州で店頭デビュー!関係者レポ

今年の4月から“使用済み紙パンツ・紙おむつから生まれた”RefF商品の一般発売がスタート九州エリアのイオン68店舗で、RefF商品が店頭デビュー。お店でRefF商品が購入できるようになりました。

今回の店頭デビューが実現したのは、“紙おむつを使い捨てない社会をつくる”というRefFプロジェクトのメッセージに、イオン九州が共感していただいたからなんです。2024年4月20日には、ユニ・チャームとイオン九州の合同で新商品発表会も開催。こんな風にメーカーと小売業のお店が一緒に新商品の発売に取り組むのは、とても珍しいことなんですよ!

今回はRefF商品の店頭デビューに込めた想いを、イオン九州 商品部のご担当者、ユニ・チャーム 九州の営業、そしてPOPの各担当者に聞きました。


イオン九州 商品部 部長 臺さん「リサイクルの紙おむつが当たり前になる世界に」

イオン九州は環境問題に力を入れています。近年、設立された「サステナブル協創部」では、プラスチックのトレーをはじめ、衣料品や歯ブラシ、水筒といった日用品のリサイクルを実施。さらに「脱炭素社会の実現」に向けて、小売業の他メーカーと共同でトラックの輸送を行う「九州物流研究会」の発足し、地域に根づいたサステナブル活動を行っています。

イオン九州でRefF商品の店頭デビューが決まるまでに、どんな道のりがあったのでしょうか?イオン九州 商品部 部長の臺さんにお話を聞きました!

イオン九州株式会社 衣料・住居余暇商品本部 H&BC商品部 部長 臺(だい)さん。

ー“使用済み紙おむつから生まれた”RefF商品についてご存じでしたか?導入の決め手は何だったのでしょうか?

臺さん「もともと、ユニ・チャームが紙おむつの水平リサイクルに取り組んでいることは認識していました。昨年の夏、ユニ・チャームからRefF商品の店頭販売のご提案をいただいた際に詳しくお話をお伺いし、水平リサイクルの技術が衛生面で全く問題なく、通常品と遜色がなく使用できることがよく理解できました。
さらに、私たちがRefFプロジェクトについて学んでいく中で、九州エリアの高齢者介護施設で大人用紙おむつの商品が使用され、高い評価を受けていることもわかりました」

ー最初から九州エリア全域で展開する計画があったのでしょうか?商談の中で印象的だったことは?

臺さん「当初は紙おむつの回収地域である鹿児島県だけで販売する案もありました。しかし、九州で環境に良いことをすると考えると、鹿児島県だけで終わらせるのはもったいないという想いがありました。

そんな中、昨年冬、東京のユニ・チャーム本社で会社方針説明会がありました。私も商談を兼ねて出席しましたが、そこでユニ・チャームの高原社長が同席して『イオン九州で、ぜひRefFの店頭販売をお願いしたい』と語られ、ユニ・チャームとしてのRefF商品への熱意を強く感じました。

そういった経緯もあり、やはり九州エリアに広げていく取り組みであると実感しましたし、ユニ・チャームとの商談で九州エリアでのRefF商品の供給量が確保できることもわかりましたので、68店舗での販売が実現したんです」

大人用紙おむつ・ベビー用紙おむつ・ペット用品とカテゴリーを越えた売り場を設置。「必要なお客様に届くよう、売り場はこれからも改良していく予定です」と臺さん。

ーイオン九州でRefF商品を扱う際に留意されたことはありますか?

臺さん「当初は社内から『衛生面について、お客様にどう伝えたら良いのか』という声がありました。そこで、社内スタッフに向けた勉強会を開き、スタッフがRefF商品に触れる機会をつくりました。実際に触れることで、通常品と同じように使用できる商品であると実感し、理解を深めていきました

ーRefF商品は通常品に比べると100円ほど価格が高くなっています。発売後の反響はいかがですか?

臺さん「今のところ、とくにベビー用品のマミーポコパンツが売り上げを伸ばしています。お客様にとって価格は重要ですが、商品は価格だけで選ばれている訳ではありません。イオン九州では環境にやさしい日用品だけを集めた売り場を設けていますが、商品が作られる過程や原材料といった地球環境への影響も、商品を選ぶ理由になります。

とくに、九州の人々は工場からの排出水や海洋漂流物などが環境に与える影響にも関心が高く、“九州の自然を守りたい”という意識が強いと感じます。リサイクル商品においても、環境貢献という点で“価格に見合った価値がある”とお客様に理解していただくことが重要ではないでしょうか

ー店頭販売にあわせて、イオン熊本店で新商品発表会を開催されたねらいを教えてください

臺さん「店頭販売に向けて映画の記者発表会のように、メディアだけでなく一般のお客様にも参加していただきたい』という意図がありました。私たちにとってもお店の売り場で新商品発表会を行うのは初めての試みであり、社内、また店舗でも調整を重ねていきました。九州エリアでもニュースとして取り上げられて、一定の反響があったと考えています」

熊本県嘉島町のイオン熊本店での新商品発表会の様子。イオン九州、ユニ・チャーム RefFプロジェクトのメンバーが登壇。司会はユニ・チャーム 九州 営業チームの木村さんです。

ー今後、イオン九州としてリサイクル商品に期待すること、目指すことは?

臺さん「将来的には環境配慮型商品やリサイクル商品が主流になり、リサイクルで生まれた紙おむつが当たり前になる時代が必ず来ると考えています。
それを実現するためには、今後、さまざまな業界でリサイクルの取り組みが進むことが必要ですし、小売業界とメーカー、消費者、行政が連携して取り組んでいくことが重要です。イオン九州としても、SDGsやサステナビリティの活動を進めていきます」

ユニ・チャーム 営業チーム 白井さん「環境意識の高いイオン九州とRefF商品のコンセプトがマッチした」

RefF商品の店頭デビューはどのように進められたのでしょうか?商品導入を担当したユニ・チャーム 九州 営業チームの白井さん、店頭の売り場設置を担当した営業チームの大島さんと木村さんにお話を聞きました。

(写真左)ジャパン営業統括本部チェーンストア4部 白井さん。(写真中央・右)ジャパン営業統括本部九州支店 大島さん ・木村さん。

ーイオン九州でRefF商品をお取り扱いいただけることになった経緯を教えてください

白井さん「イオン九州は環境問題やSDGsについて高い意識をもち、活動されています。そのイオン九州の理念や活動と、RefFプロジェクトが目指していることがマッチしていることから、ユニ・チャームとして店頭販売をご提案しました

木村さん「イオン九州が“環境への取り組み”に注力されているため、最初の商談からRefF商品の“地球環境にとって良いことをする”という使命感に共感していただきました」

ーRefF商品の取り扱いについて、イオン九州側が懸念されていたことはありますか?

大島さん「商談の際に『水平リサイクルの技術は安全なのでしょうか?』とご質問がありました。同席したRefFプロジェクトの担当者から『水平リサイクルにはオゾン処理技術を活用し、オゾンは時間が経つと酸素に戻るので安全であること』をご説明し、ご理解いただきました」

営業チームのメンバーと。「RefFプロジェクトのメッセージが、お客様にきちんと伝わるような売り場づくりに尽力しました」と木村さん。

ーRefF商品の店頭デビューに向けて、新しくチャレンジしたことはありますか?

白井さん「RefF商品は“大人用紙おむつ“”ベビー用紙おむつ“”ペット用品”とカテゴリーを越えて展開する点がほかの商品と大きく異なります。こうした商品展開をするシリーズはほかになく、私たちにとっても新しいチャレンジでした。

イオン九州にも『RefFのメッセージをお客様にしっかりお伝えするために、カテゴリーを越えて陳列させていただきたい』とご提案しました。
具体的には、立体陳列できるスペースを確保し、何の商品かがわかる販促物を準備することが必要でした。商品棚に設置するボードやのぼり、パンフレット、実物の紙おむつ、DVDなど、営業の視点からも社内へさまざまな販促物のリクエストを行いました」

大島さん「私と木村は九州エリアの店舗をまわり、RefF商品の認知を高めるための設置を行うなど、確実な売り場づくりを行いました。今回の知見をいかして、今後も、お客様に認知されるような売り場づくりをしていきます」

「イオン九州の担当者から、POPの内容についても提案を受けました」と木村さん。写真のレールポップはイオン九州からのアドバイスで作成。

ー今後、RefF商品で目指すところは?

白井さん「RefFは通常商品と異なり、社内のさまざまなチームを横断し、社員が一丸となって臨んだ新しいプロジェクトです。店頭デビューや新商品発表会を社内だけでなく、他業種であるイオン九州と共に取り組むのは、私たちとしても初めての試みでした。今回の経験をいかし、社会貢献性の高いプロジェクトでもあり、今後もさらに社外でさまざまな取り組みを広げていきたいと考えています」

ユニ・チャーム POP担当 吉岡さん「RefFの価値をひと目で伝える販促ツールをつくる」

お店に並べられた商品の特徴をお客様に伝えるのに欠かせないのが、のぼりやポスター、リーフレットなど売り場にある「POP」です。RefF商品のPOPのディレクションを担当したクリエイティブ開発部の吉岡さんにインタビューしました!

GMC本部クリエイティブ開発部SP制作グループ 吉岡さん

ーRefF商品のPOP制作で大切にされたことを教えてください

吉岡さん「店頭POPは、お店でお買い物をしているお客様にも、ひと目見ただけでどんな商品かわかることが大切です。そのためお客様にRefF商品の価値や魅力を伝えることを重視しました。

担当のデザイナーともRefFプロジェクトの世界観や価値について打ち合わせを行い、全体的なデザインの統一感を保ちながら、多岐にわたる販促物を用意しました。例えば、売り場の遠くにいるお客様に向けては“のぼり”で目立たせて、売り場に近づくと、横長のトップボードで『RefF』『みんなでつくる、みらいサイクル。』というキーワードが目に入るようにしています。さらに、RefFプロジェクトの詳細情報を掲載したリーフレットは、ご自宅に持ち帰って読んでいただけます」

「一番上に設置するTOPボードを最初に制作し、その世界観に合わせてほかの制作物を進行しました」と吉岡さん。

ーRefF商品の価値を伝えるために工夫したことはありますか?

吉岡さん「“世界初(*)の紙おむつの水平リサイクル”というRefFの特徴をビジュアルでわかりやすく伝えるために、売り場の肝となるTOPボードのデザインでは、地球のイラストの上に“世界初”の文字を入れています。
*オゾン処理技術を使用した紙おむつから紙おむつへの水平リサイクル技術について(2020年12月ユニ・チャーム調べ)

また、以前から社内の声として『リサイクルパルプがきれいであることを信じていただくのに苦労する』と聞いていたので、文章やイラストでの説明に加えて、マミーポコパンツの通常品/RefF商品の現物やパルプを並べて展示。使用済み紙おむつのリサイクルから生まれたリサイクルパルプや紙おむつも、新品のパルプや通常品の紙おむつと同様に白くきれいであることが感覚的に理解できるようにしました

ーRefF商品の店頭デビューを見ての感想と、今後、目指すところを教えてください

吉岡さん「RefFプロジェクトが成長する中で、メンバーと連携し相談しながら、店頭POPとして形になり嬉しいです。ユニ・チャームの価値を高めるプロジェクトですし、これからもESG活動の一環としてみなさんに知っていただきたいです」

あとがき

これまで、このnoteではRefFプロジェクトの歩みや水平リサイクルの技術について多く取り上げてきました(詳しくは【開発秘話(前編)】をぜひチェックしてくださいね!)。

紙おむつの水平リサイクルが実現し、RefF商品が店頭デビューした今、“紙おむつを使い捨てない未来をつくる”というRefFプロジェクトのメッセージを伝えることがさらに大切になります。これからも、noteでRefFプロジェクトの取り組みについてお届けしていきたいです!
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★RefFのブランドサイトができました!
ユニ・チャーム「RefFプロジェクト みんなでつくる、みらいサイクル。