ユニ・チャームの新入社員研修レポ!~RefFを考える1日~
「紙おむつの水平リサイクル」を目指す、RefF(リーフ)プロジェクトについて紹介する、こちらのnote。今回はユニ・チャームの新入社員研修の中から「RefFを考える1日」の様子をお届けします!
新入社員研修の「RefFを考える1日」をレポ!
さまざまなプログラムがある、ユニ・チャームの新入社員研修。
その中には、私たち、RefFプロジェクトの取り組みを考える1日もあるんです。
「なぜ、紙おむつのリサイクルに取り組む必要があるの?」
「紙おむつシェアNo.1である、私たちユニ・チャームがもつ社会的な責任とは?」
そんなRefFプロジェクトの根幹となる部分を、高原社長をはじめ、RefFプロジェクトのメンバー、一般社団法人大崎町SDGs推進協議会の齊藤さんがセミナー形式でレクチャー。さらに、新入社員のみなさんに、RefFプロジェクトのサポーターを増やすためのアイディアを考えて発表してもらいます!
「RefFは“Re”cycle “f”or the “F”uture。未来をつくる言葉」高原社長動画メッセージ
研修の冒頭に、高原社長から動画メッセージが届きました!
高原社長「 RefFとは“Recycle for the Future”。ここには、みんなで未来をつくっていこう、という意味が込められています。
『一度使った紙おむつを、もう一度使えるわけがない』。
――RefFプロジェクトのチャレンジには、そんな固定観念を打破する意義があります。
使い捨てられることが一般的な衛生用品で、“消費されない消費財”をつくり、水平リサイクルで循環の輪ができれば、いま、私たちが享受している、衛生的で快適に支えあえる生活を次の世代に渡していくことができます。
新入社員のみなさんは、会社の中で一番、地球の未来に関わる世代です。
共生社会の実現に向けてたくさん考えて、未来をつくる仲間とたくさんコミュニケーションをとり、健全な議論をして、すばらしい1日にしてください」
高原社長のメッセージを新入社員のみなさんも真剣なまなざしで聞いていました。とくに「消費されない消費財」というキーワードは多くの新入社員の心に響いたようです!
RefFを深堀り!プロジェクトのはじまりから、地方自治体との取り組み、水平リサイクルの技術まで
研修の前半は、RefFプロジェクトのはじまりから、地方自治体との共創、水平リサイクルに使われている技術などをチームメンバーによるセミナー形式で学びます。
RefFプロジェクトの発起人であり、Recycle事業推進室室長の亀田さん、外部パートナーとのパイプ役・渉外担当の和田さん、研究開発を行う素材チーム・川端さんが、それぞれ担当業務とその役割について、新入社員へのエールを込めてお話しをされました。
亀田さんのチャレンジは「使用済み紙おむつは、もう“ごみ”じゃない!紙おむつの水平リサイクル「RefFプロジェクト」に挑んだ、熱き社員たち【開発秘話(前編)】」に。
和田さんが担う地方自治体との取り組みは「持続可能な循環型社会を目指す、自治体や教育機関・企業との共創~リサイクルの町・大崎町の取り組みレポ!~」で、川端さんの研究開発は「ユニ・チャームの組織を横断して結成された「RefFプロジェクト」のメンバーを大紹介!【相関図つき】」で紹介しています。
新入社員のみなさんには「RefF紙おむつ」「紙おむつ専用回収袋」「リサイクルパルプ」を配布。実物に触れながら、RefFプロジェクトの理解を深めていきます。「リサイクルパルプの実物を見て、触れて、匂いを嗅いで、安全性を実感できました」「使用済み紙おむつを再資源化することへの、消費者の心理的な障壁をどうやって取り除いていくのか、悩みます」などの声が聞こえてきました。
「地方自治体だけでごみの課題を解決するのには限界があります。企業の協力が必要です」大崎町SDGs推進協議会・齊藤さん
続いては、一般社団法人大崎町SDGs推進協議会・齊藤さんによるオンラインセミナー。ごみのリサイクル率83%を達成し、地方自治体と住民が一体となって循環型社会を目指す、大崎町の取り組みを紹介します(大崎町はRefFプロジェクトの紙おむつのテスト回収・紙おむつ専用回収袋の実証実験にもご協力いただいています!)。
齊藤さん「ごみの課題は、地方自治体のリサイクルの取り組みだけでは限界があり、製品を生み出す企業との連携も必要になります。RefFプロジェクトも、企業と連携した取り組みのひとつ。企業の側から、環境に与える影響も踏まえて、これからの製品の形を考えていただきたいです」
質疑応答の時間では、新入社員のみなさんから「埋め立て処理と焼却処理の比較をしたときに、環境に与える影響はどちらがよいのでしょうか?」「大都市で、大崎町のリサイクルシステムを採用するのは難しいのではないでしょうか?」などの質問がありました。
齊藤さんからは「必ずしも埋め立てがよいわけではなく、焼却炉に入る生ごみを減らすことに効果があります。焼却炉を使用していく際に環境負荷をどう下げていくかが重要です」「大崎町でも、当初は数百回の住民説明会を行い、理解をいただきました。大都市で同じシステムを構築するのは難しいので、人口モデル的に焼却炉をもてない地域を、今後の展開のターゲットにしています」など、丁寧な回答をしていただきました。
質疑応答の時間だけでは足りないほど、多くの新入社員から質問の手が挙がり、関心の高さが伝わってきました!
「使用済み紙おむつの水平リサイクル」を消費者に応援してもらうには?新入社員がグループごとにディスカッション&アイディア発表!
研修の後半は、新入社員がグループに分かれ、セミナーの内容を振り返りながらディスカッション。さらに、グループごとに「RefFプロジェクトに共感し、応援してくれるサポーターを増やす」ためのアイディアを出してもらいます!
RefFプロジェクトメンバーは、各グループをまわってターゲット設定やアイディアの方向性、グループ内の意見のまとめ方、プレゼンでの見せ方などをアドバイスします。
グループワークの時間が終了したら、いよいよプレゼンタイム。
グループごとにアイディアを発表していきます!
新入社員のみなさんから、どんなアイディアが出てくるのか、楽しみですね。
プレゼンタイムは1グループにつき発表5分+質疑応答3分。各アイディアに、RefFプロジェクトのメンバー、また新入社員同士で点数をつけて、最優秀のアイディアを決定します。
発表されたアイディアは、着眼点も課題の解決方法もさまざま。
いくつかのグループからは「鹿児島県を中心に回収ボックスや回収袋を設置して、使用済みの紙おむつの普及を図る」「保育所とサブスクリプション契約を結んで回収ボックスを設置。ママ友を中心にリサイクル紙おむつの普及を図る」など現実路線の提案がありました。現在のプロジェクトと地続きのアイディアですね。
ほかにも「RefFプロジェクトのアプリを作成」「QRコードを使用してポイントを付与する」「主婦をターゲットにポイ活を活用する」などSNSを活用した提案も複数登場。スマホやSNSを活用するターゲット層には楽しんでもらえるかもしれません!
さらに「大人用紙おむつを出す恥ずかしさを軽減するため、ごみ回収を夜に行う」「RefFを高級ブランド化する」といった、ごみの回収システムやRefFのブランド力に注目するアイディアも。また、「中高年の男性をターゲットに『紙おむつの生涯寿命サブスク契約』を結び、ベビー用から大人用の紙おむつまで、家庭内で循環させる」など、既存の発想にとらわれないユニークなアイディアも印象的でした!
各グループによる発表後の質疑応答では、同期社員から「なぜこのターゲットにしたのですか?」「実際にどうやってRefFを広めていきますか?」「コストの課題はどうやって解決しますか?」などの鋭い質問が飛びます(私だったらどう回答するかな?と思わず、考えてしまうような指摘もありました)。
優勝グループ発表!最優秀アイディアはシニアをターゲットにした「地球へのお年玉」
得点集計後は優勝グループの発表です!
優勝は…
「地球へのお年玉」をキーワードに、シニアをターゲットに設定。リサイクルパルプを使った紙粘土を小学校に寄贈、紙おむつの入っている袋を紙おむつの回収袋に使用する、などのアイディアを発表したグループ!
RefFプロジェクトメンバー・マーケティング担当の八木さんからは「シニア世代をターゲットにしつつ、未来をつくる子どもたちへとつなげている」、同じくマーケティング担当・伊藤さんからは「課題をきちんと理解して、ターゲット設定をしているのがすばらしい」とコメントがありました。
ただRefF紙おむつを宣伝するだけではなく、シニアから小学生にリサイクルパルプから生まれた紙粘土を贈ることで、リサイクルパルプを知ってもらい、身近に感じてもらうこと。さらに、地域のシニア世代と子ども世代での新たな循環の輪が生まれるなど、よく考えられたアイディアに感動しました!
優勝グループはもちろん、緊張した面持ちながらも、堂々と発表を行う新入社員のみなさんの姿を見て、また、一人ひとりから集められた熱意のこもった感想シートを読んで、同じユニ・チャームの社員として非常に頼もしく感じた1日でした。
あとがき
東京と四国からRefFプロジェクトのメンバーが集まって、新入社員のみなさんと過ごしたこの1日。たくさん書き込んでくれた新入社員の感想シートを読むと、RefFプロジェクトのメンバーの情熱が、みなさんに伝わったようで、とても嬉しかったです。
一方、セミナーの中で「未来は予測するものでは無く、自ら築き上げるもの。我々の未来を、ユニ・チャームからの発信で変えていきましょう!」という亀田さんのメッセージがありましたが、まさに、新しいアイディアが出ることで未来を変えていくことができるという期待が高まりました。
また、高原社長から「RefFプロジェクトは開発途中。 配属後、みなさんが起点となり、化学変化を起こして、先輩たちや周囲の人たちにRefFプロジェクトについて伝えてほしい」という言葉にあったように、この日をきっかけに、ユニ・チャームの中でも、RefFプロジェクトについての理解がより深まることを楽しみにしています!