Day.9 小児の腹痛の診療メモ【総合診療トピックゼミ】
<小児の腹痛の鑑別疾患>
◇便秘症(全年齢)
→原因としては最多。浣腸で改善するのが典型的。
◇鼠経ヘルニア嵌頓(1歳以下)
→鼠径部まで診察を!
◇腸重積症(6歳未満、乳児期後半から3歳までが多い)
→血便を伴い、お腹を触ると腫瘤をふれる。超音波で確認。
◇IgA血管炎(3~10歳)
→主訴は腹痛ですが、足に紫斑が出ていないか確認を。
◇虫垂炎(多くは4歳以上だが、例外もある)
→最初から考える必要はない。タイミングとしては、便秘症と思っていても浣腸に反応しなければ考える感じでよい。
◇卵巣捻転(6歳以上)
◇清掃捻転(12歳以上)
→恥ずかしくて、上手に聞かないと教えてもらえない
◇ウイルス性腸炎
→嘔吐が腹痛に先行するのが一般的。加えて下痢も伴う。
◇心筋炎
→循環不良と頻脈を伴います。
◇と、腹部外傷に伴う内臓損傷
<検査について>
◇採血・ルート確保
→改善しない腹痛、虫垂炎・精巣捻転・卵巣捻転・IgA血管炎を疑う場合、脱水が著明、発熱72時間以上継続のケースなどで実施。
◇腹部エコー
→あらゆる年齢で実施可能。腸重積がありえる年齢であれば、エコーしたほうがよい。
◇CT
虫垂炎、卵巣ヘルニアが強く疑われる場合、腹痛が3日継続する場合に実施
<Column>
〇大人とは、鑑別すべき疾患が結構違いますね。それと、疾患が何かを考える以上に、全身状態を考える必要がありそうです。脱水が著明で循環が破綻しそうというケースもありますし。いやはや。
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