Day.37 咳喘息の診療メモ【総合診療トピックゼミ】
<咳喘息とは>
喘鳴を伴わない咳嗽が8週間以上続き、聴診上wheezeを聴取せず、気管支拡張薬が有効なものとされています。就寝時、夜間や早朝に症状が強く、睡眠に支障が出ることもあります。また、喘息へ移行するものもあります。
<咳喘息への対応>
実際には、3週間を過ぎて急性咳嗽から慢性咳嗽へ区分が切り替わった段階で、8週間を待たずにICSによる診断的治療を開始します。
咳喘息に対する治療はICSが主薬であり、必要に応じてSABAやLABAを追加することになります。また、文献によっては経口ステロイドも選択肢に挙げられています。
*書籍によってはβ刺激薬が第一選択に出てくる場合があるのですが、現在はどちらかというとメインは吸入ステロイドのようです。これは、喘息治療の根幹が吸入ステロイドとなってきた時代背景を反映しているようです。
<Column>
咳喘息という疾患定義は個人的には結構偉大だと思います。というのも、現代医学では疾患という枠組みがあって初めて治療は進むからです。咳って寝れなくなったりするから結構大変じゃないですか。不眠にもなりますし。だから馬鹿にできない主訴だと思うんですが、「喘息っぽいけど喘息じゃないよね」という場合に、咳喘息という枠組みがなければ対応が難しいと思うんです。咳喘息なんてねぇよって先生もおられるかもしれませんが、僕は偉大な疾患の発見だと思います。
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