Day.46 ステロイドパルスの診療メモ【総合診療トピックゼミ】
<初めにおことわり>
今までの記事もいろんな書籍を参照して作成しておりますが、本記事はほとんど「研修医のためのステロイドの使い方のコツ」の情報を引用して、病棟で使いやすいように並べ替え等を行ったものです。
<ステロイドパルスの適応>
ステロイドパルスは、免疫を強力に抑える一方で副作用も多い療法です。出番は下記等の疾患で重篤な病態を示すタイミングです。
◇全身性エリテマトーデスのループス腎炎、中枢神経ループス
◇皮膚筋炎・多発筋炎
◇膠原病による間質性肺炎
◇血管炎
◇重症薬疹(中毒性表皮壊死症候群など)
◇多発性硬化症の急性増悪
◇多発性ニューロパチー
◇劇症肝炎
◇血球貪食症候群
など
<ステロイドパルスの用法>
◇ソル・メドロール(メチルプレドニゾロン)500~1000mg
生理食塩水 250~500mg
1日1回3日間、1~2時間以上かけて点滴静脈投与。
*後療法として、1日あたりプレドニン50~60mgまたはそれ以下を投与。
<副作用>
〇電解質異常
〇血圧上昇
〇不整脈
〇高血糖
〇クレアチニン上昇/腎機能低下
〇骨壊死
<Column>
ある書籍(ステロイドの虎)には、ステロイドパルスを行う基準について「状態が悪いと思い、焦った」がまっとうなものであると記載されていた。パルスでステロイドを使用するかどうかは、専門家から見ても、”原因”ではなく”病勢”による部分が大きいようである。