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R12.脾損傷【救急・集中治療Reference】


脾損傷の管理方針

◇循環動態安定☞IVRを併用して、非手術療法
〇IVRについては、下記のいずれかに該当するなら、血管造影を検討
1)血管外漏出あり
2)腹腔内出血の増量
3)重度の脾損傷
(Grade3 表面50%以上、破裂、5cm以上の血腫、3cm以上の裂創)
◇循環動態不安定☞基本的に手術(外傷死の3徴が揃わないよう注意)
*但しこれは、DCS(ダメージコントロール)が必要な臓器が複数あることが想定されること、一般にIVRよりもOpeのほうが開始までが早いことが背景にある。
*TAEを選択した場合、多くの再出血は24時間以内のため、シースはしばらく残しておく。

脾損傷管理の注意点(脾臓を残している場合)

◇術後1~2週間以内の腹痛、循環動態の破綻の多くは遅発性出血による。
☞循環動態に応じてTAEまたは開腹止血術を選択する。
◇遅発性出血の出血げんは仮性動脈瘤がほとんど。
☞受傷1週間後を目途に、腹部CTを再検し、動脈瘤があればTAEを検討。

脾損傷の分類

Ⅰ:被膜が保たれているもの。
a☞被膜下血腫
b☞実質内血種
Ⅱ:深さ1/2未満の損傷
Ⅲ:深さ1/2以上の損傷
a☞創が複雑でないし、脾門部にもかからないもの
b☞創が複雑or脾門部にかかるもの

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