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東京六大学野球ゲームレビュー2022/4/30

こんにちは、シュバルベです٩( ᐛ )و

4月9日から開幕した東京六大学野球。観戦した試合の記録として、レビューを書いていきたいと思います。なお2週目も観戦したのですが忙しくてかけませんでした、すみません。過去のものはこちら↓です。

今回は4月30日の2試合目、東京大学VS早稲田大学戦です。

■4月30日 早大ー東大1回戦

東京六大学野球4週目となったこの日、未だ勝ち点0同士の東京大学と早稲田大学の対戦カードとなります。プロ併用日のため9イニング制、延長なしのルールです。結果は2ー2の引き分け。スコアはこちらからご覧ください。

先発投手は早大が加藤孝太郎投手(下妻一③)、東大が井澤駿介投手(札幌南④)でした。早大はこのカードまで初戦は齋藤正貴投手(佐倉③)でしたが、直近の明大戦3回戦で先発していること、3登板いずれも敗戦投手になっていることが影響したのでしょうか。

試合は1回表、ツーアウトランナー無しから早大3番の中村将希選手(鳥栖③)がツーベースを放つと四球を挟んで5番生沼弥真人選手(早稲田実業③)が綺麗なセンター返しを見せ先制。

早大先発の加藤投手は持ち前の制球力で左右に投げ分けその裏を0に抑えると、3回までパーフェクトピッチングを見せます。一方、早大は2回・3回と塁を賑わしますが、チャンスで1本が出ず無得点。井澤投手も粘りのピッチングで最少得点差に留めます。

4回裏、東大の3番に初めて抜擢された赤井東選手(浅野④)が外のボールを上手く拾ってツーベースヒットを放ち、加藤投手から初めて出塁を勝ち取ります。しかし続く梅林浩大選手(静岡④)は打ち取られ0が並びます。

5回に試合が動きます。

5回表、井澤投手は自身の牽制悪送球もあってノーアウト二塁のピンチを招き早大のクリーンアップを迎えます。3番中村選手は打ち取るも、4番蛭間拓哉選手(浦和学院④)には四球を与え1アウト一三塁のピンチ。しかしここで蛭間選手が単独スチールでセカンドアウト。この場面、通常は投手のカットや投げないという選択肢もある中で二塁を果敢に刺しに行った松岡泰希選手(東京都市大付④)のチョイスが実りました。

ピンチの後にチャンスあり、その裏東大は6番阿久津怜生選手(宇都宮④)のツーベースでチャンスを作ると、8番別府洸太朗選手(東筑③)が右中間を破る強烈なタイムリースリーベースヒット。セカンドの中継も乱れていたのでもしかしたら本塁まで帰れたかもしれませんが、貴重な同点打となりました。

同点に追いついてもらった井澤投手は味方のエラーもありランナーを常に背負う展開ながら粘りのピッチングを続け、早大の加藤投手も6回・7回とランナーを出しながら両チーム0行進となります。

膠着を先に破ったのは早大でした。8回表に2アウトから松木大芽選手(金沢泉丘④)がフォアボールで出塁すると、加藤投手のところに代打で起用された森田朝陽選手(高岡商③)がライトの頭を超えるツーベースヒット。ランナー帰り2-1と勝ち越します。

好投を見せた井澤投手

しかしこの日の井澤投手は最後まで崩れませんでした。9回表はノーアウト一二塁のピンチを作るも、4番蛭間選手・5番代打の島川選手・6番吉納選手を3者連続三振。東大のエースとして堂々たる9回155球完投です。偉人ですね。

1点ビハインドで迎えた9回裏、早大は伊藤大征投手(早稲田実業③)をマウンドに送ります。先頭松岡選手はサードゴロで1アウト。続く6番阿久津選手の打席。

初球を振り抜いた打球は起死回生のソロホームラン!土壇場で試合を振り出しに戻しました!

さらに代打大井温登選手(小松③)がヒットで出塁、この日リーグ戦初出場の代走片岡朋也選手(麻布④)がすかさず盗塁を決めます。背番号は44で、昨年度の東大のスピードスター隈部敢選手の後を継ぐにふさわしい素晴らしい盗塁でした。打席には同点タイムリーを放った別府選手でしたが快音残すもライトフライ。

早大はあと1人のところで伊藤樹投手(仙台育英①)をマウンドに送ると、伊藤投手は起用に応えて145km/hを超える力強いストレートで三振を奪い最終スコア2ー2の同点でゲームセットとなりました。



東大はこの試合まで4試合55失点と非常に多くの失点を喫しており、この日も7四球に5エラーと多くのランナーを出してしまいましたが大偉人・井澤駿介投手の粘りのピッチングが際立ちました。特に9回表の3者連続三振は鬼気迫るもので、高めのストレートを鋭い腕の振りで打者に手を出させたことが利いていました。

逆に早大はこの日も打線が湿り、あと1点の遠いイニングが続きました。中盤からはやや焦りも見え狙い球を絞れず凡退した印象も強かったです。投手力がリーグ戦開始前から言われていましたが、やはりこの日まで平均2点しか取れていない野手の方に問題はあるでしょう。

4番蛭間選手は東大戦で鬼神のごとく打ってきたバッターですが、この日は3四球で2打数無安打1三振。東大バッテリーは無理に勝負をせず後続打者との勝負を基本線にする作戦勝ちを収めたとも言えそうです。5番以降のメンバー・打順は前週までと変えてきましたが、結果的に機能しませんでした。


・早大Daily MVP:森田朝陽選手

8回表、代打で起用されると一振りで井澤投手のボールを捉え一時勝ち越しとなるタイムリーツーベースヒットを放った森田朝陽選手。

昨年のフレッシュリーグでは春・秋ともにセンターで出場し、秋のフレッシュリーグトーナメント優勝の一翼を担いました。強く振れる左バッターで、ボールの見極めも出来る好プレイヤーです。東大相手に同点で終盤を迎え、焦りがちな中でしっかりと甘いボールを捉える集中力と野球勘の良さを感じた一打でした。

・東大Daily MVP:阿久津怜生選手

155球完投の井澤投手も十分凄いのですが、やはり9回に一振りで試合を振り出しに戻したホームランの阿久津怜生選手がこの日の立役者でしょう。

ガッツポーズの阿久津選手

やはり野球の華はホームランですね。

2年前、井手監督が就任されたときには、アッパースイングを是正し低いライナー系の打球を飛ばすことをチームの方向だと各社の記事で出ていました。

就任から2年。昨年は2勝2分けをチームとして実現し、足を使った野球など年々進化の見える東大野球部の次の形として今の打線があるのかもしれませんね。

■さいごに

この日が引き分けになったことで、東大にとって2017年秋季リーグ以来の同一カード3試合目が組まれることになりました。勝ち点制は2勝しないといけないので、ベースの投手力に差がある東大にとって3試合はかなりキツイのが事実ではあります。

しかし、今年のチームは昨年度の卒業生の穴を感じさせないほどの個々の打力があり、投手では現在最多投球イニング数の鉄腕井澤投手がエースとして君臨しています。劇的な引き分け試合を終え、さらに経験を積んだチームが次戦に挑みます。翌日の試合も観戦したので次の記事に書きますね。

ここまでありがとうございました。

・出典


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