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2022年東京六大学野球ドラフト候補〜野手編〜

こんにちは、シュバルベです✌︎('ω'✌︎ )

今回は東京六大学野球に所属する2022年のドラフト候補を一足早くご紹介します。東京六大学野球連盟はアマチュア球界のトップを行くリーグで、昨年は8名がNPB球団に指名されました。

今の3年生も良い選手が目白押しです。昨年は大学別に紹介しましたが、今年は投手編・野手編の方が見やすいかと思い、その区切りにしてみます!

投手編はこちらから🙇‍♂️

今回は野手編です

紹介する現3年生10人の通算成績を以下にまとめてみました。

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以下、ポジション別に今季のドラフト候補を紹介していきます。欄外のブレイク候補については最後にまとめて紹介します。なお、名前の後ろに○印を付けた選手は、大学日本代表合宿選考メンバーです。

早速見ていきましょう!

1.捕手

・松岡泰希(東京大学)

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出身:東京都市大付
身長/体重:175cm/75kg
一言:六大学随一の肩“松岡キャノン”は必見、扇の要にして東大の頭脳

いきなり身内贔屓かよ、と言われるかもしれませんが、大真面目に守備面で今年の東京六大学No.1キャッチャーは松岡泰希まつおか・たいき選手です。

2020年の正捕手で昨年主将を務めた大音周平選手(湘南④)を三塁にコンバートしてでも井手監督は松岡選手を正捕手に推し、大音選手もそれを受け入れるほど捕手として優れた選手になりました。

1年秋からマスクを被る機会を得ており、その強肩は他大学の俊足ランナーの盗塁を幾度となく阻止してきました。ブロッキングも年々上達してきていますが、21年秋季リーグでは投手陣で8暴投と多くの進塁を許してしまった点は来季に向けての改善事項でしょう。

打撃面では21年春・秋ともに打率2割を超え、当初は7~8番を打ちましたが秋季リーグ終盤は5番も任されました。秋に2塁打を2本放つなど、打撃面でも進化の途上にある選手です。これまでの通算打率は.221ですが、坂本誠志郎選手(阪神タイガース)の明治大学時代の通算打率が.231であることを考えると、捕手としての能力が高ければプロ側の需要はあると考えて良いでしょう。

個々の選手の圧倒的な差を縮めて64連敗を止めた上に春・秋で2勝を挙げたチームの扇の要に、早くもプロのスカウトからのコメントも出ています。宮台康平選手(ヤクルトスワローズ)以来、そして野手として東大出身初のプロ野球選手となるか、期待がかかります。

・蓑尾海斗(明治大学)○

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出身:日南学園
身長/体重:174cm/84kg
一言:開花の兆しを見せる打撃と、天性の捕手能力が融合

秋季リーグ3位の打率4割、ベストナインも受賞して復活のシーズンとなったのが蓑尾海斗みのお・かいと選手です。

初出場は1年春でマスクを被ると、当時のエース森下暢仁投手(広島カープ)のピッチングもあってリーグ優勝、全日本大学野球選手権でも蓑尾選手は出場を果たしました。1年秋は8試合に出場し2020年から正捕手かと思われましたが、20春~21春にかけての3シーズンで出場は2試合1打席のみ。明治大学の厳しいポジション争いを感じさせましたが、昨秋に復権を果たしました。

守っては闘志あふれる姿勢で投手を奮い立たせ、4年生の竹田祐投手(履正社④)から1年生の藤江星河投手(大阪桐蔭①)まで幅広くリードしました。代表候補合宿にも参加し5打数2安打と結果を残しました。同世代のトップ選手と寝食を共にすることでさらに見識を広げていったことでしょう。

2.内野手

・村松開人(明治大学)○

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出身:静岡
身長/体重:171cm/76kg
一言:リーグ屈指のバットコントロールにパンチ力が加わり、攻撃型二番打者に進化

14年連続でプロ野球選手を輩出している明治大学。その来季新体制の主将が村松開人むらまつ・かいと選手です。

村松選手の最大の魅力はそのバットコントロールです。通算131打席中、三振はわずかに6つ。4.6K%は同世代の中で圧倒的な数字で、2021年に関しては92打席で2三振。それでいて四球は11個を選び、この1年でとてつもない進化を果たしました。

打率は2季続けて3割後半(春.366、秋.361)を記録、通算OPS.866と打力に関しては今年のアプローチさえ継続できれば文句なしのドラフト候補でしょう。

通算11盗塁と足も使え、三塁打4本はリーグトップの本数で、バントも巧い、まさに攻撃型二番打者としてプロでも重宝されるタイプだと考えています。

明大スポーツの記事では、春・秋ともシーズン前に怪我をしない身体づくりとしてウェイトとバッティング練習で体重を増やしたと話しており、実際に秋の最終カード法政戦で三浦銀二投手(福岡大大濠④)からリーグ戦初本塁打を逆方向に放ちその成果を示しました。

これは私もデータを取っていて驚いたのですが、純粋な長打力を示すISOという指標は今回挙げた10人の中で3位(ISO.168)につけています。選球眼はプロ入りした渡辺佳明選手(楽天イーグルス)に近いレベルですが、そこに長打が加わったというのが打撃の評価としてイメージしやすいかもしれません。

守備面では、宗山塁選手(広陵①)がポジションを掴むまではショートにも入っていましたが、主戦場はセカンドとなっています。この1年で4失策と確実性には欠けますが、二遊間の打球への反応は良く守備範囲は比較的広いタイプです。スカウトからも俊足を評価され、その足があれば遊撃も、という声があるようですね。実際に再度遊撃にチャレンジする意向を示しています。

明大スポーツのインタビューでは今年の守備面で厳しい自己評価をしていますが、何がダメなのか良く自己分析と言語化を出来ていますし、有言実行タイプなのでオフに一段レベルを上げて来年春を迎えるのではないでしょうか。

――今季は全試合二塁手として出場されましたが、守備に関してはいかがですか。
 「全く駄目でしたね。神宮は打球が速いので、それに対して刺されることが多かったというのもそうですし、状況に応じてのプレーをしないといけないけれど、その選択ミスがありました。こういうプレーをすればアウトになるけれど、俺はこういうプレーをしてアウトにできなかったというケースが序盤に関しては結構多かったです。それを後半になって修正するのではなく、序盤からできるようにしていくことが大事かなと改めて思いました」

守備時の声がけもしっかりしていますし、既に昨秋には内野ではリーダー的存在を務めていたので、明治の次のキャプテンは村松選手だろうと予想していました。リーダーシップを取りつつ、新チームでも上位打線を引っ張るバッターとしてとても期待しています。

・下山悠介(慶應義塾大学)○

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出身:慶應
身長/体重:176cm/79kg
一言:巧みなバットコントロールで安打を量産する柳町二世

六大学屈指のバットコントロールを誇るのが下山悠介しもやま・ゆうすけ選手です。

1年生から出場を重ね、225打席に立ち通算打率.298。三振は少なく四死球は多いという出塁型で、通算出塁率は.380という高さ。堀井監督も「ミートする力はチームでトップクラス」と語るようにバットコントロールに優れ、終盤の大事な局面では一層集中力が増して安打が目立つ好選手の一人です。神宮大会準決勝でのサヨナラツーランはその最たるものですね。

下山選手と各指標で似通った打者として挙げられるのが、同じ慶應高→慶應大の柳町達選手(ソフトバンク)です。柳町選手の通算の打率・出塁率・長打率は.291/.375/.418。BB/Kも0.63で、打席のアプローチも似通っています。

好きな選手には巨人の丸佳浩選手を挙げ、やはり選球眼に優れたアベレージヒッター(丸選手はパンチ力も相当ありますが)が目指すべき姿となっています。

守備面では一時ショートにコンバートされたこともありますが、三塁手として考えるべき選手でしょう。一年時にはファウルフライの後に油断からタッチアップを許すシーンなどもありましたが、年次が上がるにつれミスは減ってきており今年の神宮大会では何度もチームを救う守備を見せてきました。

ただ、守備より打撃を見るべき選手なのは間違いないです。

盗塁は3つで決して俊足ではありませんが、ベースランニングは巧く二塁打10本、三塁打2本を記録しています。2021年はチームとして3冠を達成し、その輪の中に常に入っている「勝ち方を知っている選手」なので、最高学年となる今年はその立ち居振る舞いも見ていきたいですね。

惜しくも逃した4冠を再度チームとして目指していく、そのキャプテンとしての重責もまた一つ大きくなるための試練なはずです!

早くもプロ入り志望を明言してくれたので、本当に楽しみですね。

・齊藤大輝(法政大学)○

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出身:横浜
身長/体重:178cm/75kg
一言:打球角度をつける天才打者。身体の回転で引っ張る姿は山田哲人2世。

3年生ながら昨年の法政大学で最も恐ろしいバッターはこの齊藤大輝さいとう・だいき選手でした。

レギュラーを掴んだのは昨春からですが、3本のホームランを放つ長打力を手に通算OPS1.003は今回紹介する選手の中でダントツのTOPです。右の強打者はここ3年ドラフト会議で人気が高いカテゴリーで、齊藤選手は次に紹介する山田健太選手と共に今年の筆頭候補に上がるでしょう。

インコースにツボを持っており、さらに打球角度をつけるのが本当に巧い選手なので、本人も打撃のイメージに挙げる山田哲人選手のようにインコースをくるっと身体を回転させてレフトスタンドに放り込むことができます。

打球方向は引っ張り方向が多く、シフト全盛の時代を迎えるであろうNPBで、右のプルヒッターは今後さらに重宝されるでしょうから、齊藤選手の内角打ちは来年も必見です。

通算の四死球は15個で三振数(14個)よりも多く、選球眼にも優れています。盗塁も8個決めており、打って走れる強打の右打者という非常に評価されやすい選手ではないでしょうか。

スポーツ法政のインタビューでは、自身の打順についてこのように語っていておどろきました。

ーーオープン戦では1番として出場していたこともあったが、リーグ戦では全試合3番で出場していたが
まったくもって1番の方が好きです。1番のほうが多く打席も回ってくるので1番のほうが好きです。3番はチームの主軸なので、一番いい場面、打ってほしい場面で回ってくると思うのですが、まだ自分の勝負強さというものを発揮できていないと思っているので、もう少し克服したいと思っています」

守備面に関してはセカンドをメインに守り、下級生時はファーストとしても出場しました。セカンド守備は齊藤選手にとっての課題で、昨秋の明治大学戦では1点リードの9回ツーアウト満塁の場面で、平凡なセカンドゴロをファンブルし痛恨の同点タイムリーエラーを喫してしまいました。

レンジ・スローイングともに来年1年でレベルアップでき、プロでもセカンドに入れると評価されればドラフト1位も視野に入るかもしれません。少なくともDH制のあるパリーグの球団ならば、どこでもマークするべき選手でしょう。

内野手あるいは右打者が手薄な球団なら牧秀悟選手(横浜DeNA)をドラフト2位に“残してしまった”という後悔があると思うので、彼の活躍も齊藤選手には追い風となりそうです(牧選手に近いのは山田健太選手な気がしますが)。

新体制では主将としてチームを引っ張りまとめる力も求められますが、この1年の悔しさを胸によい門出が切れることを楽しみにしています。

・山田健太(立教大学)○

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出身:大阪桐蔭
身長/体重:183cm/85kg
一言:広角にライナーを放つ立教のプリンス。

1年春からこの世代を引っ張ってきた好打者が山田健太やまだ・けんた選手です。

2019年、1年生ながら春の開幕戦から出場を果たすと、打率ランキング4位の.375を記録。同年秋は打率.333で一塁手のベストナインを獲得するなど、早くから結果を出してきました。通算7本塁打は世代で2番目に多く、打率より1割近く高い.405の出塁率も魅力の選手です。

同じ二塁手の齊藤大輝選手に比べると打球方向は広角で、速いライナー性の打球を飛ばすという違いがあります。

2020年は他校の研究もあり打率2割中盤で苦戦を強いられましたが、今年の春で2季ぶりの3割到達、本塁打は2019年秋以外のすべてのシーズンで放っています。

1年秋から3年秋まで全試合に出場(1年春も12試合中11試合に出場)している身体の丈夫さも魅力の一つで、この点は同級生の打者の中で頭一つ抜けています。身体が資本・財産の仕事になるので、この3年間59試合で打線の中軸打者を張ってきたという実績は評価されてしかるべきでしょう。

三振率は21.6K%で、過去の六大学から直プロの野手陣が軒並み10K%台前半であることを考えると高い数値となっています。一方で、四死球36個の14.7BB%は現役最多で、過去のプロ指名選手の中でも上位に入ります。今年、アプローチをどう考えるか、そしてどのような結果になるかでドラフトの順位が左右されるでしょう。

この世代はこの先紹介する明大の村松選手、法大の齊藤選手とセカンドを守る2人のプロ注目選手がライバルとなります。二人と比べた時に、走塁面では山田選手は劣っており通算0盗塁で、二塁打・三塁打の数も打席数が倍近くあるにもかかわらず少ない本数です。ライナー性の当たりが多いとはいえ、この点は気がかりです。

守備面では1年生で一塁を守り、2年生から二塁につきましたが、3年間で無失策。守備範囲にくる打球は堅実に処理できる確実性はありますがレンジはライバル2人に比べて狭く、二遊間の打球に強いショートとセットでないと厳しいです。その点では、昨年から遊撃手に井上剛選手(佐久長聖③)が入ったことで負担がかなり減ったのではないでしょうか。

投手への声がけ・内野陣への守備位置の確認などはかなりこまめに行っており、リーダーシップを3年生にして執っている姿が印象的で、実績も含めて新チームの主将就任は満場一致だったのではないでしょうか。この点は読者の皆様にぜひ現地で見て頂きたいです。

端正な顔立ちですが、正木選手(慶應大学→ソフトバンク)同様、グラウンド上では泥臭く基本を怠らない好選手だと自信を持ってお伝え出来ます

・山田陸人(明治大学)

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出身:桐光学園
身長/体重:178cm/86kg
一言:苛烈な競争を勝ち抜き背番号一桁を掴んだ安打製造機

昨年レギュラーを掴み、春は驚異の打率.500で首位打者に輝いた安打製造機が山田陸人やまだ・りくと選手です。

通算打率.388は今回挙げた10人の中でトップ、OPS.909は3番目に高い数字です(打席数が大きく違うので順位は参考です)。右のプルヒッターで三遊間を抜く、ショートの頭を超す打球が多い選手で、主に5番打者として起用されるとチーム最多の8打点をマークしました。

サードの守備は巧く安定しており、この春に1年生の宗山選手が遊撃手に入った玉突きで村松選手がセカンドに入るまでは二塁手としても出場していました。近年、打撃の良い複数ポジションこなす選手はプロの需要が高く、二塁・三塁で一定以上のパフォーマンスを見せられる山田選手にもスポットが当たりそうです。

プロ志望届を出すかは分かりませんが、22年シーズンでも今年と同じぐらい打ちまくることで扉が開くかもしれません。高校の先輩である中川颯選手(立大→オリックス)と渡部遼人選手(慶大→オリックス)が2年続けてドラフト指名されたことも大きな刺激になっているのではと思います!

・中川卓也(早稲田大学)○

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出身:大阪桐蔭
身長/体重:175cm/75kg
一言:打撃ルーティン以上に目立つ“結果”を追い求める1年に。

高校の同級生である山田健太選手同様、1年春から出場機会を多く得たこの世代の代表選手の一人が中川卓也なかがわ・たくや選手です。

ただし、その打撃内容は大きく異なり、1年時は春に打率1割台、2年秋はリーグ戦出場無しで目立った結果は残せませんでした。

それでも上位打線に起用されてきたので大きなプレッシャーを背負い続けてきたと思いますが、今秋は打率.333と初めて打率3割を超えて三塁手のベストナインにも選ばれました。

通算で打率.223、出塁率も.322と見栄えが悪いですが、3年秋は11四死球7三振とアプローチを改善させ、長打という部分でも二塁打を5本放っています。ただ本塁打は3年間0本、もしNPB入りを望むのであれば来年は結果に拘り打ちまくる必要があるでしょう。

守備位置としては一塁・三塁につき、サード守備は年々上達してきています。ポジション的にもやはり打力を求められるので、とにかく打つことですね笑。セカンドコンバートとのことですが、守備より打撃でアピールできるかどうかでしょう。

2018年に大阪桐蔭高校が春夏連覇を果たした時の主将で、その年のU18代表チームのキャプテンを務めた中川選手は、早稲田大学でも新体制の主将になりました。チームとしては20年秋にリーグ優勝を果たすも、春は5位に沈み、秋は最終戦で2位を確定させてしまいました。大阪桐蔭・慶應大学で主将を務めた福井章吾選手が今年チームを3冠に導いたことを考えると、中川選手が新チームをどう作り、結果を出していくのか、楽しみにしています。

代表候補合宿での経験を糧に、一層の進化を。

3.外野手

・道原慧(立教大学)○

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出身:駒大苫小牧
身長/体重:173cm/75kg
一言:ポスト近本光司に最も近い5ツールプレイヤー

今年レギュラーを掴むと、主に1番センターを担った道原慧みちはら・さとる選手。私のこの世代の推しです笑。

魅力はその総合力。25試合6盗塁、ランニングホームランも1本放つなどその足に注目されることが多いのですが、しっかりとプル方向に振れるところがとても魅力的です。出塁率.355でしっかりとボールも見られますし、出塁できれば持ち前の足で揺さぶりもかけられるので、投手にとってはとても嫌な選手だと思います。

このタイプにしては三振が多く、特に高めの速いボールへの対応と低め変化球のコンビネーションに脆さを感じるシーンが昨秋は散見されたので、そこを改善できれば上位指名は余裕で手にすると思います。

代表候補合宿でも150km/h右腕の加藤泰靖投手(上武大学③)から二塁打を打つなどアピールした一方、7打席で3三振。課題は明白でしょう。

足に関しては、大学代表候補合宿で50mを5.81秒で矢澤宏太選手(日体大③)に次ぐ2位、20m通過時点では最速の1.99秒とのこと。この速さも納得で、ぜひ実際に球場で駆け回る彼のベースランニングを見て頂きたいです。

守備に関しては、守備範囲と肩は素晴らしいものがあります。特に外野からの返球のコントロールは素晴らしく、守備でもプラスを生み出せる三拍子そろったタイプです。ただ、昨年の秋はライトでの先発出場も多かったのですが、何度か目測を誤るシーンを観ました。

センターの守備の方が安定しているように見えるのは経験によるものかと思いますが、次のステージで戦う際にまずは外野守備から入ることになると思うので、スライス回転などにもしっかり対応できる姿を来年は期待したいです。

・蛭間拓哉(早稲田大学)○

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出身:浦和学院
身長/体重:176cm/85kg
一言:レベチのスイングスピードを誇る左のスラッガー。

浦和学院高校時代よりプロ注目と言われ、この世代で最も多くのホームランを放っているのが蛭間拓哉ひるま・たくや選手です。

早稲田大学に入り身体の厚みが本当に大きくなり、2年生にしてホームランを量産、既に10本と2桁に乗せました。長打率.570は圧巻で、通算のOPS.914は過去にプロ入りした選手と比べても上位につけています。単打を除いたISO.295は特に圧倒的で、次点に着ける齊藤大輝選手ですらISO.191です。

打席に入ったオーラは別格で、昨年1年見ても蛭間選手以上に雰囲気の有るバッターはアマチュアではいなかったと思っています。スイングスピードの速さが目につき、1打席の中で必ず1度はフルスイングでボールにコンタクトする凄まじい集中力と当て勘は必見でしょう。

大学代表候補合宿では7打数5安打、うち2本はタイムリー。逆方向へのヒットが3本だったそうで、彼の鋭いスイングなら当たれば方向関係なく強い当たりが飛ぶのを表しているように思います。

一方で、リーグ通算24.7K%と三振の多さは目立ち、逆に四死球は9.5BB%とあまり選べていません。振りに行くバッターなので三振の多さはそこまで気にしなくていいと思うのですが、四球を増やすことは今後必要になっていきます。

足に関しては通算で二塁打10本、盗塁6個決めているように、大きな身体ながら俊敏で、代表候補合宿では50m5.93秒と全体4位につけました。守備範囲も肩も悪くなく、守備面でも両翼なら安定して見ていられます。

蛭間選手が最も気を付けなければいけないのは故障です。春季リーグでは外野フェンスに激突し救急車で搬送、秋も自打球を境に調子を落とすなど、これまでの3年間は順風満帆とは行きませんでした。1年間故障なく、調子をキープできれば一体どれだけ打つのだろうかと思ってしまいます。

間違いなくドラフトの目玉選手の一人になるので、最終年期待しています。

<番外編>

ここではまだまだ実績は少ないですが、ポテンシャルが花開けばドラフトラインに十分乗ってきそうな3人の選手を紹介します。ちなみに去年書いた際、慶應大学の渡部遼人選手はこの欄外の一芸枠でした。

・黒岩陽介(立教大学)

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出身:静岡
身長/体重:174cm/78kg
一言:新たな捕手像に名乗りを上げる俊足巧打の打撃型捕手

20年秋から出場機会を増やしてきた立教の扇の要が黒岩陽介くろいわ・ようすけ選手です。

打撃ではコンタクトに優れ、通算打率.297。今秋は初ホームランも放ち長打率も4割に乗せました。三振は74打席で7個に対し四球は6個。選球眼に優れ、出塁率は.357あります。

盗塁は1つですが、捕手の一般のイメージとは異なり俊足で、それは守備でもフットワークの軽さという部分で活きています。捕手としてはスローイングの精度が高くないので、そこは伸びしろだと思っています。

・朝日晴人(慶應大学)

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出身:彦根東
身長/体重:172cm/73kg
一言:東京六大学No.1ショートの名を手にしたコンタクトヒッター

2020年までチームには2年~4年の3年間でレギュラーを張った瀬戸西純選手(慶大→ENEOS)がいましたが、その卒業後ショートのレギュラーを手にしたのは朝日晴人あさひ・はると選手でした。

守備範囲は広く、送球の抽斗が多く、肩も強い。今年の春まで捕手登録だったのが信じられないぐらい守備が巧いです。大舞台である大学選手権・神宮大会でも変わらぬ動きを披露し、慶應の正ショートの座を確固たるものとしました。

打撃面では通算打率.258とそこまで打てていないですし、長打も二塁打2本に留まっていますが、選球眼に優れ出塁率は.372あります。81打席で9三振に対し12四死球。四死球の数が三振の数を上回る選手は、先に紹介した10人の中でも村松選手と齊藤選手の2人だけです。

パワーツールをガンガン発揮するタイプではないですが、最後の年に二塁打を量産できると遊撃守備がある分、一気にドラフト戦線に殴り込むかもしれません。

・萩尾匡也(慶應大学)

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出身:文徳
身長/体重:180cm/84kg
一言:意外性が持ち味のスラッガー候補は確実性を武器にできるか

希少な右のパワーヒッター枠に入ってきそうなのが萩尾匡也はぎお・まさや選手です。

六大学ではホームラン1本ですが、11月に行われた神宮大会でバスターホームランを放つなど2本塁打。地力の強さを現し一躍注目されるようになりました。通算長打率は.439、内訳も59打席で二塁打5本、三塁打1本、本塁打1本。長打の多さが魅力です

一方で課題も明白。59打席で25三振と多くの三振を喫しており、四死球は2つしか選べていません。層の厚いチームなので結果を求めて焦る部分もあったのかもしれませんが、2022年は中軸にどっしり据えて起用すると一気に才能を開花させるかもしれない逸材です。

パワーヒッターの割に足も速く、守備も安定しているので、目標としている鈴木誠也選手のような大きなプレイヤーになって欲しいですね。

■さいごに

これで2022年の東京六大学野球連盟所属のドラフト候補を投打合わせて22名を挙げました。まだまだ最終年のアピール次第でかかりそうな選手は沢山いますが、現時点での実績・投打の内容を考えるとこの辺なのかなと思っています。

番外編に取り上げた選手は一芸に秀でているタイプなので、違うツールも伸ばすことで渡部遼人選手のように一気にドラフト戦線の中に入ってきます。高校生は最後の1年の伸びを言われがちですが、大学生も最後の1年の成長はとても大きいと思うので楽しみです。

こんなドラフト候補たちが東京六大学なら間近で観ることができます。プロでは見られない距離感で。

ぜひ4月から神宮球場に足をお運び下さい!

■出典


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