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7/7ヤクルト対中日戦況〜寺島の真価と我慢できた廣岡〜

さて、7月7日、七夕です。七夕、ヤクルト、うっ頭が…というのはいまは昔。今日はビジターロード15連戦、名古屋ドームでの初戦。まずは結果から。

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延長戦までもつれた試合を見事ものにしました。試合を見ていた人からすると兎に角疲れる試合だった、という内容でした。寺島投手初勝利、井野さん2年ぶりの打点(しかも押し出し四球)、10回裏ツーアウト満塁で代打三ツ間などいろいろなことがありましたね。あえて挙げるなら、ということでツーポイント書いていきます。

1、寺島投手の真価

16年ドラフト1位で履正社からヤクルトに入団した寺島投手。高校時代はキレのいいストレートと特に内角にどんどん攻め込んでいく強気のピッチングが持ち味で、今年ドラフト一位候補の1人高川学園の山野太一投手(東北福祉大)との投げ合いをバックネット裏で見ていた人間からすると彼のピッチングには思い入れがあります。入団後すぐに怪我をしてしまい、その後も思うようなピッチングができず140kmでないシーズンもありました。

それが今年はここまで六試合に登板しフォーシームの平均が142kmを超え、与四球わずか1。昨年までは130kmに満たないスライダーを投げていましたが、今年は平均137kmのカットボールに切り替えフォーシームに偽装しています(※昨年までスライダーを投げていて今年カッターに切り替えた選手として高梨投手も結果を残していますね)。これがかなり効果的。投球の10%を占める緩いカーブも制球よく投げています。今日の大島選手へのこのカーブも外角いっぱいに決まり、バッテリーの組み立てを楽にしてくれました。

あとは高校時代はできていたもののプロの強打者を前に気持ちの面で負けていたのか鳴りを潜めていた内角攻め。特にクロスファイヤーで切り込む右打者に対するカットとフォーシームが投げ込めるようになったことでピッチングの幅が広がりましたね。前回のノートで触れた対ロペスのピッチングはまさに寺島投手の真価というべきもの。

今日の試合は9回裏同点の場面で1回無失点。最後は大島選手を三振に取るなど着実にステップアップしています。

この少年のような笑顔。昨年の結果が出ない中での苦しい顔を見てきた分、私もとても嬉しいです!初勝利をきっかけにさらに飛躍のシーズンにして欲しいですね!!

2、我慢できた廣岡選手

続いては打者に目を向けましょう。

決勝点は井野選手の押し出し四球でしたが、その直前の廣岡選手の打席。ツーアウト満塁で打席に立ち、初球アウトコースのフォーシームに空振り。こらあかんわ、と多くのファンは思ったでしょう。私もそうです笑(ごめんなさい)。しかし、ここからボール3球続き、低めのフォーシームをファール、カウント2-3。まさに勝負の場面。

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最後、インコース低めに曲がり落ちるスライダーを見切ってフォアボールを勝ち取りました。この我慢はこれまでの廣岡選手ではあまり見られなかった部分ではないでしょうか。

昨年は243打席に立ち33四球77三振。変化球に弱く低めのボールに苦しんできたシーズンでした。昨年のゾーン別結果がこちらです(Slugger 2020年プロ野球選手名鑑より)

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今日の結果球の内角低めは13三振を喫している苦手なコースの一つで、よく見極めることができたなぁと感心しています。廣岡選手が見極めたことで満塁となり、その後の決勝点につながりました。ピッチャーの心理としても満塁にはしたくない場面で全力を尽くしてきた中で、我慢を見せた廣岡選手の打席は称えられるべきでしょう。

今年はエスコバー選手の加入によりプロスペクトの廣岡選手といえど中々出場機会が貰えないですが、7打数3安打と結果は残せています。今は西浦選手の打撃が絶好調ですが、今後エスコバー・西浦両選手の休みや打撃不調時には試合出場できるようにこれからも集中して一打席ずつ結果を積み重ねて欲しいですね。

3、さいごに

ビジター15連戦初戦、投手7人注ぎ込み何がなんでも勝ちたいという姿勢を高津監督・斉藤隆コーチから感じました。昨日休みで、先週金曜も雨で流れているのも後押ししたのでしょう。マクガフ選手・石山選手が今ひとつ乗り切れない中で、今日勝った寺島選手や清水選手、長谷川選手が結果を出し、今日の僅差の試合をものにできたのはチームにとって自信になったでしょう。名古屋ドームのこり2試合も勝って一気に上位を狙いたいですね。イノーア投手にとってナゴドの広さはプラスに働くやろ。

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