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【どこよりも詳しい(?)】オリックス・バファローズ ドラフト指名について

こんにちは!シュバルベです。10月26日のドラフト会議でのオリックス・バファローズの指名内容についてつらつら書いていきたいと思います。

※育成3位宇田川投手・育成5位佐野選手の入団意向が発表されたため11月10日に改稿いたしました。

書きすぎて長いので、要約せぇや!という方はこちらをどうぞ!

今年、私は#ヨソドラというtwitterの企画でオリックスを担当したのですが、現状のバファローズの戦力分析を行い、今年のドラフトで補強すべきと考えたポイントは次の5つでした(優先順位は上から順)。

①スラッガー候補
②先発左腕
③高卒捕手
④速球派リリーバー
⑤打撃型の外野手

#ヨソドラでの指名内容と意図など詳細はこちらをご覧ください

こちらの企画では基本的に先に挙げた5つの補強ポイントに沿って指名を行い、予想指名選手は次のようになりました。

①スラッガー候補→西川僚祐(1位)
②先発左腕→伊藤将司(2位)
③高卒捕手→関本勇輔(3位)
④速球派リリーバー→小野大夏(4位)
⑤打撃型外野手→タイシンガー・ブランドン大河(6位)

高卒右腕の育成が近年のバファローズの強みと考え5位に小林樹斗を指名し、6人で支配下の指名を終えたのですが、さて、実際のドラフト指名はどうなったのか。私の考えたバファローズの補強ポイントとの合致点/相違点とともに、今後の展望についてみていきましょう。折角なので各選手、来年にこれぐらいの成績を残して欲しいなぁというのを個人的KPIという形で(生意気ですが)書いています。

1.支配下指名の振り返り

まずは今年の支配下指名からです。結果はこちら。

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支配下で投手3、捕手1、外野手2を獲得。野手はいずれも高校生とかなり素材型に寄った指名となりました。育成では投手3、捕手1、内野手1、外野手1を獲得。育成で指名した宇田川選手と佐野選手でまだすったもんだがあるかもしれませんが、まずは彼ら全員がオリックスに入団し活躍することを期待したいと思います。

早速、各指名選手と指名の意図、来季のKPIを書いていきましょう。

1-1.一位 佐藤輝明×→山下舜平大

1位は明言通り佐藤輝明選手(近畿大学)を指名、4球団の競合となり残念ながらリアルでも籤を外してしまいました。この時点で佐藤以外には早川隆久投手(早稲田大)、栗林良吏投手(トヨタ自動車)、高橋宏斗投手(中京大中京)が一巡目指名されていました。外れ一位をどうするのか。#ヨソドラでも散々悩んだ部分でしたが、オリックスの選択は高卒右腕の山下舜平大投手(福岡大大濠)でした。

はっきり言って、この指名は意外でした。山下投手と入江投手が外れ一位候補だという記事が10/24に日刊スポーツで報道されましたが、当時の私はブラフ(指名候補として挙げることで他球団にその選手をいち早く指名させ本当の狙いとなる選手を指名する戦略)だと判断していました笑

そう考えた理由は三つあります。
①右投手は山本選手、山岡選手筆頭に枚数が揃っている
②高卒投手を昨年は支配下2名育成2名を獲得(うち三人が右腕)
③18年は小園→太田、19年は石川を外した後に河野→宮城とウィークポイントを補うためにしつこく同タイプの指名をする傾向がある

私は上記理由からスラッガー候補を続けるか、先発左腕の獲得に動くかの二択だと考えていたのですが、これらの予想は外れ、オリックスは山下投手を指名したのでした。

山下投手は189cm/93kgの大型右腕です。オリックスでは右の二本柱というべき山本投手が178cm/80kg、山岡投手が172cm/68kgと比較的小柄で、大きな身体を活かして力で抑える投手が活躍している印象がなくドラフトでも敬遠している印象だったのですが、このスカウティングに変化があったのかもしれません。昨年は育成で左の佐藤一磨投手(189/89)を獲得、山下選手の同タイプの山崎颯一郎投手(190/90)が今月TJ明けの復帰戦で好投するなど大型選手というバリエーションの追加を編成として考えていると考えられます。

担当の縞田スカウトからは次のようなコメントが出ています。

将来性抜群の大型右腕。MAX154キロを誇り、ストレート・カーブともにキレ味抜群。将来、日本のエースになる存在。

獲得後の中嶋監督のコメントでは「素晴らしいピッチャーです。来年すぐではないけど、必ず2、3年後にはエースになるピッチャーと思っている。そのまま、スケールの大きさを出してほしい。」(スポニチアネックス10/26)と語っており、右の二本柱に次ぐエース格としての期待を寄せています。

山下投手は高校時代、将来を見据えた監督から直球とカーブの2球種のみで投球するよう制限をかけられており、合同練習会後にフォークをはじめとした変化球の習得に取り組んでいるとの報道もあります。

山岡投手のスライダー、山本投手のスプリットのような決め球は勿論、現代のプロ野球で先発エースとして台頭するにはカットボールやツーシームなど中間球と言われるような変化球も精度良く操ることが求められ、現在の山下投手が2〜3年後にエース候補になるには相当な努力(と才能)が必要となりそうです。今はまだ真っ白なキャンバスとでも言うべき素材なので、高卒右腕育成手腕が問われる選手でしょう。

★来季の私的KPI:二軍で5試合15イニング登板

上に書いた変化球の習得然り、時間をかけて育てるべき選手だと考えています。フォームもやや頭が突っ込みがちで、頭と腕がリリース前に離れてしまっているので負荷が強いフォームに見えます。小まめなメディカルチェックを行い慎重に登板させるべきでしょう。

他球団を見ても、昨年のドラ1高校生は佐々木郎希→登板なし、奥川恭伸→7試合19イニング、西純矢→10試合39イニング、堀田賢臣→TJ手術と右投手は全員10試合以内に止まっています。オリックス1位宮城投手のみ異常で、13試合60イニングでなんと最多勝のタイトルを掴んだほか、2試合の一軍登板も経験しました。

中垣巡回パフォーマンスコーチがいる点は心強いものの、それでも山下投手は宮城投手のようにはいかないと考えています。将来求めるのが「日本のエース」であるのであれば、一年目は焦らずじっくりフォームを固めることを最優先すべきでしょう。その後に後半戦からで構わないので短いイニングからスタートし、5試合15イニングを来年の個人的な指標として見ていきたいと思います。

それでもこの動画で見られるような唸るフォーシームは魅力ですね。楽しみです。

1-2.二位 元謙太

二巡目のトップでは元謙太選手(中京高)を指名しました。元選手は一巡目で言及したスラッガー候補で、佐藤輝明選手を外した時点で代わりとなる選手の確保に動いたと考えられます。昨年一巡目に指名し抽選で外した石川昂弥選手(現中日)と比較されることも多い右のパワーヒッターで、彼と同じく投手も兼任し140kmオーバーを記録しています。昨年2位の紅林選手と身長は同じですが4kg重い186cm/86kgと大柄で、高校生としてはかなり身体ができた状態での入団となりそうです。

谷口スカウトのコメントにもその高い身体能力への期待感が感じられます。

走、攻、守すべてのレベルが高く、走る姿を見ただけで身体能力の高さを感じさせる。ユニフォーム姿、立ち居振る舞いからもスター性を感じる。ここぞという場面でも力が発揮できるメンタルの強さも魅力の好素材。

ちなみに、石川選手と同じく中日ドラゴンズジュニア出身。同ジュニアチームでは、ドラフト1位で指名された高橋宏斗投手がチームメイトで、指名後に次のようにコメントもしています。

高橋は1位で自分は2位。でも順位に関係なく、プロでは負けないように。意識もするし、すごい投手だと思いますが、まずはしっかり1軍で出られるように頑張ります

セ・パで別れてしまったものの、共にウェスタンリーグ所属なので来年早々に対戦もあるかもしれませんね。楽しみです。

指名の意図に戻りましょう。外れ一位で西武が渡部健人選手(桐蔭横浜大)を、ソフトバンクが井上朋也選手(花咲徳栄)を指名したことで打球に角度がつけられるスラッガータイプの選手への高い需要を見越し、三巡目が回ってくるのが22人後という順番も含めて二位元選手は正解だったと考えられます。

外野手としての指名でしたが元選手は高3では遊撃、高2では三塁の守備位置についており、守備位置については適性を見てという形になりそうです。指名打者制のあるパリーグなので、打撃を第一に考えた指名路線は好感度が高いですね。そういう意味では渡部選手も井上選手もパリーグのチームに決まり、制度に基づくリーグ間の戦略の違いも垣間見えます。

一位で佐藤選手が獲得できていれば恐らく2位では左投手に行ったのではないかと私は思いますが、籤を外して投手を選択した為に、スラッガー候補の確保を優先させた指名だったと考えられます。

★来季の私的KPI:二軍でシーズンの8割に出場しOPS.700超え

今年二軍の外野手は後藤・根本・西浦の3選手が主に回しており、特に後藤選手に関しては本来なら一軍で活躍していないといけない選手です。二軍を育成の場として考えるなら、元選手が当然優先されることは確実で、幸い高校時代から遊撃・三塁を主戦としていたことから各ポジションで出場機会を掴むことが可能です。両翼はもちろんセンターもあるかもしれません。昨年のドラ2紅林選手はルーキーながら全86試合に出場、高卒ルーキーでここまでの頑丈さを誇ったのはかなり珍しいケースですが、元選手にも極力多くの打席を積ませたいと考えます。全試合とはいわないまでも、ファーム試合数の8割以上に出場することがまず1つ目の目安としたいです。

中日の石川昂弥選手は二軍で58試合、一軍で14試合に出場しました。一軍では41打席8安打で初安打に加え初打点もマークしたものの、12三振と一軍の壁にもぶつかりました(高卒一年目で12試合に出て8本ヒット打ってる時点で滅茶苦茶凄いんですが)。二軍では3本塁打ながら.278/.380/.374と素晴らしい成績を残し、ファームOPS.754規定到達打者の中で5位。同一リーグの紅林選手が.220/.269/.281でOPS.550と苦しんだことからもどれだけ石川選手が凄かったかが分かります。ちなみにオリックスの太田選手の1年目ファームOPSは.743。このOPS.700越えを2つ目の目安としたいと思います。

広い球場が多く投高なウェスタンで一年目からホームランを2桁打つのはハードルが高いですが、もし1年目からファーム2桁本塁打を達成するようなことがあれば2年後には開幕から一軍で見られるでしょう。多くを望みすぎかもしれませんが笑。今の打撃フォームで個人的に気になるのはステップ。二段ステップを踏んで結果を出している選手が中日の天才・平田選手ぐらいなので、現状宗選手の二段ステップを矯正できていないオリックスの育成に多少の不安を感じています。払拭してくれると信じていますが。

1-3.三位 来田涼斗

二位指名から22人を経て三位ではオリックスジュニア出身の来田涼斗選手(明石商)を指名しました。NPBでは最下位だと2巡目から3巡目までこれだけ待たないといけないので本当に旨味がないですよね。

来田選手についてはドラフト2日前に日刊ゲンダイから次のような記事が出ていました。

所謂順位縛りで、3位までに指名されなければ東日本の社会人チーム行き。結果はオリックスが三位の最後で指名と、ドラマ性がありますね。

オリックスファンの方には言うまでもないですが、来田選手は高校1年からレギュラーとして明石商の1番を担い、昨年の選抜・夏の全国大会ともに本塁打も放っています。2年の選抜では4盗塁、守っても脚を生かした守備範囲の広さが魅力で、まさに走攻守三拍子揃った選手です。最後の年は納得のいかない一年でプロ志望届提出も悩んだとのことですが、しっかり指名を勝ち取れました。

別の観点から観てみましょう。来田選手の担当スカウトは、球界初の女性スカウトである乾氏でした。

#ヨソドラでも私はこの 乾氏の推薦枠は必ず本指名されると考えており、予想では自身の経験を活かした捕手の指名だと読んでいたのですが、来田選手でしたね。球界初の女性スカウトが推薦した選手が上位で指名される、この事実は確実に報道され、オリックスという会社は女性が活躍しやすい会社なんだと世間に知られることの広告効果はぶっちゃけ相当大きい。しかもプロ野球という閉鎖的な男社会のイメージが強い中ですからなおのことです。

話を戻すと、来田選手のオリックスジュニア時代のコーチが乾氏だったそうで、深い縁を本人も感じているでしょう。乾氏にとってもドラフトの日はバースデーだったとのことで、一生忘れられない誕生日になったことと思います。

乾スカウトは次のようにコメントを出しています。

野球に対する情熱、熱い気持ちを持ち、負けず嫌いで、とことんやり抜く強さも兼ね備える。
将来的には、チームを代表する選手だけでなく、トリプルスリーも狙える逸材。

内面までよく知っているからこそのコメントと言える内容ですね。

★来季の私的KPI:二軍でシーズンの7割に出場し5本塁打、2桁盗塁

両翼は元選手との兼ね合いもあるので、来季のメインポジションは高校時代に主戦場としていたセンターとなるでしょう。三拍子揃った選手、と評されていますが、守備面に関してはボールへのアプローチ、送球ともに改善点は相当多いです。何試合か見ていますが特に短い距離の送球に難があり、まずは中継プレーの練習から始めるべきでしょう。オリックスには後藤選手、西浦選手らリーグでもトップクラスに上手い外野手がいるので、しっかり練習を積んでほしいですね。

守備面では先に挙げた2人の壁は相当高いので、来田選手が一軍に上がるには打撃で結果を残すことも当然求められます。本人も「狭間監督からは、“確実性のある打撃ができていない”と。それが大事になると思う」(スポニチアネックス11/3)と認識している通り、打撃フォームも見直しが必要です。

逆に、パワーと走力に関しては2軍である程度1年目から通用するのではないかと期待しています。そこで、来季の個人的な目安として5本塁打と2桁盗塁を挙げました。シーズンの出場数は全体の7割に行けば上出来で、これまでと強度の異なる練習についていくことを最優先してほしいと思っています。予想を裏切ってがっつり活躍してくれたらそれ以上の喜びはありませんが笑

1-4.四位中川颯

連続する四位ではアンダースローの中川颯選手(立教大)を指名しました。18年荒西投手、19年村西投手と2年続けてサイドスローをこの"折り返し地点"で指名しており、3年連続で変則投手の指名となりました。とはいえ、正統派のアンダースローは初めて。チームでもここ10年程、中継ぎの比嘉選手や左の齋藤選手ら横手投げはいますが、アンダーは記憶にありません。

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投げ姿が非常に美しく、130km前半をコンスタントに計測するフォーシームと緩急をつけるスライダーが持ち味。大学1年の春からリーグ戦に出場し、通算61登板はリーグダントツのトップ。3年秋まで6季連続で7試合に登板するなど、アンダースローらしい頑丈さでプロ入り後もフル回転する姿が想像できます

アンダースローとしては与四球率が高く通算でBB/9が3.43あり、年次が上がっても改善できなかった点は残念ですが、現スワローズの山中投手が言うようにアンダースローは指導者がいない。プロ入りした山中選手でさえ渡辺俊介氏の本やYouTubeに頼っていたのですから、アマチュア野球ではなおのことです。ソフトバンクからトレードでスワローズに移籍し、現監督の高津氏と出会い、身体を起こすこと・手首を立てることの二つを指導されたことで山中投手は開花しました。

中川颯選手もすぐにプロで通用するのは厳しいと私は考えています。下手投げで目先を変える、とはいえパリーグには牧田投手・高橋投手もいるのでアンダーとの対戦は各球団経験があり、六大学野球でも今年12試合に登板し無失点だったのが5試合と抜群の成績は残せませんでした。

ただ、ドラフト後の法政戦では6回1安打2四球無失点。プロ志望届の重圧から解き放たれ、本来の投球を取り戻したと言えるナイスピッチングでした。高めの130km前後のフォーシームでファール・空振りを奪い、対になる100km台のスライダーで三振をとる。中川投手の真骨頂とも言える投球が目立ちました。

今後に向けて素人の私が言うのもなんですがランナーが出てからがいつも課題だなぁと思っているのと、軸足のタメが少ないように感じているので、サイドスローの比嘉投手はいい見本になるかもしれません。左足を軸足に絡ませることで身体が正面に向くのを遅らせる投げ方はアンダーでも通用するのではないかと期待しています。

担当の早川スカウトのコメントは次のとおり。

希少なアンダースロー。長い腕をムチのようにしならせながら投げるストレートは球速以上の威力を発揮する。緩急を使った投球術で打者に自分のスイングをさせない。
1年目から先発ローテーションとしての期待が大きい投手。

確かに、中川颯投手は184cm/80kgと大柄な部類なんですよね。桐光学園時代は通算26発とホームランも放つ身体能力の高さも魅力です。先に載せた写真を見ても腕の長さは特徴的で、今後指導がハマれば打者から見えづらくタイミングの取りづらい投球ができる予感を湛えています。一方で、先発ローテーションとしての期待、はフォーシーム・変化球ともに制球面の向上が必須でしょう。六大学での4年間61登板で先発登板したのは8試合、完投は今秋の東大戦の1試合のみと正直先発ローテーションに割り込むのは現状のままだと厳しいです。いずれにしても起用法はOP戦で見えてくるでしょう。

★来季の私的KPI:一軍・二軍で計45試合70イニング

さて、来季ですが主にロング~中継ぎBチーム入りを狙う1年になるでしょう。大学4年間で大きな怪我なく4シーズンすべて登板したタフさが持ち味で、オリックスに入団しても1軍・2軍で多くの登板を期待しています。

今シーズンの起用法から鑑みるに、オリックスは中継ぎのAチームをヒギンス投手・山田投手・吉田凌投手、Bチームを齋藤投手・漆原投手・吉田一将投手で回していくと考えられるため、右サイドの荒西投手・左の富山投手らとまずは競い合う形になるのではないでしょうか。

個人的な目安としては一軍・二軍で計45試合70イニング投げることを挙げたいと思います。立教大の先輩である澤田投手が1年目に40試合55イニングに登板、ソフトバンク高橋礼投手が39試合74イニング登板していることから算出しました。前項で中川投手の課題については書いた通り、プロ1年目から大活躍!は想像しづらいですが、少なくとも二軍で多くのイニングを食うことができればまずは上出来です。

1-5.三巡目・四巡目の考察

一年から見てきた思い入れのある選手だけに中川颯選手のコメントが長くなってしまいましたが、この三巡目・四巡目を編成的な観点から考えてみましょう。

2位の元選手に続き3位でも高校生野手、しかもともに外野手とかなり攻めた指名となりました(元選手の守備位置は兎も角)。もしかすると左腕が欲しかったのかもしれませんが、オリックスの3巡目が回ってくるまでに一位早川隆久選手を筆頭に7人もの大社左腕が指名されていました。事前から今年は先発のできる左腕が豊作な年と見られていましたが、想像以上の集中具合だったと言えます。ちなみに19年ドラフトも36番目の指名までに6人の左腕が指名されており、どのチームも左腕の獲得はかなりプライオリティを高く置いていることがわかります。

リリーバーに関しては私の予想では速球派の獲得でしたが、アンダースローという変則投手の獲得となりました。近藤選手がTJ手術、澤田投手も怪我で離脱するなど日本人の速球派リリーバーが欠けていると考えて私は予想しました。それに対し、チームとしては鈴木優投手やK鈴木投手が現在後ろに回る形を取っており、ともに10月末から一軍でもリリーフ登板をしたところから右の速球派リリーバーについてはチーム内の配置転換により補う構えを見せていると考えられます。TJ手術を行った黒木投手も育成ながら先日二軍で復帰登板を果たすなど、希少価値の高いアンダーの変則リリーバーを獲得することで、リリーフのバリエーションを増やすという選択肢は納得性が高かったです。

#ヨソドラでの3位予想は高卒捕手にしましたが 、今年は2位で牧原巧汰選手(日大藤沢)が指名されたものの、昨年から高卒捕手は比較的後回しにされる傾向があるように感じました。智弁和歌山→横浜DeNAの東妻選手ですら四位ですからね。確かに各球団見ても高卒上位で獲得した捕手で正捕手クラスなのは、會澤翼(06年3位)森友哉(13年1位)田村龍弘(12年3位)と限られています。まだまだ予想の精度は高める余地がありました。

1-6.五位 中川拓真

五巡目では高校生捕手の中川拓真選手(豊橋中央高)を指名しました。頓宮選手より若い支配下の捕手は現在チームにおらず、今年高校生の捕手を指名すると考えていた通りの結果になりました。高校生の捕手としてはソフトバンク三位の牧原巧汰選手(日大藤沢)、スワローズ三位内山壮真選手(星稜)に次ぐ順位での指名でした。本ドラフトで高卒捕手は年齢チャートを見ても、普段の試合を見ていても補強必須なポイントだっただけに5位できっちり高卒捕手を獲得できた点は一安心です。

中川拓真選手は178cm/86kgとがっちりとした体格で、この夏の愛知県独自大会では主に3番〜4番を担って攻守の軸として活躍しました。打撃面ではプル方向への強い打球が魅力で、高校通算44本塁打も頷けるスイングをかける選手です。守備面では強肩が持ち味で、プロアマ野球研究所の記事では次のように書かれています。

計7度、イニング間のスローイングを計測することができたが、その全てで強肩の基準と言われる2.0秒を切り、1.8秒台も4度マーク。これは大学生や社会人でもなかなかいないレベルである。

11月4日の指名挨拶に際して、谷口スカウトのコメントも出てきました。

打撃は長打力が魅力で肩も強い。打てる捕手というのは貴重な存在。明るくはきはきとしている性格も含めて楽しみ。上位候補の捕手が5位で残ってくれていて本当によかった(スポーツ報知

やはり長打を生み出すパワーと、強肩が評価されての指名ですね。中学時代には砲丸投げで全国大会にも出場しており、野球一筋でない点も個人的にはイイと思っています。アメリカでは多くのMLB選手が他のスポーツ競技(アメフトなど)も学生時代に経験しているほか、吉田正尚選手が室伏広治氏とトレーニングを行うなど異種競技から学ぶ身体の使い方は財産になると考えられます。

また、谷口スカウトのコメントにある「明るくはきはきとしている性格」というのも今後は獲得選手の性格面でのポイントになるかもしれません。昨年育成指名し、今シーズン支配下登録された大下選手は二軍にいた時から大きな声で味方を鼓舞していました。大学時代から彼の”声援”は評判で、当然スカウトはその姿も見たうえで指名を行っています。これまでは一軍のベンチで劣勢時に声を出していたのは伏見選手ぐらいでしたが、チームのカルチャーを変えていくという意図も感じられる指名の方向性と受け取りました。

★来季の私的KPI:二軍の正捕手として8割の試合に出場

若月選手が今年は打撃が上向いたとはいえOPS.638(11/4時点)に留まり、監督交代後に多くのスタメンマスクを被りOPS.708をマークしている伏見選手が30歳に突入するなど、層の薄いポジションでした。そして、11月4日に山崎勝己選手が引退、飯田選手が戦力外通告を受け退団。支配下捕手は若月・伏見・松井雅人・頓宮・中川拓の5名となり、さらに松井選手はFA権を取得しています。

中川拓真選手の来季ですが、まずは二軍の正捕手としてマスクを極力多く被ることが最重視されるべきでしょう。高校は決して強豪校ではなく、プロのボールを受けて最初は戸惑うことも多いと思いますが、兎にも角にも経験です。打撃面については問わず、まずはキャッチャーとしての基本的なスペックであるキャッチング・ブロッキング・スローイングの3つを徹底的に鍛える1年にすべきだと考えています。近年は大学生でもフレーミングを意識したキャッチングを行う選手が増えていますが、先に挙げた3つはベースとして必須で、フレーミングはできるけれどフォークは後ろに逸らします、では話になりません。基本の3つの性能+打撃が良ければ、それだけで一軍で使われるには十分な理由になります。

一軍捕手の怪我明けのリハビリ出場以外はすべて二軍のスタメンマスクを被るぐらいの出場機会を与えて欲しいと考え、来季の中川拓真選手には二軍の試合の8割に出場を目安として見たいと思います。

1-7.六位 阿部翔太

今回のオリックスのドラフトで最大のサプライズはこの六位阿部翔太投手(日本生命)でしょう。大卒社会人6年目となる28歳、日本選手権や都市対抗本戦にこれまで複数回登板している日本生命の現エースピッチャーです。2年前の荒西投手もHonda熊本のエースで高卒入社後8年目の26歳での指名で比較的近いケースでしたが、それよりも驚きは大きかったです。そういえば牧田編成副部長もオールドルーキーでの入団でしたね。

担当の下山スカウトのコメントはこちら。

MAX151キロのストレートと多彩な変化球を武器に打者を翻弄する。強気な性格で、相手に向かっていく姿も魅力的でコントロールも一級品。経験値豊富な即戦力投手。

当然ですが、即戦力としての期待をかけての指名です。2019年は侍ジャパンの社会人代表に名を連ね、第29回BAFアジア選手権大会では4試合9イニングに登板し合計で15三振1四球と高い制球力を見せています。韓国戦では先発し5回3失点ながら10三振を奪い勝ち投手となっています。

動画を数本見たのですが平均球速は140km前半、持ち球はフォーク、カット、スライダーが主体。内外の投げミスは少ないものの、フォーシームはかなりシュート成分の強いボールでした。球種がオーソドックスで、フォーシームもそこまで速く無いので、制球力と投球技術で躱していくピッチングがどこまで今のプロ野球で通用するか気になります。

年上の奥様と娘さんもいらっしゃるとのことで一家を背負う形での入団ですが、幸いオリックスの右腕は充実しています。結果を焦りすぎず、持ち味の制球に磨きをかけて1試合でも多くの試合に投げて欲しいですね。

★来季の私的KPI:一軍で50イニング登板

指名順は六位ですが28歳という年齢を考えると下山スカウトのコメントの通り即戦力として稼働する必要があります。荒西投手のルーキーイヤーは一軍で13試合51イニングに登板、二軍でも45イニングを消化しているので、この数字が一つのベンチマークとなるでしょう。

キャンプから一軍帯同は必須、オールドルーキーは結果を2年以内に出さないと早めに切られてしまう傾向にあるのでオープン戦が勝負です。一軍で50イニングの登板、これがやはり一つの指標となります。オリックスの場合は特に右投手のローテ枠争いは熾烈で、当落線上にいるのは張選手や榊原選手となります。彼らより球速で劣る分、しつこいですが制球と投球術でどれだけアピールできるかが勝負でしょう。

1-8.支配下指名振り返り

ここまで六人の支配下指名について書いてきました。読み返してみると辛口ですね……。全体としてかなりかなーり素材に寄った指名で、ギャンブル要素の高さを感じました。とはいえ、今年指名した高校生はいずれも体格のがっしりとした選手が多く、素材としてはピカイチです。11月になってから紅林選手が一軍に昇格しショートを危なげなくこなしつつ、初安打も初打点も記録するなど、選手育成の成果が出つつあるように感じます。太田選手も怪我で損をしていますが、豪快な本塁打も放っており来年は開幕一軍で見られる可能性が高い打者となっています。

プロスペクトを多く抱える中で、即戦力と位置付けられる大卒野手の獲得を佐藤選手を外してからは見送りましたが、プロスペクトにとって超えるべき壁を作るより下からの突き上げと同世代での競争を狙ったのかなぁ、と推測しています。2年前に獲得した太田選手・宜保選手とも、紅林選手のこの数試合を見ているとオチオチしていられません。結果を出さないと二軍での出番すら奪われる可能性があることはかなりのプレッシャーとなるでしょう。

編成的な観点で考えてみると、やはり左腕を獲得できなかったのは痛いです。来年4月1日時点で22歳以下の支配下左腕が宮城投手のみ。田嶋・山﨑福・富山の3投手が今年飛躍を遂げ、それに続く左腕を育てることができれば投手力で大きなアドバンテージを得ることができたでしょう。ま、これは仕方ないですね。二位で優先すべきはスラッガー候補だったと私も思いますし、三位・四位で獲得した二選手を上回る左腕はいなかったという判断も納得できます。

実際、来年一軍で見られるのは阿部翔太選手と中川颯選手の二人でしょう。今年最下位に終わってしまった中で来年の上積みが少ないドラフトだったので、オフのFA・トレード・新外国人獲得のムーブが気になります。ソフトバンク長谷川勇也選手の調査の記事も出ていましたが、「球団関係者」の次のコメントを見て少し安心しました。

若い選手は勢いがあるときはいいが、それが止まったときには沈んでしまう。それを支える経験のある選手が必要

実在する関係者だといいのですが(苦笑)。何が言いたいかというと、このドラフトはオフの動きあって初めて評価できるものになるということです。いくら中長期を見据えるとはいえ、今のままでは来年も勝利という成功体験を積めず、最悪数年後も同じように中長期を見据え続ける未来もゼロではありません。FAで取ったら育成したいプロスペクトの出番が〜とか下らないことを考えず、いい選手が空きポジションに嵌るのであれば必ず手を出して欲しいと思います。

2.育成指名

支配下で分量を相当書いて疲れたので育成選手はさらりと書いていきます。すでに1万字超えているのでw

育成指名を考えるにあたって参考になるのは、昨オフに福良GMの口から語られた三軍創設構想。

20年1月30日時点で育成選手は16名在籍し、これは三軍を持っているソフトバンク・巨人よりは少ないですがリーグで4番目に多い数となっています。大下・漆原の両選手が支配下登録され14名となった本ドラフトでは、6名の育成選手を指名しました。

指名選手をざっくり見ていきましょう。

2-1.育成一位 川瀬堅斗

育成トップ指名は川瀬堅斗投手(大分商)でした。現ソフトバンクの川瀬晃選手の弟で、1年から登板を重ねている185cm/82kgのこれまた大型右腕です。

山口スカウトのコメントはこちら。

MAX148キロを投げる馬力、どの変化球でもストライクを取れる器用さを併せ持つ投手。
身体能力が高く、将来が非常に楽しみな投手。

大分商業の右腕といえばドラフト好きであれば真っ先に浮かぶのは現広島の森下暢仁投手(大分商→明治大)でしょう。川瀬選手は森下投手と親交が深く、昨夏の大会前には直接指導も受けています。5つも歳が離れていながら「マサトくん」と呼ぶほどなので、相当な仲の良さですね。

マサト君は自分にとって師匠のような存在です。投球フォームをはじめ、チェンジアップの抜き方など、丁寧に教えてくれます。日ごろから、LINEでアドバイスをしてもらっています

今年、新人王ほぼ当確といえる素晴らしいピッチングを見せている森下投手のように川瀬投手も育成からのスタートですが這い上がって欲しいですね。曲がりの大きなカーブは森下投手直伝なのかなぁ、と思う良い切れ味と腕の振りをしています。

ちなみに、川瀬選手の指名に際してはこんなことがあったようです。

名前が呼ばれず口を結んで画面を見つめるなか、支配下選手の指名が最終盤にさしかかった時、渡辺監督の携帯電話に着信があった。オリックス側からで、支配下選手として指名できなかったことをわびたうえで、育成での指名が打診されたという。
 川瀬投手は当初は育成指名なら別の道をめざす考え。ドラフトは進行中で即断が必要だった。たまたま両親がテレビ番組出演のため隣室にいたためその場で話し合いができ、方針変更を決めた。

この後の指名選手でも同じようなことが起きているのですが、川瀬選手は今時点で入団の意向を示してくれているようでひと安心です。兄の川瀬晃選手と早く一軍で対戦できるといいですね。

2-2.育成二位 辻垣高良

育成二巡目で獲得したのは辻垣高良投手(学法福島)。本ドラフトの指名選手で唯一の左腕です。2年秋の大会で85イニングを投げ県大会優勝に導きました。元々は神戸出身で、ほっともっとフィールドにも多く足を運んだとのこと。入団テストで憧れの岸田二軍投手コーチとキャッチボールをするなど深い縁を感じる選手です。

Max143kmは今夏の独自大会で計測、181cm/83kgのがっしりした身体からはまだまだ伸び代を感じます。ゆったりとした足上げからハンドセパレーションの流れは石川雅規投手(ヤクルト)を彷彿とさせ、左肩甲骨周りの柔らかな使い方はオリックスに在籍する左腕に共通するものでしょう。

上村スカウトのコメントはこちら。

スライダーとのコンビネーションで奪三振率が高く、フォームのバランスもいい。がっちりとした体格で、スタミナも十分。将来性豊かな好素材の投手。

フォーシームの球威・球速で勝負するタイプのフォームではないですが、変化球の精度と投球術を磨いて左の軟投派として台頭することを期待しています。プロ志望届を届出初日である8月1日に提出しているところからも、プロ入りへの強い覚悟がみられる点も個人的には好きです。

2-3.育成三位 宇田川優希

育成三巡目で指名したのは上位候補と見られていた宇田川優希投手(仙台大)。安定して140km中盤のフォーシームを投げ込み、鋭く曲がるスライダーと落差のあるフォークも魅力の速球派右腕です。

佐藤スカウトのコメントはこちら。

ゆったりしたフォームから角度のあるストレートは150kmを超える。落差の大きなフォークボールでも三振が取れ、今後の伸びしろを大きく感じる投手。

仙台大の先輩である馬場投手(現・阪神)のフォームを理想として掲げ、3年時にフォームの見直しを行うことで急成長を遂げ、大学日本代表候補にも選出されました。

軸足(右足)の動きを少し変えたんです。それとグラブを付けている左手の使い方ですね。それまでは全く意識していなくてグラブの位置も低かったんですけど、それを肩くらいのラインまで上げるようにして、左肩と右肩を入れ替えるようにして投げたら球も速くなった感じです

余談ですが、このグラブの位置を変えることで急成長を遂げた大学生が今年のドラフト候補には多かった気がしています。私が良く見ていた東京六大学では法政大の鈴木昭汰選手(ロッテ1位)・高田孝一選手(楽天2位)ともにグラブ位置を肩までもってくる投げ方に変えてから球速がUPかつ安定して球速が出るようになったと感じました。右脚に重心が乗りやすいんですかね?メカニズムは詳しくないので分からないですがw

さて、問題は指名後です。ドラフトその日のうちにこのような記事が。

監督との話し合いで全球団に対して支配下縛りを伝えていたのであれば、オリックスの育成指名は”強行指名”と言われますよね。どう転ぶかは決まっていた社会人チームへの仁義を含めて交渉次第ですが、育成1位の川瀬選手も同様のケースなのでこの指名方針は賛同できかねます。スカウトも相当な思いで指名をしているとは思うので(それなら支配下で取れよ、育成でも三位は酷くない?という批判は尤もですが)、丸く着地できればいいのですが今後に禍根を残す可能性もあるので不安です。

と、書いた2日後にこちらの記事が出ました。

牧田編成副部長はドラフト翌日に仙台大学に詣で、さらに1学年先輩でオリックスから育成指名された佐藤優悟選手からアドバイスを貰うことで宇田川投手・佐野選手共にオリックスへの入団に翻意してくれたようです。ちなみにこの記事で仙台大学は佐藤真一スカウトだったことを知りました、上村スカウトだと思っていましたすみません。大学との調整、「受け皿がなかった」とはいえ何らかの引き合いはあったであろう社会人との調整、今回はオリックス編成部門は”ようやった”という印象です。他の育成選手と比べても力は抜きんでいる印象を受ける宇田川投手はキャンプの終わるタイミングで支配下登録されていても驚かないぐらいの高いポテンシャルを持つ投手です。二軍では先発がメインになるとは思いますが、支配下指名編で書いた速球派リリーバーの枠が彼で埋まる可能性は十分あります。楽しみですね。

2-4.育成四位 釣寿生

育成四巡目では高校生捕手の釣寿生選手(京都国際)を指名しました。181cm/87kgとこれまたゴツい体格で、高校通算25本のパワーと強肩が魅力の選手です。捕手への拘りが強く、憧れの選手として次のように答えています。

キャッチャーは甲斐 拓也選手(ソフトバンク)です。捕ってからの速さを参考にしています。バッターでは鈴木 誠也選手(広島)です。トップの位置をあまり動かさずにバットを出して、遠い所まで飛ばせるので凄いと思います

他の選手のコメントでもそうですが、最近の高校生は具体的に何が凄いのか言える点は素晴らしいですよね。

ドラフト前からオリックスが釣選手をリストアップしている情報は出ており、今回支配下と育成で1名ずつ高校生捕手を獲得するのは既定路線だったと考えられます。担当スカウトは乾スカウト(下山スカウトも共同ですが、捕手なので乾氏が推薦人でしょう)。コメントはこちら。

背筋力260kg。桁外れな規格外のパワーが魅力。
生まれ持った体の強さと、タフな心を持つ強肩強打の大型捕手。

現在育成で3人の捕手を抱えているので、入団後の熾烈な競争に割って入れるか注目です。

2-5.育成五位 佐野如一

五巡目では宇田川投手とともに物議を醸している仙台大の佐野如一選手を指名しました。佐藤スカウトのコメントはこちら。

広角打法の中距離ヒッター。
走守のレベルが高く、将来的にはレギュラー争いも期待される好素材。

1年春から公式戦に出場し、3年春には打率.359をマーク。レフトを中心に守り、走攻守三拍子揃ったバットマンとして東北の野球ファンの間で知られています。霞ヶ浦高、仙台大とともに主将を務めたキャプテンシーも魅力で、霞ヶ浦時代には根本薫選手(なお戦力外に。。)とチームメイトでした。

宇田川投手同様、支配下縛りを全球団に通達済みとのことで、指名後には「名前を呼んでもらってうれしいけど、支配下で指名されたかった」とのコメントも。どちらの選手にとっても選手側に非はない案件なので、どう転んでもファンは冷静でいて欲しいですね。2人入団しなかった場合に一番痛いのは当然オリックスで、18人の育成選手でキャッチャーのみだぶつくという歪な構成になってしまいそうです。この後の戦力外通告などで動きはあると思われますが。

→という懸念もなくなりました!!!佐野選手と佐藤優悟選手は大学時代も両翼を組んでおり、オリックスでも2人の布陣が見られそうです。楽しみです。

2-6.育成六位 古長拓

サプライズ指名の多かったオリックス、最後に指名したのは26歳の古長拓選手(福島レッドホープス)。162cm/67kgの小兵で、20シーズンは打率.155と低迷しましたが、サードセカンド外野とユーティリティとして重宝されているようです。福島レッドホープス初のプロ野球選手ということで、地元紙でも取り上げられました。

今宮選手と自主トレをやっているとのことで、九国大付時代の繋がりですかね…?全くのノーマークかつ独立ファンも驚きの指名だったようで、情報が少なくてすみません。こちらも福島ということでおそらく上村スカウトが担当でしょう。コメントはこちら。

熱いハートで内野全てを守れる。
巧みなバットコントロールが魅力の独立リーグを代表する選手。

余程広く候補を見ていたか、入団テストに参加していたか。まだ指名挨拶等の情報もなく謎が多いです笑

YouTubeで調べたらプロ2人に混じって三塁守備してて草生えましたw

3.さいごに

だらだらとここまで長文にお付き合いいただきありがとうございます😊本当は育成指名の仙台大二選手の動向が決まってからupしようと思っていましたが、このままだと12月になりそうなのでこのタイミングで上げました。速報性がない代わりに内容を濃くしようと思ったら書きすぎました。まとまりきれずですみません。

今年のドラフトも完全に育成モード使用となりましたが、チームの空気を変えるにはこれぐらいの大胆さと覚悟が必要なのかもしれませんね。支配下まとめで書いた通り、これ+FA参戦で初めて評価できる内容だとは思いますが。仙台大2人が入ってくれたら満点あげたくなりますけどね笑

投手は育成含めて、阿部投手以外は全員180cmオーバーで投手のバリエーション追加という点はすごく良かったです。

兎にも角にも、全ての指名選手により良い未来が来ることを願っています。頑張れ!!!!

■出典

各記事はリンク付の通り。

スカウトコメントは全てオリックス公式より。


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