東京六大学野球ゲームレビュー2022/4/9
こんにちは、シュバルベです(๑>◡<๑)
4月9日から東京六大学野球が開幕しました。行ける日は限られていますが、私も出来る限り多くの試合を観て行きたいなと思っています。時間が許す範囲で各試合の簡単なレビューと、各チームのその日のMVPを勝手に選んでいきたいと思います。
開幕前に書いたこちらの記事もぜひお読みください。
1.4月9日 東大ー慶大1回戦
開幕戦は昨年の春・秋優勝校である慶應義塾大学と、春・秋とも最下位に沈んだ東京大学の試合でした。結果は11-4で慶應義塾大学の勝利。スコアはこちらからご覧ください。
先発投手は東大がエースの井澤駿介投手(札幌南④)、慶大が先発としてはリーグ戦初の橋本達弥投手(長田④)でした。
私含め慶大の1戦目は増居投手を予想された方も多かったと思いますが、右の橋本投手を起用したのは驚きでした。3月に行われた春のオープン戦で関西大学相手に9回13奪三振完封を記録するなど、調子の良さも買われての起用だったのでしょうか。
試合は初回から激しく動きました。東大は先頭の阿久津怜生選手(宇都宮④)がヒットで出ると、死球やミスもあり一挙3点を先制。東大は昨年まで初回にチャンスを作っても三振などで逸してしまうケースが多かったのですが、しっかりと点に繋げられたのは良い出足だったと言えます。
ただし、1回裏に東大のエラー3つが絡み慶大に2点を返されてしまったのは試合全体を見ても非常に勿体なかったですね。開幕戦でお互いやや硬さも見えた試合、井澤投手も制球が定まり切らず2回以降も多くの四球を与えてしまい、常にピンチが続く試合展開となりました。
2回裏に早くも同点に追いつかれた東大は、4回表にピッチャーの井澤投手がレフトへのソロホームランで1点勝ち越し。東大にとっては2020年11月1日明大戦での石元悠一選手以来、実に524日ぶりのホームランでした。
リードを保ち6回から継投に移った東大ですが、2番手の松岡由機投手(駒場東邦③)が7回裏に2番宮尾将選手(慶應④)に同点タイムリーを浴びてしまいます。
更に8回、四球も絡んで溜まったランナーを代打宮崎恭輔選手(國學院久我山③)のスリーランホームランなどで突き放され、終わってみれば慶大が11-4と大きく差をつけ勝利しました。
慶應の打線では2番に起用された宮尾将選手が3安打猛打賞2打点、渡部遼人選手の抜けた穴を攻撃面で埋めることが出来ました。盗塁も1つ決めており、これからも2番打者として機能するか楽しみです。
東大は打線に関してリーグ戦初出場の左バッター清永浩司選手(佼成学園④)をセカンドで起用、6人の左打者を並べて橋本投手対策を行いました。相手先発を読み切った井手監督の洞察力を感じた一件です。また、3年間で24イニング24三振と非常に奪三振能力の高い橋本投手に対し、この日東大打線が喫した三振はわずか1つ。低めのボールを見極め、フライ性の打球を多く打つ新生東大打線はかなり破壊力があるのではないでしょうか。
・慶大Daily MVP:下山悠介選手
10安打11得点と効率よく得点を重ねた慶大の中で、光ったのはキャプテンである下山悠介選手(慶應④)の5四球でしょう。
6打席に立ち1安打5四球、全打席出塁を果たしました。今年はキャプテンかつ4番を担い、さらにドラフト候補としても各紙に取り上げられる下山選手。打ちたい気持ちが逸って然るべきですが、井澤投手ら東大投手陣のボールをしっかりと見極めて奪った5つの四球が開幕戦で序盤やや浮足立ったチームを落ち着かせたと感じました。
前後を担う3番廣瀬隆太選手(慶應③)・5番山本晃大選手(浦和学院④)が積極的にスイングをかけていく中で、通算出塁率.380と優れた選球眼を持つ下山選手を4番で起用する打順が機能したとも言え、今後の試合でも同様の打順が続きそうです。
守備面でもサード前方の難しいゴロを難なく処理するなど、この4年間での成長を感じさせました。
・東大Daily MVP:井澤駿介選手
開幕投手を任され、この日の登板で現役生の中では最速の通算100イニング登板となった井澤駿介投手。投げては5回110球3失点。初回に牽制球悪送球など自身のミスも出てしまい試合通じてリズムを掴み切れず9四球と課題も残りましたが、それでもリードを守って次の投手にバトンを繋ぐ役割は果たしました。
ただ、この日の一番のトピックスは9人目の野手としての役割、ホームランを放ったことでしょう。
東大投手のホームランは2017年法大戦での宮本直輝選手以来でした。井澤投手の打力に関しては、昨秋も立大戦でスリーベースを含む2安打を放っており、この開幕戦で8番打者に起用されたのもうなずけるものでした。思えば、そのスリーベースも引っ張り方向に強いライナーを放っていたので、この日の本塁打の布石だったのかもしれませんね。ナイスホームランでした。
2.4月9日 早大ー法大1回戦
開幕カード2試合目は早稲田大学と法政大学の試合でした。結果は4-1で法政大学の勝利。スコアはこちらから。
先発は早大が3年生左腕の齋藤正貴投手(佐倉③)、法大が2年生右腕の篠木健太郎投手(木更津総合②)でした。ともに3月に行われた練習試合やオープン戦でも軸となるピッチャーとして起用されており、今シーズンの両大学のエースの2人です。背番号も18同士ですね。
試合が動いたのは2回裏。法大の5番に起用された今泉颯太選手(中京大中京③)のソロホームランで1点を取ると、更にサードに抜擢された高原侑希選手(福井工大福井③)のタイムリーツーベース、そして9番篠木投手もタイムリースリーベースを放つ長打攻勢。一挙3点を取ります。社会人対抗戦でサードに起用されたのは内海貴斗選手(横浜③)でしたが、高原選手が開幕戦起用に応えた形となりました。
4回に早大が吉納翼選手(東邦②)のタイムリースリーベースで1点を返すも、その裏に法大は牽制球悪送球間に隙をついてすぐさま3点差に戻し試合の主導権を握りました。
投げては篠木投手が常時150km/h前後のストレートを軸に気迫のこもったピッチング、最後まで球威は衰えることなく終わってみれば9回14奪三振2四球で1失点の完投勝利。昨年は2季続けて下位に沈んだ法政大学ですが、新エースを筆頭に明るく強い法政大学を象徴するような試合となりました。
対する早稲田大学は主軸のクリーンアップが9三振と完全に封じ込まれました。守備面での綻びも見られ、この日はかなり厳しい試合展開でした。投手ではリーグ戦初出場の中森光希投手(明星②)と伊藤大征投手(早稲田実業③)がともに1回無失点といいピッチングを見せた点はプラス材料でしょう。昨年は春の開幕戦でリリーフ投手が打ち込まれ出鼻を挫かれたので、今後に向けた計算は立てやすいのではないでしょうか。
・法大Daily MVP:篠木健太郎選手
投げては9回1失点完投勝利、打っては3打数2安打1打点と二刀流の活躍を見せた篠木健太郎投手。
常時150km/h前後を計測するストレートの勢いは非常に強く、早大の多くの打者が振り遅れ・差し込まれになっていました。100球を超えてもその球速は落ちることがなく、9回になっても140km/h後半を記録するなどプロ顔負けの剛球派先発右腕としての姿を見せました。
130km/h中盤のスプリット系の落ちる球と、カット系のボールも効果的で、6回表早大クリーンアップに対しての三者連続は試合の流れを決定づけました。
投げても打ってもニコニコしながら楽しそうに野球に取り組む姿はチームのムードを上げ、2年生ながらエースの風格を既に纏っています。140球超の熱投、お疲れ様でした🙇♂️
・早大Daily MVP:吉納翼選手
この日唯一となる打点を叩き出した吉納翼選手。
チームの中で最も篠木投手のストレートに対応出来ていたように見え、タイムリーとなったスリーベースヒットは甘く入った変化球にしっかり合わせていきました。センターオーバーで一気に三塁を落とす脚力もありますし、三拍子揃った外野手として注目です。
篠木投手と同じ2年生ながら早くもスタメンに名を連ね、三塁打でも四球でもチームを鼓舞するような仕草は新しい時代の息吹を感じました。個人的には1番バッターで見たい打者だなと思います。
■さいごに
こんな感じでさくっとまとめていきたいと思います。いよいよ始まりましたね。これから毎週末熱戦が行われていきます。big6tvで配信されていますので、球場に来られない方もぜひ…!