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東京六大学野球ゲームレビュー2022/4/10

こんにちは、シュバルベです٩( ᐛ )و

4月9日から開幕した東京六大学野球。観戦した試合の記録として、レビューを書いていきたいと思います。第1弾、開幕戦の4月9日のレビューはこちら↓から。

開幕前に書いたこちらの記事もぜひお読みください。

1.4月10日 法大ー早大2回戦

前日は法大が篠木健太郎投手(木更津総合②)の完投勝利で幸先の良いスタートを切りました。迎えた2回戦、法大は4-3の逆転勝ちを収め2連勝。勝ち点1を手にしました。スコアはこちらから。

先発投手は法大が3年生左腕の尾﨑完太投手(滋賀学園③)、早大が3年生右腕の加藤孝太郎投手(下妻一③)。3年生ピッチャー対決となった試合です。法大に関しては社会人対抗戦で先発を任された扇谷莉投手(東邦④)の登板も考えられましたが、この日はリリーフ待機となりました。

先発した加藤孝太郎投手

法大の尾﨑投手は序盤から制球が定まらず、ランナーを常に背負う展開に。3回表、早大は内野安打と2つの四球でツーアウト満塁のチャンスを作ると、5番生沼弥真人選手(早稲田実業③)が追い込まれながらもショート深いところへの内野安打。開幕戦からクリーンアップに抜擢された意地を見せます。続く6番吉納翼選手(東邦②)が四球を選び、早大が2点を先制しました。

4回から法大は早くも尾﨑投手をスイッチ。3年生右腕の塙雄裕投手(常総学院③)がマウンドに登ります。この塙投手が試合の流れを法大に引き込みます。低めに制球された丁寧なピッチングで4回・5回と2イニング続けて0に抑え反撃を待ちます。

6回表、法大1番の宮﨑秀太選手(天理④)が逆方向へのライナー性の本塁打を放つと、さらにエラー絡みでチャンスを作り5番今泉颯太選手(中京大中京③)が連日の打点となるタイムリーヒット。2-2の振り出しに戻しました。

本塁打を放った宮﨑秀太選手

勢いそのままに7回にも法大はツーアウト一、三塁のチャンスを作ると、早大にタイムリーエラーが出てしまい勝ち越し。9回表にも途中から入った副将の海﨑雄太選手(埼玉栄④)が逆方向へのレフトスタンドインで追加点。

早大は9回裏、代打の島川叶夢選手(済済黌③)に初出場初ホームランが出るも一点及ばず。法大は3人の投手が3イニングずつ投げきる継投で逃げ切りました。

2日続けて法大の強さを随所に感じる開幕カードとなりました。主将の3番齋藤大輝選手(横浜④)・4番浦和博選手(鳴門③)に当たりが出なくても、宮﨑選手・海﨑選手の本塁打で点を取れるのは強いチームです。リリーフの塙投手と武冨陸投手(日大藤沢③)がリードを守りきり接戦をモノにした価値は大きいでしょう。この日投げた3投手はいずれも3年生で、今年だけでは無い強さを感じさせます。

一方の早稲田大学ですが投手は予想通り前評判ほど悪くなく、守備も含めた野手が上手く機能していません。2日で捕逸を含み5エラー、失点に絡む痛恨のものでこれでは中々勝てないですね。

打撃面でも、中心選手である主将・中川卓也選手(大阪桐蔭④)と副将・蛭間拓哉選手(浦和学院④)の2人が2日で1安打に留まり、チャンスを活かしきれていません。少し当てに行くようなバッティングが見え、重圧を感じているように思いました。吹っ切って強いスイングを自分のタイミングで出来るようになるといいですね。

・法大Daily MVP:塙雄裕投手

3イニングを被安打2、与四球0、3奪三振の無失点で流れを呼び込み、リーグ戦初登板初勝利を挙げた塙雄裕投手

6回裏のピンチを乗り切った塙雄裕投手

ストレートは140km/h前後ですが、小さな変化の変化球は見分けが難しく、少し抜いたスライダー系のボールも制球よく低めに決まっていました。リードを奪った7回にランナーを出してから2つの三振を奪い、マウンド上で雄叫びを上げる姿は好投手の雰囲気を感じました。

・早大Daily MVP:島川叶夢選手

9回裏、代打で出場してホームランを放った島川叶夢選手

ホームランを放った島川叶夢選手

リーグ戦初出場・初打席での一振りは1点差に迫る貴重な打点になりました。スタンドインするまで全力疾走をしていましたし、一所懸命なプレーがチームを盛り上げていきそうな選手です。チームにとっても今季最初のホームランになり、4月23日からの明大戦に向けて再度立て直しを図る&選手起用の一助になっていくのではないでしょうか。ナイスホームランでした!

2.4月10日 慶大ー東大2回戦

前日は東大が初回に3点を先制し、6回までリードを保つも7回一挙逆転を許してしまった試合。迎えた2回戦、16-2の大差で慶應義塾大学が勝利しました。スコアはこちらから。

先発投手は慶大が4年生左腕エースの増居翔太投手(彦根東④)、東大は4年生右腕の西山慧投手(土浦一④)。左の増居投手対策として東大は右打者をスターティングラインナップに増やし、2番打者には伊藤翔吾選手(開成④)を起用しました。前日から大きくメンバーを変えており、東大が慶大の先発投手予想に成功していたことが明らかとなりました。

先発した増居翔太投手

さて、試合は初回に大きく動きました。西山投手の制球が安定せず、守備の乱れもあって慶大が1回表に一挙7得点。西山投手はアウトを1つも取れないまま2番手の小髙峯頌大投手(筑波大附)に継投せざるを得ず、この日の試合は大勢を決してしまいました。中でも5番山本晃大選手(浦和学院④)のバッティングはこの2日間冴えわたっており、抑えるのがかなり難しい状態でした。

7点ビハインドながら、1回裏東大は3番宮﨑湧選手(開成④)のレフトオーバーのツーベースを足掛かりに1点を返します。2日続けて初回に点を取れたという点は東大新チームの非常に良かった点でしたね。

ツーベースの宮﨑湧選手

東大2番手の小髙峯投手はリーグ戦初登板で難しい入りだったと思いますが、打者7人に対しヒット1本の無失点で抑えました。少し特徴的なアームアングルで、目先を変えるこうした投手の台頭はチームにとってもプラスに働くでしょう。

ただ、その後も慶大ペースは変わらず、4回表に廣瀬隆太選手のタイムリーなどで4点を追加。6回には山本晃大選手にホームランが飛び出します。東大も7回に1点を返しますが8回にさらに突き放され最終スコア16-2と大差がつきました。

慶應義塾大学はオープン戦の勝敗を見るとあまり内容が良くなかったのですが、打者陣がしっかりと本番に合わせてきたなと感じさせる2試合でした。3番廣瀬選手、4番下山選手、5番山本選手のクリーンナップはタイプの違う強打者3人が並ぶ形で穴が少なく、打の破壊力は昨年から継続してリーグ上位でしょう。

一方、投手陣は主戦を張らなくてはいけない橋本投手・増居投手が少し調整遅れに見えました。フォーシームのスピード面もそうですが、東大の打者陣から空振りをあまり奪えていません。9日の橋本投手が7回1三振5与四球、10日の増居投手が6回3三振6与四球という結果は、今後の試合に向けて不安要素です。逆に、課題を感じていた4年生以外の投手が光を見せました。3年生の浮橋幸太選手(富岡西②)、森下祐樹投手(米子東③)、外丸東眞投手(前橋育英①)がいずれも無失点ピッチング。調子によってはスターターを任される選手も出てくるかもしれません。

リーグ戦初登板の森下祐樹投手

東京大学は2試合続けて2桁失点、昨秋から続いて失点の多さが目立つ試合となってしまいました。開幕戦ではリリーフの3年生2人が四球で溜めたランナーを長打で返され、2試合目は初回で試合がほぼ決してしまいました。2日で25四死球は明らかに過多で、ゾーン内に投げる制球は必須でしょう。

打撃陣は慶大の先発2人に対しかなりコンタクトできたと感じています。三振の少なさもそうですし、外野フライが多く打力の向上を感じさせました。2日続けて初回に点が入ったというのもゲームを優位に進めるには絶対に必要なことで、今後の試合でも続けたいですね。2日で4盗塁と昨年強みになった走塁面は変わらず大きな武器で、三振を減らしたことによる走塁とのハイブリット効果が近いうちに出るのではないかと期待しています。

・慶大Daily MVP:山本晃大選手

この試合、6打数3安打1本塁打4打点と気を吐いた山本晃大選手。初戦でも2安打を放っていますが、この日は三塁打が出ればサイクルヒットという当たり様でした。

ホームランの山本晃大選手

大振りではなくシャープで速いスイングでボールにきっちりとコンタクトするスタイルですが、しっかりと打球角度をつけることも出来ています。オープン戦でも複数本ホームランを放っており、左の強打者として今年台頭する可能性は大いにあります。守備走塁面はまだ見切れていませんが、ソフトバンクに入団した正木智也選手の後を埋めるバッターとして期待です。

・東大Daily MVP:宮﨑湧選手

新チームでは副将を務め、2試合続けて3番に座った宮﨑湧選手。この日は3打数1安打2四球1盗塁、東大で唯一の長打となるツーベースを初回に放ちました。

2日間で5度出塁しており、犠打2つも決めるなど、非常にいやらしいバッターとなっています。逆方向へのツーベースは宮﨑選手本来の打力をよく表していると思いますし、今の調子をキープして常に得点に絡んでくる打者になってほしいですね。

防具のオレンジ色が丹青色のユニフォームとよく合っているので、そこにもぜひご注目ください笑


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