小学生の頃、女の子の描き方を教えてくれたあの子は元気だろうか?

藤本タツキ『さよなら絵梨』でくらってしまった。

『ルックバック』もヤバかったが今回もヤバかった。

小学校の頃の同級生の女の子を思い出す。
田舎の小学校で1クラス、30名ほど。
6年間、ずっと同じクラスメイトだった。

その女の子は、低学年の頃はおとなしい子だった。
小学3、4年は不登校でまともに学校へ来ていなかったと思う。
いじめなどはなかったと思う。
5年生の頃からの印象だ。
隣の席になった。横を見ると。
彼女は授業中に絵を描いていた。

私も絵は得意だった。
授業中、ドラゴンボールの下敷きを見ながら悟空を描いていた。
だが、彼女の絵を見て自分の自信は消し飛んだ。
めちゃくちゃ上手かった。
少女漫画の可愛い女の子の絵が描かれていた。

「上手いね。女の子のキラキラした目ってどうやって描くの?」と聞いたら。
手をバタバタ振って照れた様子で「ヤダヤダ上手くないよ。」と謙遜しながらも描き方を教えてくれた。
それから、私は授業中に女の子の絵を描いては休み時間に彼女に判定してもらう。という日々が続いた。

仲良くなると彼女は「将来、漫画家になりたい。」と教えてくれた。
いろんな会話をした。
彼女はお笑いも好きだった。
ダウンタウンが好きだった。
ガキ使の話をされたが、私は知らなかった。
「そんな遅くまで起きてるの?」と驚いた。

自由帳に漫画を描いて彼女に見せたりもした。
クラスメイトをネタにしたものだった。
優しいので笑ってくれてたと思う。

彼女の家に2回行ったこともある。
彼女と仲のいい女の子も一緒に。
1回目は、家を探検して遊んだ。家の人は誰もいなかった。
年の離れた兄と姉がいるという話は聞いていたが。
部屋は服や本やゴミが散乱していてお世辞にも綺麗と言えなかった。

2回目も3人で遊んだ。
その日も家には誰もいなかった。
クリスマスケーキを作って食べた。
トイレを借りた。
トイレの紙がトイレットペーパーではなく四角いちり紙だったことをいじると顔を真っ赤にしていた。

バレンタインは期待したが貰えなかった。

中学に上がり、クラスも同じにならなかったこともあり。
離れていった。

1度、中学校の公衆電話で彼女と友達(小学校の時遊んだ子とは違う)が何だかいかがわしい電話をしてるところに遭遇した。
彼女は私を見ると「ちょっと、電話変わってみる?」と声をかけてきた。
私が「何?怖い。嫌だよ。」と言うと笑っていた。

それが最後の会話だ。

高校を卒業して彼女がガソリンスタンドでアルバイトしているのを見た。

私が上京して数年経って戻ってきたときはガソリンスタンドはなくなっていた。

最近、彼女の家の前を車で通るがいつも雨戸が閉まっている。

恋愛感情はなかったが、なんか心に残っている人だ。


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