・秋の光波紋も魅せる深海魚 姫
私が日本一、と常々自慢している名古屋港水族館。
展示もさることながら、動物たちのパフォーマンスの多種多様さが凄い。
酒呑み句会の吟行で、涼しげな館内を目指すが、アプローチを歩くだけで、フラフラするほどの猛暑だ。
孫の就学前に行ったきり。
胸を躍らせながら、大水槽へ。
初めて観た時は、圧倒された。
今も飽きない迫力に、日本一の健在を確信する。
元祖イワシのトルネード。
その美しさに息を呑む。
ここではありとあらゆる海の魚が共生して、平和に暮らしている。
人間より遥かに利口だ。
イルカとベルーガ(白イルカ)のパフォーマンスが、同時刻にあるが、室内で行われる白イルカを選ぶ。
イルカは何度も観ているが、白イルカは初めてだ。
大きくて、白磁のような肌。背鰭がないので、背泳ぎが得意だ。無防備で腹を見せたまま泳いでいる。
ジャンプも拍手も水輪描きも、お辞儀だってできる。迫力あるショーを堪能させてくれた。
ゆっくり回ると、1日かかる。
駆け足で深海魚やウミガメを観た後、シャチのパフォーマンスを観る。
シャチは長年不在で、入手後、やっと練習を公開できるまでに。
海の王様とよばれる巨大な図体が繰り広げる、
全国唯一の大迫力ショーだ。
名古屋は金シャチの街。
シャチは守護神なのだ。
頑丈とはいえないシャチを訓練するのは至難の業らしい。
それでもジャンプやジョーズもどきなど驚くほどの演技を観せてくれた。
さてランチは?
別棟のフードコートへ。
名古屋めしがずらり。
海鮮丼やうどん、そばなどそれぞれ自由に注文する。
アルコールは2人のみ。
2階の無料休憩所で、作句、投句、選句、披講。
港の風景を眺めながら、いい気分で俳句三昧だ。
参加者5名、欠席投句2名。
館内限定の吟行なので、よく似た句が多い。
結局、欠席者の句が多数入選した。
次回は、紅葉の白鳥庭園。
連衆のレベルも少しずつ高くなり、ますます楽しみだ。
耳を裂くベルーガの声空澄めり
無防備なベルーガの腹秋うらら
白イルカ白磁の肌の冷ややかや
巨大シャチの大技小技秋涼し
秋の光アール群れなす名古屋港
妖精か悪魔か秋の深海魚
真鰯のトルネード終へ天空へ