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・ミシュランとうわさの町寿司十三夜  姫


街中の1等地で、気に入った店を見つけた。
この4月に開店した、栄にある中日ビルのテナント だ。

いつも夫の通院のついでに、外食することにしている。
前回、このビルに来た時は、眺めただけだ。

さて、立ち喰い寿司店は満席だが、入れても立ち続けるのはちょっとしんどい。

3階にネーミングが素敵な、江戸前寿司店を見つけた。

「すし宗達  東京」。
俵屋宗達は、国宝「風神雷神」で有名な、江戸時代の絵師である。
何と嬉しいことか。
高貴な芸術の香りと粋な風情とのコラボ…。

躊躇わずに入った。
カウンターの奥、大将の前に案内された。
弟子が5〜6人、キビキビと動いている。

東京・初台の本店が老朽化したので閉店し、名古屋へそのままのスタッフで進出したという。
まだ創業8年だが、都内で4店舗営み、ミシュランのグルマンも、ここ3年連続で認定されている。

そんなことも知らずに、一番手軽なお任せ握り6貫と巻き物1本、小鉢、味噌汁のコースを頼んだ。

何とタレは刷毛で塗った手渡し風だ。
シャリは岐阜の幻の米ハツシモ、ネタは豊洲と北部市場から。
酢は赤酢を使用している。

リーズナブルだが、素材や技術、もてなし、雰囲気のすべてが良質な、町寿司の理想を追求しているという。

小鉢はモズク酢。
寿司はカツオ、中トロ、赤貝、ホタテ、ヒラメ、コハダ。

夫は余りにも美味しいので、ゲソ、サンマ、穴子を追加した。

長女の友人の魚問屋はこの店と取引があるようだ。
市内にある、彼女の知り合いのグルマン寿司店は、1人20000円で1日8組。予約は難しいとのこと。

そんな話を大将として、旨いし、楽しいし…。
しかし、この店の系列店が、ミシュランとの話は全く出なかった。

そうか。
ミシュランをひけらかさないのだ。

そういえば、訪れた飲食店や宿がそうであることを、後で知ることが多い。
奥ゆかしい気がして、リピートしたくなるものだ。
もう回転寿司は卒業だ!


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