・金木犀香りの学者の友と嗅ぐ
我が家の金木犀の存在を忘れていた。
夏にバッサリ剪定したせいだ。
咲いたのかどうかも不明だ。
香りの研究者の友とランチ&美術館の途中、公園でこの木を見つけた。
かなりへたっていたが、最後のあがきか、匂いを放ってくれた。
嗅覚に自信はないが、嬉しかった。
ランチはお気に入りの「チャイナひめは菜」。
台湾焼きそばに、前菜2種、飲茶2種、デザートなどがつく。
美味しいが量が多い。
しかし、上品で個性豊かな味わい。
どの店とも異なる、凄腕の作品だ。
食後に注文する中国茶も飛びっきり。
ジャスミン茶をお願いしたが、香りと味は最高だ。
大満足の後は、大好きな桑山美術館へ。
館長夫妻と知り合ってから、展示替えの度にお邪魔している。
妻さんと3人でランチする予定だったが、
体調が悪いとのこと。
しかし、青い顔のまま急遽出迎えてくれた。
さらに、学芸員トークまで手配してくれた。
「茶道具にみる不易流行 桃山〜令和」と題して、12月3日まで展示している。
毎回ワクワクする内容だ。
不易流行とは、温故知新と同じように、古いものを大切にしながら、新しいものを取り入れることとか。
掛物では、梅原龍三郎筆の色紙「心」が目についた。画家は書も上手い。
野々村仁清、金重陶陽、加藤唐九郎、三輪休和、楽直入などの名が見られるが、東南アジアの名品も数多くある。
令和のものでは、加藤亮太郎の織部や志野を食い入るようにして見た。
というのも、彼の祖父である加藤卓男をご自宅で、取材させて頂いたことがあるからだ。
日本では珍しいラスター彩を手掛けて、話題になった。
孫の加藤亮太郎も、素晴らしい。
斬新な作風で惹きつける。
食器コーナーでは、金重陶陽、濱田庄司、北大路魯山人などが目の保養になった。
何とも贅沢な展覧会だ。
志野の白父子相伝や美術展
魯山人の皿に盛りたし下り鮎
織部茶わん凹凸がよし紅葉席
もみじ散る切支丹灯籠の隠れ庭