連中のひとりの巨星海に堕つ
また一人、酒呑み句会のメンバーが旅立った。
最年長の元芸大教授、商業デザインの専門家だ。
人柄も句風も温厚。
背筋の伸びた、ウオーキング好きの、健康的な
人だった。
中津川の「夜烏山荘」での1泊句会は、彼の提案だった。
やや高級な離れ形式。囲炉裏を囲んで、山菜料理を頂く趣向を、連中が気に入り、何度も訪れた。
あちらの岸での酒呑み句会、楽しみにしています。
安らかに眠ってください。
合掌
さて、今回の吟行は、名古屋市守山区にある「しだみ古墳群」へ。
66基の古墳のうち、7基が国の史跡に指定されている。
まずはミュージアムへ。
いきなり等身大の大塚古墳の王がお目見え。
ずんぐり馬に乗った王は、銀の甲冑や金のアクセサリーをつけて、太刀をかざしている。
今にも駆け出しそう。
ただただかっこいい。
古墳時代の大パノラマ図、さまざまな埴輪、金銀ガラスのアクセサリー、志段味古墳群のパノラマ図など、見どころが多い。
2階のテラスから竹藪を抜けると、古墳群が広がる。
ワクワク感、最高!
点在しているので、どこから攻めようかな?
古代のままの古墳、復元されたもの、どれも興味深い。
未整備の頃も含めて訪問は3度目だが、古代史が好きなので、めちゃ楽しい。
帆立貝式が半分だけ見られる古墳、忠実に復元した大塚古墳がおもしろい。
後者に登ってみた..
巨大木棺があり、周りには埴輪がずらり。
殉死を禁止するための埴輪。
古墳時代前期に確立したそうだ。
広大な敷地に、散らばる古墳群のアンサンブル。
柿の木もちらほら。
全てが穏やかな冬の日差しに包まれていた。
句会は、近くの中華料理店「桃李磎」の個室にて。
料理は美味しいわ、話は弾むわ、句は作ってないわ…。
てんやわんやの末、閉店間近に出ることに。
高蔵寺駅構内の喫茶店で、句会の続き。
4人でも充実したいい会だった。
句のレベルもますます上昇中だ。
次回は1月、徳川園近辺で。
竹の春足裏にやさし竹小径
干し柿は縄文人の置き土産
丸四角帆立貝型古墳冴ゆ
氏神の古墳と邂逅冬うらら
尾張王の眠る墳丘冬ざるる
氏神の統ぶ墳頂へ息白し
墳頂より古代の冬野一望す
大冬野はにわ千体散りばめて
墳頂に巨大木棺冬の光
木棺に殉死の匂ひ寒の紅