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PFFアワード2022受賞作品決定!

U-NEXT映画部の林です。今年も映画祭の季節がやってきました。もちろん、映画祭は一年中様々な場所で行われていますが、涼しくなったこの季節、思索に耽りやすい秋の開催が一番多い気がします。

U-NEXTではコロナ禍に入った2020年から、日本各地の映画祭を応援してきました。この2年半、リアル開催中止や規模縮小という憂き目に遭ってきた映画祭の火を灯し続けられるよう、オンライン開催のお手伝いをしています。

もちろん、映画祭は現地で味わうのが一番。ですが、コロナ禍でもあり、そもそも遠すぎたり様々な事情があって足を運べない方々もいる。そんな中、各実行委員が自信を持って揃えた作品群を届けることで、映画祭の存在価値を保つ一助になれたら、と思っています。

今月は、日本を代表する映画人の登竜門とも言うべき、ぴあフィルムフェスティバル(PFF)が開催されています。

「映画の新しい才能の発見と育成」をテーマに、44回目を迎えた世界最大級の自主映画の祭典です。U-NEXTでは昨年からサポートを始めました。

応募総数520本の中から選ばれた16本は、荒削りだけど、なんとも言えない力に溢れています。撮影も照明も美術も録音も俳優も心許ないところが多分に含まれているにもかかわらず、なぜかずっと画面を観続けてしまう。こなれきっていない、ナマっぽさゆえの、息遣い、生活、人生の伝わり方というか、映画の文法や体裁に則りきっていないからこその妙な説得感というか、正直、一体何が秀でているのかわからなくなる時があるのですが、でも明らかに「力」があるのです。

結果、PFFアワードは40有余年の間に多くの才能を輩出してきました。入選およびグランプリに輝いた監督には、森田芳光、黒沢清、塚本晋也、橋口亮輔、矢口史靖、李相日、タナダユキ、石井裕也、早川千絵ら、錚々たる面々が名を連ねます。

そして本年も、この系譜に連なる受賞作が昨日、発表されました。入選作全16作品をこちらにまとめています(2022年10月31日まで)ので、グランプリを筆頭に、ぜひ明日の日本映画の光を、ここから見出してください。

◆グランプリ
J005311 監督:河野宏紀

全てが正反対なふたりの男。世間から見捨てられた彼らの、奇妙な旅路の行きつく先は…


◆準グランプリ
◆観客賞

スケアリーフレンド 監督:峰尾 宝、髙橋直広

「つくる」ことのエネルギーに満ちあふれたファンタジーサスペンス


◆審査員特別賞

MAHOROBA 監督:鈴木竜也

苦しい時代、想像力と創造力でたどりつく理想郷とは…。鈴木竜也監督による短編アニメ


the Memory Lane 監督:宇治田 峻

世界は、大きな遊び場だ。宇治田峻監督がコロナ禍の青春を映し出す短編ドラマ


幽霊がいる家 監督:南 香好

幽霊と映画の結びつきが、優しくも野心的な映像美を生み出すショートムービー


◆エンタテインメント賞(ホリプロ賞)
水槽 監督:中里有希

男子生徒に惹かれた少女が雪景にきらめく“ガール・ミーツ・ボーイ”

◆映画ファン賞(ぴあニスト賞)
瀉血 監督:金子優太

兄の暴力に耐える高校生の少年の狂気と衝撃の復讐劇を描く


U-NEXTでは、過去の錚々たる入選作品アーカイブも見放題で配信しています。こちらもぜひ、お楽しみください。



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