【年末年始企画】「2023年 泣いた・笑った・驚いた!U-NEXT映画部の心に残った今年の映画:後編」
長いお休みのあとは「なに(映画)観た?」があいさつ代わりのU-NEXT映画部より、新年のお慶びを申し上げます。
辛いニュースが続いています。被害にあわれた皆さまが早く心穏やかな暮らしに戻れますように、すべての人に安全と平穏がおとずれますように、心からお祈りいたします。
私たちは今年も変わらずいい映画と映画ファンの皆さまをお繋ぎできるよう頑張っていきます。どうぞよろしくお願いいたします。
前回から引き続き、2023年にわれわれU-NEXT映画部の心に残った映画をご紹介してまいります。基本的には2023年に劇場公開された映画からセレクトし、ランキングではなくいくつかの鑑賞後感ごとに各自イチオシをピックアップ。
■2023年、私たちが「笑った!」映画
●林が笑った『自転車にのって』
「山形国際ムービーフェスティバルで出会った短編映画。荒削りながらコメディセンス抜群で、主演の今井慶さんの天才的なキャラクターに、妙にハマってしまいました。田中聡監督は衝撃作『うまれる』を撮った方で、信じられない振り幅。今後が楽しみです」(林)*U-NEXTで配信中
●君嶋が笑った『マッシブ・タレント』
「ニコラス・ケイジファンによる、ニコラス・ケイジファンのための、ニコラス・ケイジファンの映画です。彼のことが好きなら爆笑は間違いなし」(君嶋)*U-NEXTで配信中
●齊藤が笑った『逆転のトライアングル』
「ファッション業界やルッキズム、階級社会を痛烈に皮肉ったブラックコメディ。船内でのディナーシーンは忘れられません」(齋藤)*U-NEXTで配信中
●宮嶋が笑った『バービー』
「“女の子はそんなことしちゃダメ”“女性なんだからこうあるべき”と言われて育ってきた過程でのモヤモヤを明るく昇華してくれて、たくさんのユーモアで笑わせてくれて、エンタメにしてくれてありがとうっていう気持ちです。ラストシーンでバービーが履いてたビルケン、劇場にいったときちょうど同じの履いていたのがちょっと嬉しくて、セルライトがなんじゃーい!と意気揚々と闊歩して帰ってきました」(宮嶋)*U-NEXTで配信中
■2023年、私たちの「学びになった!」映画
●林が学んだ『アダマン号に乗って』
「パリのど真ん中、セーヌ川の上に浮かぶ素敵な船がデイケアセンターになっていて、精神疾患のある人々を毎日無料で迎え入れている。その事実だけで『?』と学びが多すぎて、このドキュメンタリーを観た後は『どんな組織なの?どんな活動なの?』と色々調べざるを得ない。説明をあまりしないこの映画の姿勢が、鑑賞者の学びを促すのです。日本のロングライド社が製作に携わって、ベルリン金熊賞を受賞したのも素晴らしいこと!」(林)
●君嶋が学んだ『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
「作品のクオリティは言わずもがな、ネイティブアメリカンと白人の歴史を改めて学ぼうと思えた傑作。アカデミー賞期待しています!」(君嶋)
●齊藤が学んだ『せかいのおきく』
「最下層の仕事に就く中次と矢亮が人々に蔑まれながらも、逞しく生きていく姿はとても美しく、心を打たれました。歴史の教科書でしか見たことのない当時の人々の暮らしも、いざ映像で観てみるとこんなにも質素で不便で、そんな中にも様々な工夫があったのだと痛感いたしました」(齋藤)*U-NEXTで配信中
●宮嶋が学んだ『福田村事件』
「不勉強で反省しきりなのですが、私、この映画以前は、関東大震災の時にこんなに凄惨で痛ましい事件があったこと自体を知らなかったのです。スクリーンから目をそらしてしまうくらい衝撃でした。これは村という社会の集団心理が暴走していく話ですが、現代でもかたちを変えてこういう現象は存在するし、特にソーシャルメディア上ではエコーチェンバーで先鋭化していくこともある。知らないことや知らない属性に対する恐怖心から保守的・排他的になっていくことは本当に怖いことで、ややもすれば自分も同じことをしてしまう可能性があると自覚すること、だからまずは“知ろう”“学ぼう”とする気持ちを意識的に持ち続けなければいけないという思いを強くしたことが、こんな恐ろしい悲劇を生まないためにこの映画が与えてくれた“学び”でした」(宮嶋)*U-NEXTで配信中
■2023年、各自が「これも〇〇だった!」映画(齋藤&宮嶋編)
●齊藤が待望だった!『食人族 4Kリマスター無修正完全版』
「伝説のゴア映画が4Kリマスターでついに復活!コンプライアンスの厳しい現代で無修正完全版を上映した配給会社に感謝です。単なるショッキングな映像だけの作品ではなく、“誰が食人族なのか”という痛烈な風刺を込めたメッセージにカルト映画たるゆえんを垣間見ました」(齋藤)*U-NEXTで配信中
●宮嶋が心動かされた『ティル』
「アメリカの公民権運動の大きなマイルストーンとなった出来事を映画化した作品です。理不尽な差別と抑圧にやり場のない怒りがわいてくるとともに、こういう差別構造自体は現代でもまだいろいろなところで存在するのではないか、まだ全然終わっていないし、現代で起きているさまざまな問題とも地続きなのではないかと気づかされます。非常に重要な作品だと思うので、ぜひ。いま劇場で観られます。ちなみに事件がおきたのは1955年、エメット・ティル反リンチ法が成立したのは2022年です」(宮嶋)
以上、私たちU-NEXT映画部が「笑った!」「学びになった!」映画+これらの枠におさまらない各自おススメ2本をお届けしました。
本当はここに書ききれないくらい、たくさんの素晴らしい映画との出会いがあった2023年でした。
2024年も、皆さまが素敵な映画ライフを過ごされますように。そしてU-NEXTがそのお役に立てますように。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
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