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「とても重い決断」~ラブレター~
秋から別の全国紙へ移る予定だったパートナーのウネリが、内定を辞退し、家族でしばらく福島に残ることにしました。本人がその理由「ウネリウネラ」に書いています。
難しい選択をしました。ウネリが背負うものがこれまで以上に重たくなっていることは、間近でその様子を見ていて明らかです。
ウネリは、一緒に過ごし始めた9年くらい前から「いつかふたりで取材して、ふたりで書くということができたらいい」と折にふれ私に語りかけてくれてました。
でも私は内心、そんな日が本当に来るのか半信半疑でした。むしろ「疑」のほうが大きかったと思います。
私は心身を病んで取材活動がほとんど不可能な状態でしたし、結婚当初のウネリは経済記者として寸暇を惜しんで働き、家には明け方の数時間、寝に帰ってくるだけ、ということもざらでした。
ところが子どもが生まれ、いよいよ私の健康状態が悪化すると、ウネリは自らそれまでの担当を離れ、家族とともに過ごせるかたちへと働き方を変えていきました。一応同じ会社にいた身として、ウネリの新たな働き方が、全体としてあまり好意的にとられないであろうことは、想像に難くありませんでした。その時期のことを思うと、今でも胃のあたりが酸っぱく感じられます。
それでも当時、少なからぬ同僚たちが理解を示してくれたことには、今も本当に感謝しています。
家族で食事をともにするといったささやかな日常を慈しみながら、私たちは私たちらしい暮らし方を少しずつ身につけてきました。それはけして固定的なものではなく、壊れやすく、絶えず変形を迫られるもの。それが今私たちの共有する「家族観」です。
ウネリはその後、過労死を主テーマに据え取材活動をするようになります。そこでのさまざまな出会いが、彼の価値観をさらに大きく変えていったように思えます。ウネリは人の「生」について真正面から悩み、もがき苦しみながら、7年の時間をかけて「過労死」(ポプラ社)という本を書きあげました。
その取材から得るものは私たちの人生を支えるかけがえのない要素であり、今後も続けて取材させていただけるよう、誠意を尽くしたいと思っています。
少し長くなってしまいました。
ウネリによる上記の「とても重い決断」というブログ記事は、私ウネラが即座にシェアをするのがためらわれました。本人が紹介するタイミングを待ちました。
大手新聞社に入らず、秋以降も福島に残ることを決めました。私にとっては重い決断でした。この先はどうなるか分かりませんが、家族が充実した日々を送れるように努力したいと思います。なぜ福島に残るのか、ブログに書きました。#ウネリウネラhttps://t.co/K0uvq0ZWXN
— 牧内昇平(記者・ライター) (@makiuchi_shohei) September 3, 2020
この記事を何度も読み込むと、これは一生に一度のラブレターなのかなと思えてきます(本人には伝えていませんが)。勝手にそう思い込んでおきます。
これまでよりは何かと苦労していく道を選んだので、みなさんにはこれまで以上にお世話になります。どうか、いろいろ教えてください。
今後もよろしくお願いいたします。
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