.(period)
「最期の、夏だね。」と。
ちいさく笑うA子の声は舌に乗せたキャラメルに溶け混じり、ほろ甘く、柔らかく、空気を濡らして伝播する。
「なんだい、オオゲサダナァー。」と。
笑い返すB子の声はソーダポップと共に弾けて、明瞭に、爽快に、梅雨空を蹴飛ばして直進する。「ウチらまだ、二年生じゃん。」
「そうだけど、」とA子は笑う。そうだよ、そうだけれども、違うんだよ。と。ちいさく笑う。ちいさく話す。
C公園の東屋、石造りの椅子に腰かけて、少女たちが季節を浪費する。
甘酸いクリームを挟んだウエ