第3章 ビジネス英語力向上のために その16) 他国の英語事情 : ノン・ネイティブの中でずば抜けて英語の上手な国

メールなどの文章も同じですが、会話も応用、つまり人が使っている有用な言い回しを覚えて自分でも使えるようにすることを繰り返していくと良いと思います。
リアルタイム性の高い、つまり臨機応変な対応が必要な会話、特にビジネスでの交渉の際のやり取り等は更に“慣れ”が必要で、もうこれは回数を多くこなすしかないです。
 
仕事及び仕事関係を通じていかに会話の回数を増やしていくかは、自分で積極的に機会を求めていくしかないでしょう。
恥ずかしがっていたり、気後れしているとなかなかチャンスを活かす事は難しいです。
引っ込み思案な方はこれをきっかけに自分の性格も少し変えていく、くらいの気持ちで取り組んだ方が良いかもしれませんね。
 
実際に言語が変わると話している人の印象も異なることがあります。
ボクの元同僚の韓国の女性の例ですが、英語で話すときはハキハキしており少しキツい印象の女性が、韓国人のスタッフと母国語で話すときはゆっくりと柔和な感じで話すので、ある時
“ I am impressed that you speak very softly to talk to your colleagues in Korean.”
(韓国語だとずいぶん印象が変わるね。)
と訊いて見ると
“ Maybe so. I am not aware by myself.”
(そう言われればそうかも知れない。自分では意識していないんだけど。)
とのことでした。
 
英語の場合、日本語に比べるとあいまいな表現が少ないので、話し方自体も多少変わる(個人差はあるでしょうが)ことがあるのかも知れません。
自分を気の弱い方だと思っている方は、ビジネス英語のトレーニングを始めることでより積極的になれるのではないでしょうか。
少しづつでも結果を出していけば自信も出てきますしね。
 
後述しますが、仕事以外の面でも大げさに言えば異文化交流が行われるわけで、海外の色々な国の人と交流することはとても楽しいことでもあるのです。
 
“慣れ”と言いましたが、実はボクも今だにアジアやフランスの同僚等ノン・ネイティブの人たちとは電話の出だしではいまだにギクシャクします。
お互い顔が見えているとそうでもないのですが、電話だとなぜか同時にHelloとか、How are you ?とか言ったりしますね。
母国語ではないので、上手く『間』が取れないのかなと思います。
 
ところで、ノン・ネイティブの中でどの国の人が英会話が上手だと思いますか?

日本人は英会話が苦手なことは自他共に認めるところで、やはりアルファベットを使わない東洋の国より西洋の国の方が有利と言えば有利ですが、ボクの経験上ではその中でもオランダがかなり他の国を引き離して上手です。
 
ヨーロッパの国々では街中で道を尋ねたりすると英語で相手をしてくれる人は半分程度でしょうか。
ドイツやスイスでショッピングや列車のチケット購入等で英語が通じずに困ったことがあります。
 
うちの会社を例に取ると、やはり外資系ですのでどこの支社でも各部門のマネージャークラスは英会話は出来ますが(その中でも上手、下手はありますが)一般的な職員は出来ない人の方が多いことが通常です。
例えばフランス本社でも工場のマネージャーは英語が話せても、生産ラインの人等はフランス語しか話しません。
 
ところがオランダの支社を訪れた時には倉庫業務の一般社員まで皆英会話ができるのでびっくりしたことがあります。
 
どうしてなのか理由を尋ねたところ、オランダでは(今は分かりませんが2-30年前)アニメーションの番組はほとんどがイギリスやアメリカからのものをそのまま翻訳せずに放送しており、当然子供はアニメが好きで見ますから、幼いころから大体皆英会話に慣れているということでした。
これが翻訳のコストの削減のためなのか、英語教育の一環なのかは分かりませんが、結果からすると大成功のようです。
 
半世紀ほど前の話で恐縮ですが、ボクが就学前の頃も「ポパイ」とかのアニメや「名犬ラッシー」等のアメリカの番組が多数放送されていたので、あれが英語のまま(字幕でも)放送されていたら、我々の年代の英会話力はかなりのものになっていたかも知れませんね。
 
現在においても学校で集団で英語の授業をするならば、子供が既にストーリーを知っているアニメ(ディズニーの名作など)を原作バージョンで見せるというのは有効ではないかと思います。
時々重要なフレーズを解説したり、皆で発音して見るという様な授業を毎日30分続ければリスニングのトレーニングとしての効果は大きいと思います。

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