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第3章 ビジネス英語力向上のために その27)文章作成能力向上のために の1)
仕事で英語を読み書き場面は色々とありますが、圧倒的に多いのはメールだと思います。
読むことでは、プレゼンテーションやビジネス文書に接する機会は多いと思いますが、自分で書くというシーンはやはりメールが多いですね。
これは英語に限らずですが、業務上ひとりひとりにPCが会社から支給されるようになったのが30年ぐらい前でしょうか。
その頃から電話で取っていた連絡でも緊急でないもの、大勢に連絡したいこと(昔は「連絡票」という書類にして回覧していました)はメールで行うようになりました。
特に海外との通信は前述したようにFaxやTelexで行っていたものがほぼ全てメールになりましたね。
少し前までは専用の機会でやっていたWeb会議やSkype等で海外との会議や音声通信の方法も変わってきました。
今はteamsとかZoomですよね。
この辺りはコロナで在宅ワークが多くなったことも普及を促進させているのだとは思いますが。
メールの作法は日本語と英語で大きく変わる訳ではありません。
ですので、会話と同じくメールは慣れるまではとにかく書いてみることが大切です。
平易な表現でも良いので(むしろその方が良いことが多いです)、辞書や翻訳ソフトに頼らずに出来るだけ自分の力で書き上げてみるようにしましょう。
その後気になるところはスペルチェックとあわせて最後に修正するようにした方が良いと思います。
AI、翻訳ソフトは確かに便利ですが、それを頼りに日本語を直訳していく手法だと結果的に通じないことが多く、自分のビジネス英語力の向上になりません。
日本語で柔軟に考える力を磨き、色々な表現が出来るようになることが、より相手に通じる英語の文章を書く力になるのです。
英文を読む場合は、特に急いで大意を把握したい場合などは便利ですが、特に初期の場合は、ある程度時間をかけて丁寧に読まないと、ネイティブの慣用的な表現などを覚える機会を逸することになると思います。
翻訳ソフトの使い方に関しては色々と思うところがあるので、ここでは割愛して、後段で考えてみたいと思います。
英文でのメールの場合は日本語のビジネス文書と比べて冒頭のあいさつ(「お世話になります」や時節のあいさつ)は基本的にはなく、” Hello “, “ Dear “で後はいきなり要件に入ることが普通です。社内の知り合いには” Hi “で始まることも少なくありません。
“ I hope this email finds you are fine.” という始め方もあります。
意味としては「お元気でしょうか。」程度ですかね。(直訳すると「このメールがあなたが元気であることを見つけてくれることを望みます」ですが)
英文メールのひとつ特徴といえば、メールの最後に ”Best regards”と(手紙の場合は” Yours”とか” Sincerely” と書くこともありますね。
まあ、訳すと「親愛なる」とか「心をこめて」とかになるのでしょう)書いてから自分の名前を書くことですかね。
日本語では手紙やビジネスレターでは「拝啓」に始まり「敬具」や「草々」で終わりますが、メールではビジネスの場合でも「拝啓」「敬具」はないですよね。
“ Hi “で始めるような近しい間では最後も” Best regards “ではなくて “ Cheers (乾杯)“で結ぶ人も多いですね。
最も初めてメールを出す相手に対しては(相手の名前を書いた後に)” Let me introduce myself, my name is … “とすれば良いでしょうし、更に要件を明確にするために、“ I am writing to you to ( ask, tellなど) …”とする書き方もあります。
これなどはとても英語的な表現ですが日本語だと「…の件でご連絡差し上げます(させて頂きます)」となりますかね。
対外的に初めての相手の場合や、丁寧に切り出したい場合は例えば” Greetings from …(場所)“とすれば「…よりご挨拶申し上げます。」ということになり、こちらの気持ちも伝わりやすくなると思います。
大体いきなりメールいうことは余りなく(なくはないですが)ビジネスショーやどこかで一度会っている人にメールすることが多いので、その場合はほぼ定型文で “It was nice to meet you at ….”とします。
もう少し婉曲的に行く場合は” I hope you remember we have met at …”という書き方もありますね。
まあ、日本語(いつもお世話になっております)と比べると定型的ではないので、自分なりの書き方でも失礼にあたることは英語の場合はまずないと思います。
英文のビジネスメールの場合、このように書き出しと結びはある意味定型的ですが、それ以外は要件のみです。
内容がきちんと相手に伝わるように、シンプルな表現を心がけましょう。
これを、日本語でのメールをそのまま「いつもお世話になっております」で始めて翻訳ソフトにかけたりすると
“Thank you for your continued support.”
と直訳されてしまい、
えぇと…このヒトに何かしてあげたっけ?と相手が若干混乱することが無くもないと思います。
日本語の挨拶や婉曲的な表現は直訳してもあまり意味のないことなので、英文でのメールの場合は避けた方が良いのです。
(まあ、これも翻訳ソフトを特に和文→英文の場合使わない方が良い理由の一つなのですがね)