第3章 ビジネス英語力向上のために その11) スピーキング(話す)ためのトレーニングとリスニング能力(会話力)のチェックには英会話学校は有効

では今週からはスピーキング(話す)のトレーニングについて。
 
ビジネスにおいて「英語で話す」場合というと、同僚との会話に始まり、部署内での小規模なミーティングから、もっと大きな社内での会議、その会議におけるプレゼンターを務める場合、顧客との折衝など様々な状況があります。
 
同僚とのおしゃべりと、数百人を前にしてのプレゼンや、プロジェクト、予算などで会社のトップを相手にしたディベートではそのレベルはかなりの差があります。
 
後者になると、日本語においても難易度が高いことを英語で行うわけですから、それまでのOJTを経た経験をかなり積まなければなりません。
 
最終的に目指すのはそのレベルとしても、まずは部署内及び本社・支社間でも同僚とのミーティングが出来るレベル、TOEICのスコアで行くと700点程度を目指してリスニングと並行してのトレーニングが有効だと思います。
 
リスニングのトレーニングの素材のキー・センテンスは何度も口に出して、丸ごと覚える事も有効です。
これは発音やイントネーションの訓練にもなりますし、良く使われる慣用的なフレーズを覚える事にもなります。
 
ただリスニングは一人でトレーニングできますが、誰かと会話する機会はなかなか持ちづらいことも確かです。
会話とは(当たり前ですが)双方向のしかも基本的にはリアルタイムでの(いちいち返答するのにこちらが考え込んでいたら、会話のテンポがおかしくなってスムーズなコミュニケーションは成立しづらいですよね)やり取りなので、考えた事が(比較的)直ぐに英語になって口に出せるようにならないといけません。
 
これも慣れてくると慣用的な言い回しは考えなくても口から出るようになり、その間に話す内容を考えたり出来る様になってくるのですが、これはOJTを積み重ねての、高度なテクニックの部類になりますね。
 
また、実際の会話の中で相手の話す事を聴くことでリスニングの能力も向上します。
 
話すトレーニングとしては、まずはリスニングのトレーニングで覚えた表現やイディオム等を実際に仕事などの会話で使って見る事が第一歩です。
 
実際には多くの場合、耳で覚えたフレーズを単に繰り返すだけでは会話は成立しません。
基本となる文章やフレーズを軸に、主語、動詞、形容詞等の語彙を臨機応変に組み合わせながら話すことはクリエイティブな作業であり、それをリアルタイムで行うためには、そのためのトレーニングが必要です。
 
また、英語には日本語にない発音がありますしね(f, v, thなど)。
これらの発音を(ノン・ネイティブの場合、ある程度となるのはやむを得ないですが)スムーズに行うにはやはりトレーニングが必要です。
 
なので、ここはコストがかかりますが、英会話学校に通うことはとても有効な手段だと思います。
毎日自分でリスニングのトレーニングをやっているのであれば、そこで覚えたフレーズを使ったり、それに対してテキストにはない言い方で返事が来たりと会話の実力アップにかなり役立つと思います。
 
ただし、ここで気をつけたいのは、あくまで自分が話すこととリアルタイムの聴き取りを主とした会話のトレーニングのために補完的に使うということです。
週1~2回(一回1時間程度でしょうか)例えマンツーマンでその時間は英語漬けだったとしても、英会話学校に通うだけではビジネスレベルの英語力(この場合は英会話に比重がありますが)に到達することは難しいです。
 
楽器だって自宅であまり個人練習せずに、通っている教室で弾くだけではほとんど上達しないのと同じです。
 
毎日のリスニングのトレーニングを軸に、英会話学校などを利用してスピーキングのトレーニングも並行して進めること、またそれを積極的に日常の業務に使っていくことでビジネス英語力の中の会話力を実践的に高めていくことができます。
 
最初の頃は多少考え考え話すことになって、多少会話に時間がかかっても、同僚(支社間のコミュニケーションでも相手が同じ程度の立場の人)であればそれが問題になることはありません。
 
ボクの経験からしても、大体の場合会話する相手もネイティブではないことも少なくないので、こちらが英会話トレーニングの途上であることは理解してもらえます。
 
ビジネス上のコミュニケーションは伝える内容がしっかりしていれば大丈夫なので、遠慮せずに(まあ、どうしても気にはなりますけどね)話す内容(と相手の話)に集中しましょう。
 
海外支社の人とはミーティング(ネットミーティングでも)で顔を合わせ、同じ業務の人たちと個別にコミュニケーションをとる機会もあるので、メールやチャット以外でも直接会話してみることが良いOJTとなります。

いいなと思ったら応援しよう!