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第3章 ビジネス英語力向上のために その18) 英語を話す場合、日本語の柔軟性が大切
前回例として出したhumidity(湿度)に限らす、一度ビジネスシーンなどで出くわした知らない単語(やイディオム)はまた出会う可能性は高いので、必ず覚えるようにするとビジネス英会話力の向上を効率良く行えると思います。
もっとも中高の6年間で単語帳を作って覚えた単語で一度も出会わないものも多いですがね。
“abandon”とか一回もお目にかかったことはないし(”abandon”は昔の受験生の必須アイテムだった英語基本単語集(通称『豆単』)がアルファベット順の構成だったので一番最初にあって、ボクのような勤勉でない学生も必ず覚えた単語)
さて、まず英会話の習得のためにはリスニングのトレーニングから始めることが良いと説明しました。
それは” good to start “と言うことであって、ビジネスで話すためのトレーニングはまた別途必要です。
会話には英語に限らずリアルタイム性、テンポが大切な要素のひとつです。
そのためには、まず先週説明した第一段階がスキップできることは必須条件です。
ここをクリアするためには、最初に頭に浮かんだ日本語(及び日本語的表現)にこだわらないことが大切です。
日本語と英語では文の構造も違いますし、日本語的な表現はそのまま英語的表現にそぐわない事も多いと言うか、むしろ日本語そのまま直訳の英語では相手に通じることの方が少ないと思います。
最初の頃は自分の言いたいことの5~6割を英語に出来ればOKという柔軟性が必要でしょう。
その上で、第二段階の変換をいかにスムーズに行えるかを訓練することが必要です。
実はそのためには日本語の語彙と表現の柔軟性が一番重要なのです。
我々は今更英語のネイティブになれるわけではないですし、あくまで日本語をベースにする人間が外国語である英語で意思の疎通を行うわけで、英語のボキャブラリーももちろん重要ですが、同程度、若しくはそれ以上に日本語の柔軟性とボキャブラリーが重要です。
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頭の中のこの作業で時間がかかったり、結局伝えることをあきらめたりすることを改善しないとビジネスで利用できるレベルの英会話力は身につきません
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日本語の柔軟性がとても大切です。ビジネスの場合、言語を問わず難しい表現は必要ありません。
例えば「普及する」と言いたい場合、” prevalent “, “ diffuse ( diffusion ) “, “ spread ( out ) “とかの単語を知らなくても「(それが)普通、通常」という意味で話したいのであれば “ common “を使えば( It will be common「それが普通(一般的)になる」等の言い方で)良いですし、” Popular “と言っても多少ニュアンスは違っても、ほぼ同じということで十分通じると思います。
最初に頭に浮かんだ日本語(単語)にこだわらず、(できるだけ)近い意味で自分が英語に変換しやすい言葉に置き換える、その作業がいかに早く行えるようになるか、つまり日本語の柔軟性が大事なのです。
OJTを通じてこの経験を積むことで、並行して積み上げてきた定型的な英語の表現と合わせて、「自分の伝えたいことが平易な日本語で」組み立てらるようになり、色々な業務を行う中でスムーズな英会話が実践できるようになります。