第3章ビジネス英語力向上のために その1)
ここまでの2章では「ビジネス英語力」取得のために、どこに目標をおくかということと、そのための心構えを説明してきました。
この後は
- 目標達成ためには何をするべきか
- 達成度の確認(結果としてどういう感じでステップアップしていくのか)
ということを中心にお伝えして行こうと思います。
基本的には、ビジネスのために英語でコミュニケーションをとる必要がある、もしくは取れるようになりたい方を対象にしています。
今の生活を変えずに、コストも極力かけず、ビジネスにおけるコミュニケーションのために十分に役に立つ英語力を身につけることは可能です。
僕がそうでした。学校での英語は決して得意ではなかったのですが。
ビジネスにおける英語でのコミュニケーション力=ビジネス英語力とは:
英語を用いた実践的なコミュニケーション能力
= 英会話力
+ 英文の読解力/文章作成力
+ 日本語(母国語)力
+ その人の持つ総合的な力(性格、専門知識、一般的な教養、等)
と定義したいと思います。
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最後の項目は前回スパイダーグラフの左側で示しましたが、「英語」とは直接関係なくとも「『海外の人とのコミュニケーション』をより円滑に行う」ためには必要な力なのです。
以上をOJTによる経験(外国人とのコミュニケーション、交渉)で高めていくのです。
会話と読み書きの力と言うのは分かるけど、それ以外は一見英語とは無関係に見えますよね。
ですが、実際にはビジネスにおけるコミュニケーション能力とはその人の総合的な力なのです。
英会話力と文章作成/読解力はビジネスのためのツールとしての英語力で、あくまでも自分の言いたいことを伝えるための、及び相手が言っていること、書かれていることを理解するための技術でしかありません。
特に会話力は成人してからの日本に居ながらのトレーニングなので、ネイティブに近いレベルに到達することは基本的には難しいことです。
ですので、ある一定のレベルの技術(英会話力と読解力/文章力)を身につけ、更に自分の特性とうまく組み合わせていくことが最善の方法だと思います。
そして、業務を進める上で外国の人との英語でコミュニケーションの経験を積むことでその能力を高めていくことになります。
前回AI翻訳のことを書きましたが、今回はシメにその真逆のような以前の職場の後輩のお話を。
彼は当時まだ英会話の修行中のボクやから見ても英語力自体はかなり劣るヒトで、常々「英語は苦手です」と言っていたのですが、我々の部署は業務上海外の支社との打ち合わせは必須。
毎回苦労しながら製品説明などをするのですが、こちらの心配をヨソに意外なほど話が上手く伝わるのです。(ま、時々手伝ったりはしましたけど)
英会話自体はとてもタドタドしいものなのですが、一生懸命伝えようとするその姿勢が相手にも通じる様で、周囲からは「真心の英会話」と呼ばれていました。
技術力としての英会話力は乏しくても、誠実さと熱意(人柄)、商品知識などで総合的には上手くコミュニケーションできているという良い例だと思います。
AIは「真心」と対極かと言うことはまた別の議論になるのかも知れませんがね。