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第3章 ビジネス英語力向上のために その19) 英語を話す=英語で意思を伝える/説明する

ビジネスで英語を話す場合、自分の日本語と英語のボキャブラリーの差があることもありますが、まず日本語で表現を柔軟に考えてみる方が上手くいくことが多いと思います。
 
何かを説明する時など、英語の定型的な表現で話し始めながら、その間に頭の中で話すことを考えつつ、英語で組み立てていくのですが、その場合に頭の中では出来るだけ平易な(英訳しやすい)日本語で考える習性を付けるという事です。
 
ボクはしばしば社内の打ち合わせや顧客に依頼されて(海外出張時など)通訳をすることが有ります。
会議の場合は、相手が海外の人の場合でもお構いなしに、というか相手が日本人でないために緊張することもあってか、普段より固い日本語で発言される方も少なくないです。
そんなコテコテの日本語をリアルタイムで意味のある英語に変換していくかという事はなかなか難易度の高い作業で、後年自分でプレゼンを行ったり会議を主導するためのOJTとしてはとても良い訓練となりました。
 
ビジネスの場合は一言一句正確に訳す必要はなく、大意が伝わればよいケースが大半なので(まあ、状況にもよりますが)、日本語話者の発言に対して、英訳する前に訳しやすいように、また相手に伝わりやすいように変換や補足、省略を行います。
 
例えば、会議中に以下の発言があり、通訳しなければならないとします。
「この新製品が投入されたあかつきには我々が市場シェア首位を奪還する蓋然性は高い」
“When this new product will be launched, it is high probability that we will recapture the top share in the market. “
まあ、一応訳すとこんな感じになると思いますが、これを直訳にこだわると『投入?』、『あかつき?』、『奪還?』、『蓋然性?』と直ぐには出てこない英単語のオンパレードになってしまいますよね。
 
ですので、こんな硬い日本語は英訳し易い様に以下の様に変更します。
「この新製品が出される時に我々の市場シェアが首位に戻る可能性は高い」
これならば意味はほぼ同じで比較的簡単に訳せますよね。
“When this new product is available, it is good possibility that we will come back to the top share in the market.”
こんな感じです。

Fig 30)
通訳する場合もいきなり直訳せずにまず日本語をほぐす作業を行う
Fog 31)
英訳しやすいという事は相手にも伝わりやすいという事です

また最初の部分は英語の簡単さからすると「我々がこの新製品を得るときに」
“When we will have this new product …”とした方がより良いかも知れません。
have, get take等の動詞は幅広い意味を持つので、非常に使い勝手が良く、そのものずばりの英単語が出てこないとき等に非常に重宝します。
 
この辺のプロセスをスキップしたり、素早く行うことができるようになれば、英語での会話がかなりスムーズに行えるようになると思います。
 
そのためには常に平易な日本語で考えることと、今まで覚えた英語の表現で適切なものをより素早く口に出せるようにする、そのためのトレーニングを行うということです。
具体的にはできるだけ沢山英語での言い方を考える時間を持つということですね。
 
そのために有効なのは、普段から折に触れて「これは英語ではどういえば良いのだろう」と考える習慣を持つことです。
TVを見ている時にニュースやドラマの中で話されることで気になる言葉や表現、セリフなどを英語にしてみることはとても良い訓練になります。
 
その場合、大切なのは直訳にはこだわらずというか、むしろ直訳はせずに、自分なりに日本語で話される大体の内容を英語にしてみる、そのトレーニングをするということです。

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