第3章 ビジネス英語力向上のために その17) 英語を話す=英語で意思を伝える/説明する

さて、一年以上リスニングのトレーニングを続けると、当然ながら色々な表現も覚えてきます。
平行して英会話学校に通っている人は、聞きなおしたり、話すときにいちいち考えてつっかかったりという回数が減って、徐々に会話のテンポが良くなってくることを実感できる頃でもあります。
 
実際に業務上でもある程度英語でのコミュニケーションが、今までよりスムーズに行えるようにもなっているでしょう。
 
定型的な表現や日常的なやりとり、例えば、レストランでのオーダー、ホテルや空港でのチェックイン、自己紹介等、基本的な言い方を覚えて自分から何かを相手に伝えることが出来る様になっている、つまり伝達の初歩レベルに到達したということですね。
 
この段階ではまだ何かを英語で話す時には、まず頭の中に日本語が浮かび、それを英作文する(これは実はいつまで経ってもそうなのですが、上達するにつれて色々な表現を覚え、また話し方の応用が利くようになるので日本語から英語への変換時間が短くなったり、定型的な表現の際に時間を要さなくなるのです)という状態です。
 
手順としては下記の3段階ですね:
伝えたいこと(文章)が日本語で頭に浮かぶ → 頭の中で英語に翻訳 → 英語で(発音し)伝える。
 
初歩の段階では、ここで時間がかかってしまうので会話がスムーズに行かない(あるいは成立しない)ということになりがちです。
 
例えば、夏の暑い日にあなたがハンカチで汗を拭いているのを相手が見ているので「今日は湿度が高いですね」と言いたいのに、特にキーとなる“humid(湿度)”という英単語が出てこない場合、何も言わないよりは、
” I am very sweating.”
とか、少し変な言い回しでも、例えば
” Today is hot and not dry .“
とでも言った方が良いわけです。

Fig 25)

 

Fig 26)

 

Fig 27)

すると相手が
“Yes, today is very humid.”
とか
“Certainly, humidity is very high today.”
とか言ってくれるので、
 
あー、そうだった、”humidity, humidity.”っと、覚えとかなきゃ。
とか思いつつ次からは使えるようにする、こういう感じで実際の会話を繰り返すことで語彙も増えて英会話も上達していくことになります。
 
まあ、いい加減なボクなどは覚えたつもりでもすぐに忘れるので、次また同じシチュエーションになっても、「あれ?『湿度』ってなんだったっけ?」とかなるンですけどね。
多くの方はきちんと単語帳を作って効率良く語彙を増やすのだと思います。
 
この状態をもう少し細かく分析して見ると、大体の場合、自分の考えていることを英語の文章で口にするまでに下記の三段階を踏んでいることになります。
第一段階:伝えたいことが日本語で頭に浮かぶ → 頭の中で英語に翻訳しようとする → そのままでは無理と判断 → 何も言えない
第二段階:その他の日本語表現を頭の中で検索開始 → 同時に(今頭の中で検索している日本語表現に近い)自分の知っている英単語(表現)を頭の中で検索開始
第三段階:適当なマッチングで第二段階を終える → 英語を口に出して伝える
 
ビジネスの場合はもう少し複雑な文章をリアルタイムで組み立てていく事になります。
 
業務上社内や顧客と交渉する場合などはいわゆる丁々発止のやり取りになります。
こちらの主張を伝える際には相手がこちらの話をどう受け止めているか、相手からのカウンター・プロポーザルにその場でどう対応するか(もしくは一部を持ち帰るか)などは日本語でも比較的高度な能力(と経験)が必要ですが、それを英語でかつリアルタイムで(メールの場合は時間をかけて考えることもできますからね)行うには日常会話レベル以上の英語のスピーキングの能力も要求されます。
 
では次回より、その能力をどのように積み上げていくかということについて。

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