第3章 ビジネス英語力向上のために その8) 英会話力向上のためにはリスニング中心の訓練を習慣に。まず2年が目処の理由
会議などでも相手の話すことが半分以上は聞き取れて、日常会話に不自由しない程度のリスニング能力(TOEICで700点)であれば、海外での生活の半年をめどにすれば良いかと思います。
僕自身はそのような経験がないので、他の方の例ですが、日経の“私の履歴書”で読んだ話で、テンプスタッフを創業された篠原欣子さんが高校卒業後、しばらく働いた後、日本からイギリスの英会話学校に入り、日常会話に不自由しなくなるのに半年かかったとありました(その後ビジネス英会話のために別の学校に移られたそうです)。
篠原さんの場合、1日最低8時間はリスニングのトレーニングをされたとして(学校生活及び日常生活も含めて)、半年で約1,440時間費やしたことになります。
それを自力で日本でやるのは1日2時間としても単純計算で約2年かかることになります。
勿論個人差もありますし、集中力や毎日のトレーニングに対する時間の掛け方で短縮を図ることは可能でしょう。
また、その過程でテキストから色々な表現も覚えられるはずです。
ボク自身もリスニングのトレーニングを始めてから2年くらいでTOEIC700点(これは正式な試験ではなく、当時通っていた英会話学校での模試の結果ですが)になりました。
結局リスニングの力も短期間には向上しないわけで、まずは2年間、厳しいようですが特に最初の1年はあまり成果が感じられないかも知れないという覚悟は必要です。
当初はかなりの期間に渡って、毎日何を言っているのか良くわからないことを聞き続けるわけですから忍耐力がいることは確かです。
勿論英語の発音の後、日本語の解説が入る(NHKの番組の場合)、ので全く何も分からないということはないのですが、毎日のプログラムは大体まず英語から入るので、そこを最初からテキストを見ずにある程度聞き取れるようになるには時間がかかるということです。
要はそこを抜け出して、ある程度聞き取れるようになるにはどれだけかかりそうか、予めある程度判っていれば、そこまでがんばろうと言う気になるのではないかと思います。
勿論個人差はあると思いますが2年は必要だと思っていた方が良いでしょう。
でもここまでくればTOEICでは600 ~ 700点程度になっているはずなので、業務でも英語を使うことに手ごたえを感じ始めているはずです。
「2年って長いなぁ。」と思われた方、確かにそうですが、仕事をしていて、大きな節目(プロジェクトの終わり、昇進、転勤、転職、結婚など)がない限り、後から振り返ると2年と言うのは比較的短い時間です。
むしろ、仕事の上ではここ2年同じようなことの繰り返しで大きな変化は無かったと言うことも多いのではないでしょうか。
その2年で英語力に見違えるような進歩がおきるとすれば、大変でもやってみる価値は大きいと思います。
仮にあなたが40歳だとして、今から始めても決して遅くはないと思います。
42歳までにTOEICで700点になり、英語を仕事に生かせるようになる訳です。
それから先の社会人の生活を考えると決して長い時間ではないと思います。
ボクの同僚の韓国の人で、同年代でかなり親しい間柄だった人が50を過ぎた頃に香港のアジア・パシフィックの拠点に転勤したことがあります。
実は彼はそこまで英会話が上手ではなく(会話も良く言よどんだり、明らかな文法的な間違いも多かった)、香港に行ったら周囲とは英語しか話さないので苦労するのでは、と密かに心配していました。
ところがそれから1年くらいして香港の会議で会った時に英会話がとても流暢になっていたことに驚かされました。
50歳を過ぎてからもトレーニングの結果(まあ、彼の場合は環境が劇的に変わったのですが)英会話の能力は向上するのです。