第3章 ビジネス英語力向上のために その14) 会話はinteractive(双方向)、応答は臨機応変に
会話の場合に留意しておかなければいけないことは、相手の返事は予測できないという事です。
あなたがラジオ講座やCDで学んだ表現を使って何かを伝えた場合、相手の応答はCD等で聴く表現と同じではないことの方が多いと思っていた方が良いです。
ですので、リスニングのトレーニングは一人でもできるとは言いましたが、それはリスニング能力をつけるための基本的なトレーニングであり、実際の会話では聞き慣れない表現や単語が相手の口から出てくることも多いので、それに対応できる力をつけるためには相手の居る会話のトレーニングが必要です。
例えば簡単な例で、あなたが相手に謝意を表して”Thank you”といった場合、相手から返ってくるのは代表的なものだけでも以下の応答があります。
“You are welcome.”
“Anytime.”
“Not at all.“
“My pleasure. “
“Don’t mention it. “
教科書には“You are welcome.”程度しか載っていないと思いますが(この表現も英語的なもので、「あなたは歓迎されています。」を意訳して「どういたしまして。」となるわけですね)、
“Anytime.”「いつでもどうぞ。」、
“Not at all.“「いやいや、全然大したことではありません。」、
“My pleasure.“(あなたに感謝される言動をすることは)「私の喜びとするところです。」
“Don’t mention it. “「いやいや、そんな事はおっしゃらないでください。」
以上全て”Thank you.”に対しては「どういたしまして」という意味になります。
勿論ニュアンスはそれぞれ違うわけで、“Anytime.”や“Not at all.“はややフレンドリーな感じがしますし、“My pleasure.“なんてちょっと気障な感じですよね。
男性なら、女性をエスコートする時などに使って見たいですね。
“Don’t mention it.“
これは文法的には命令形になる訳ですが、意味合いとしては”Please”が省略されていることと、mention”と言う言葉に丁寧さがあるため柔らかなニュアンスになるのだと思います。
このケースはこちらの謝意に対する返答ですし、同様に簡単なやり取りの場合は前後関係と相手の態度や表情から、例え言葉が聴き取れない場合でも相手の意向は汲み取れるわけですが、会話ではそうでないケースの方が多いですよね。
という事で、次回は相手の回答が予測できない場合、例えばお昼ご飯の相談をしていて、あなたが提案する立場(日本での会議に海外の支社の人を招いている場合など)の状況では、という例で。