第3章 ビジネス英語力向上のために その4) 英会話力向上のためにはまずリスニングから
我々は英語には中学校(及び小学校)で(語学の)学習と言う形で出会うわけですが、これは「(コミュニケーションのための)外国語の習得」として言葉を覚えるという観点からすると、本来の形ではないと思います。
赤ちゃんはまず、両親、きょうだい、祖父母、などの周囲が話すのを聞いて言葉を覚えるのであって、新しい言葉を覚える場合には年齢は関係なく同じ方法、すなわち「聴いたことを真似する」ところから始めるのが(知的な要素が少ない⇔フィジカルな側面が強いので)実は難易度も低いのだと思います。
我々が受けた英語の授業は、教員が一人もしくは少数の学校の集団教育(一対多)に適した形であり、既に日本語(母国語)を習得し、小学校年代で様々な学習を通じて知的なトレーニングにも慣れているため、学習として読み書きを中心に外国語を学ぶには非常に効率的な方法である言えると思います。
一方リスニング及びスピーキングつまり、会話のトレーニングの基本は1対1(少人数では可能でしょうが)ですので、集団では難しいため、また教員の能力の問題もあり、学校での授業ではほぼなかったわけです。
結果として我々は、英語に関しては読解能力と作文能力はかなり高いにも関わらず、会話能力(特に聴力)に欠けるという状態。

中学三年間の英語学習の結果をサッカーにたとえるなら、座学で戦術やルール(英語では読み書き)を学び、かなり精通しているが、フィールドブレーヤーとしての経験(会話のトレーニング)はほとんどないことと同じ状況なんですね。
もちろんフィジカルの能力なので個人差はあります。
絶対音感のある人もいれば、いきなりナイスキックができたり、バットやラケットに器用にボールを当てることができる人もいればいますので。
この間テレビで、日本に行きたくて民間の日本語教室に通う韓国の女性のインタビューを見ました。
通い始めてまだ半年なのにインタビュアーが驚くほど流暢に会話ができていました。
これは会話主体のトレーニングから始めているためで、しかも相当集中的に時間をかけているのだと思います。
読んだり書いたりのシーンはなかったので、それはどこまでの力があるかは分からなかったのですが。
観光が主目的であればそれでよいのであって、あ、掲示・標識や看板などが読めるに越したことはないですがね。
余談ですが、ボクが仕事で知り合った韓国の友人からは「大学では日本語を勉強したんだけど『漢字』が大変で途中でリタイアした」と数名から聞きましたので、そのような推察をした次第。
何人かから同じような話を聞いたのでその時は、
”Well... This is not our fault. Complain to Chinese folks about Chinese characters.”
(えぇと…。それ、ウチらのせいじゃないンで。漢字に関する苦情は中国の皆さんにお願いします。)
とニゲたんですがね。
もちろんビジネスとなると会話だけと言うわけにはいきません。
あくまで平均的な日本人がビジネス英語のトレーニングを開始するにはリスニングからが妥当だということです。