第3章 ビジネス英語力向上のために その9) 英会話力向上のためにはリスニング中心の訓練を習慣に。聞き流すことは効果がある?
英語を聞き流すという方法も効果が無いとは言いませんが、やはりなかなか頭に残らないと思います。
NHKのラジオ講座等では英語の後すぐに日本語が話されて文章の意味が分かるような構成になっていますよね。
話されたフレーズの一部が聴き取れない場合はその点に集中して聞きなおせば良いですが、文章全体が聴き取れない場合は、繰り返し聴くだけではあまり効果はないのではないかと思います。
英会話が聴き取れない場合にも、話されている言葉の中には、実はあなたが意味を知っている単語がかなり含まれているのです。
単語を一つ一つ区切って話してもらえれば、ある程度聴き取れる部分はあるはずなのですが、実際の会話やスピーチではそんな話し方をする人は居ません。
意味を知っている言葉でも、音節のつながった文章と言う形になるとそのスピードについて行けず、結果として聴き取れない訳です。
ですので、耳から聴いた文章はできるだけテキストを見て、視覚も使って記憶に刻み込む方が単に聞き流すよりずっと効果的だと思います。
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初期はまだ頭の中の既知の英単語は「カタカナ」なので、ネイティブの発音を聴くことで自分のボキャブラリーを「ネイティブの発音」化していく作業をリスニングのトレーニングと並行して行う
以前の勤め先でUS支社から来た人たちとミーティングをした時に、中の一人が一つ一つ言葉を切って、ゆっくりと丁寧に発音してくれるので、すごくわかりやすくて有難かったことがあります。
最も、後からその人は仲間から「赤ちゃんと話しているみたいで可笑しい」と言われたみたいですが。
まあ、この場合は社内の打ち合わせなので良しとしても、他社の人とビジネスの会話を「赤ちゃん言葉」ですることは考えられないですよね。
「ビジネス」の場合はある程度のスピードの会話を聞き取れる能力が必要なのです。
その日聴いた全ては時間的にも難しいと思いますが、キーとなるフレーズは(視覚も使って)テキストを読み、暗誦する事で、単に聞き流すよりははるかに効率よく記憶されていきます。
お手本を真似することで、より良い発音とイントネーションを身につけることが出来ると思います。
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2年くらい続けると頭の中の既知の英単語はかなりネイティブの発音になると思います。
実際に口に出すことでその記憶をより明確に刻めます。
もちろん自分の発音も改善されるのですが、「ネイティブ並みの発音」になることはなかなか難しいですね。
実際には、ビジネスでの使用を考えると更に2~3年はリスニングのトレーニングは続けるべきなのです。
聴き続けると、聞き取り能力が向上するだけでなく、必然的に色々な英語独特の表現を覚えることにもなります。
最初の2年を乗り越えることができれば、既に習慣化しているわけですし、自分でも上達が実感でき、実際にビジネスでも使え始めるはずなので、そこからは手ごたえを感じながら続けることができると思います。
日常的な業務での会話のレベルから、大きな会議やプレゼン主催でのリアルタイムな応答と言うレベルに到達するためにも継続的なトレーニングは必要なのです。