第3章 ビジネス英語力向上のために その3) 英会話力向上のためにはどんなトレーニングが必要か

レベル3( TOEIC 700点程度)に到達するための、まずは英会話力向上のための話から。

一般的な日本人の場合、ビジネス英語力を習得するための最大の問題は「英会話」になりますよね。
 
これは当たり前といえば当たり前の話で、我々は学校での英語の授業ではほとんど会話(及び英語でのコミュニケーション)の訓練を受けていないからです。

Fig 14)
英会話能力も読解力・文書作成能力も個人差はあると思いますが

我々が学校で学んだ英語は図の中の下の方、読解を中心とした部分に偏っています。
 
前述しましたが、中学3年生の教科書もしくは同等のレベルの文書が問題なく読めて理解できれば、読解力に関しては基本的な力は既に備わっている(維持できている)と思って良いと思います。
もちろん、より多くの英文を今までより速く読むことは必要になってきますが。
これは、英語でのコミュニケーションが必要な部署での業務を通じて(OJT)、メールや資料を読む機会が増えることで、必然的に向上します。
 
一方、フィジカル面の基礎力、聴く力(リスニング能力)と発音の能力に対するトレーニングは、学校でリーディングやリスニングの授業はあったにせよ、時間的には全く不足しています。
 
それぞれの言語のネイティブ(我々の場合は日本語)の人は生まれてからずっとその言語での会話のトレーニングを(意識はしていなくても)続けている訳なので、特に国語の授業で会話のトレーニングは不要なのですが、外国語(英語)の場合はやはり会話のトレーニングが必要です。
 
ただし、どの言語でも会話は一対一が基本なので、集団で授業を行う学校が適切な場所かどうかは疑問ですね。
授業全部を英語でやるのなら話は別ですが、小学校でいきなりというのは現実的ではないですし。
 
今は公立の小学校でも外部からネイティブの講師を招いて英語の授業が行われているようですし、今後その時間は増えていくようですね。
でも、その効果はどれくらいあるのでしょうか?
 
実際に授業の中で英会話やリスニングの時間があっても、多くても週3時間もないでしょう。
特に自分が一人で話すことなどは集団の中ですから、あって数分。
これでは正直あまり効果は期待できません。
全員で歌や何かのフレーズを何度も口に出して覚える事は将来的にも記憶されて効果があると思いますが、週に数回ではそれだけで英会話が出来るようになるわけでは有りません。
 
また、別の効果として外国の人と幼いころから接触する機会が持てる、ということはあるとは思いますけれど。
 
話すこと、聴くことの訓練は集団で時々やるのではあまり意味がないと思います。
 
結局、今も昔も我々は中高6年間結構な時間を英語の勉強に費やしながら(費やされながら?)、そのほとんどが読むことと書くことで、話すことと聴く事のトレーニングは受けないまま成人している訳です。
 
一方、高校まで英語を学習していれば、最低限の語彙と文法の力は備わっているので、自分で適切なトレーニングを行えば、必ずある程度のレベルまでの会話力は習得できます(僕がそうだったので信じて頂いて大丈夫だと思います)。
但し、短時間でもできるだけ毎日続けることが必要です。
 
これはたとえば同じようなフィジカルの能力のトレーニング(と記憶力のコンビネーション)である楽器の練習でも同じことが言えますよね。
 
楽器の上級者の演奏を見ると色々な曲を軽々と、しかも実に楽しそうに演奏するので、「自分でもできるかも」と思って楽器を購入したものの、特に最初は音を出すことも大変な楽器が多く、一人で練習だけを続けるのは大変です。
 
英会話(仕事)の場合は業務上毎日英語を使う部署に異動するとか、楽器の場合は発表会にエントリーしたり、やバンドを組むなど、ある意味「やらなければならない様に自分を追い込む」ことも必要かもしれません。
 
何事も、継続するためには強い動機と環境設定が大切なんだと思います。
 

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