バルセロナにいながらベネチアのサン・マルコ広場にある鐘楼に登る
イタリア・ベネチアのサンマルコ広場にあるサンマルコ鐘楼(Campanile di San Marco)。ベネチアに訪れた観光客が必ず目にする塔かと思います。
9世紀からこの場所に塔があったらしいですが、火災やら地震やらで繰り返し修復され現在のような姿になったのは16世紀初め。それからも災害に見舞われ更に修復が繰り返され、なんと1902年に完全に倒壊しました。現在の塔は1912年に再建されたもので高さは98.6mとベネチア一高い建物だそうです。何回か見ていますがそんなに新しいものだとは思いませんでした。
そしてバルセロナにはこのサンマルコ鐘楼のレプリカがあります。「ベネチアの塔」(Torres Venecianes)と呼ばれスペイン広場に堂々と構えています。
上部のモチーフがないのと屋根が低いですが、私も初めて見たときは「ベネチアの塔だ!」とすぐ分かりました。1929年に開催された国際博覧会のために入り口の門として建造されました。高さはわずか47mで、2つ並んで建っています。
この塔は普段は登ることができませんが、年に1度2日間だけ登れるときがあります。それが「48H Open House」という街の特定の建築物を無料で公開するイベント。バルセロナ市とその周辺の市の合わせて200以上の建物が公開されます。無料や有料で公開されている建物だけでなく、普段公開されない建物も公開されるので毎年多くの市民が訪れます。
今回は初日にこのベネチアの塔を訪れようと思ったものの大雨で断念。それでも多くの人が殺到したようです。そして翌日オープン40分くらい前に着いた頃には雨が降り始め、30分前でこの行列。
結局50分くらい待ちツアー2巡目で入ることができました。どこも「ガイド付きツアー」なのでカタルーニャ語かスペイン語のガイドがつきます。階段を登る前にガイドによる簡単な説明がありました。
上を見上げると、うわっ怖い!という印象。国際博覧会のために建設されたので、開催後は取り壊すことを前提に簡素に作られたそうです。一応その後補強はしたらしいのですが、ほぼ100年経っているしちょっと心配。
さすがに最後は疲れましたが、登った甲斐がありました。柱がいい雰囲気を出しています。
西側にもう片方の塔も見えます。
屋根は木造でした。
モンジュイックの丘方面を眺めるとカタルーニャ美術館が見えます。この辺りは美術館を含め今でも100年前の国際博覧会の建物が残っています。
スペイン広場方面を見ると山の上のティビダボにある教会も見えます。
そして東の方には海も。
良くある大聖堂の塔などの螺旋階段であれば高さは感じませんが、真ん中がすっぽり吹き抜けなので意外と降りるのが足がすくんで怖いです。
降りている途中で外を見ると先ほどより列が倍以上になっていました。なんでも最長待ち時間は3時間だったとか。
ベネチアの塔は登れることを知った何年か前から登ってみたかったのでやっと達成できました。落下防止のネットもあり景色はそれほど良いとは言えませんが、登った達成感もあり楽しめました。