一年で一番人出の多いサン・ジョルディの日のお祝い♪
昨日の日曜日は4月23日でサン・ジョルディの日。カタルーニャ州の守護聖人ジョルディ（英語でジョージ）をお祝いする日です。ジョルディはイギリスやポルトガルなどでもでも守護聖人となっているそうです。
ジョルディは3〜4世紀頃に現在のトルコで生まれ、とある町（カタルーニャ版ではカタルーニャ州のモンブランという町）で竜が住民を脅かしていて、竜をなだめるため毎年子供を生贄として捧げていたそう。とある年はついに王の娘が生贄として捧げられることになったところ、たまたま町を通りかかったジョルディが「私が竜を退治しましょう!」と竜に立ち向かったそうです。竜を剣で刺したところ、竜から血が流れ落ちそこから薔薇が生えてきたそうです。その伝説から、カタルーニャ州では15世紀には男性から女性に薔薇をプレゼントするようになったそうで、今でもその伝統が受け継がれています。
そして女性は男性に本をプレゼントします。これはドン・キホーテの著者、セルバンテスの没日がサン・ジョルディの日であったことから20世紀初頭に始まったそうです。
去年のサン・ジョルディの日はこちら↓
そしてこの日の一番のイベントはブックフェアで、本と薔薇の花を売るブースで通りが埋め尽くされます。市内のいくつかの箇所で行われますが、一番大きい会場はグラシア通りを囲んだエリアで通行止めをして開催されます（地図で🟪紫の部分）。
朝から夜9時位までと結構長い時間開催していたようですが、午前11時位ですでにたくさんの人が！普通の日曜日はこの時間でも大体ガラガラです。
グラシア通りはかなり混んでいたので一本通りを移動しました。トークをやっていたり、ラジオの生中継も。
お花屋さんだけでなく個人やチャリティ団体もバラを販売しています。一本売りが多く、4〜5ユーロが相場のようでした。
写真は取りませんでしたが今年は苔玉も結構見かけました。
大忙しで花束を束ねています。
なんでも警察の警告にも関わらずバルセロナ市では1,000ほどのブースが許可なしに違法で販売を行ったということで、日本円にして1億円以上分の売上分に対して脱税がされたと想定されるとのこと…これだけ規模大きいお祭りだとこういうこともあるのがスペイン…
ジョルジュが戦った竜にちなんで竜のぬいぐるみも売っていたりします。顔がそれぞれ違うので手作りのよう。一瞬惹かれました…
本やバラを置けば誰でも出店できるようで、郊外にあるラ・リーガ一部リーグのエスパニョールのブースも。なんでも会員証を見せれば青のバラがもらえるとのことで賑わっていました。
そして意外とブースの数が多くてびっくりしたのが、政党や政治家のブース。選挙が近いのでみんな躍起になっているようです。
最近国や地方レベルで票を伸ばしている極右政党VOXも本やバラを売っています。
現市長のブースはキッズの遊び場までありました。
もらってびっくり、中道左派のCiudadanosはバラ🌹を配っていました。花びらが木でできたフェイクです。
日本だと選挙運動は制限が多くうちわなどでも随分問題になりましたが、スペインは随分ルールが緩そうです。正直バラをもらって嬉しかったので、もので釣る手段は有効かも…
ガウディのカサ・バトリョではサン・ジョルディを記念したバラの装飾が。去年混みすぎてここで身動きが取れなくなったので今年はパスしました。去年はこのような感じ↓毎年デザインは同じようです。
ガウディのカサ・ミラもサン・ジョルディを祝ってカタルーニャの旗が掛掲げられていました。カタルーニャ出身のアーティスト、ジャウメ・プレンサの展覧会がここで開催されているので彼の作品が正面と屋上に設置されているのが見えます。
ブックフェアの一番のイベントは作家のサイン会でしょうか。大手はスペインの有名な作家を多く呼んでいるようです。中には海外から作家を呼んでいる本屋や出版社も。下は凱旋門あたりの大手漫画・コミックス出版社によるコミックスのサイン会。そのうち日本人漫画家も招待されるようになるでしょうか。
前日外で飲んだEstrella Galiciaのビールもカタルーニャのサン・ジョルディ仕様。
このサン・ジョルディの日は大会場だけでなく本当にどこも人出が多くてびっくりしました。他のお祭りでも年末年始でもこれほどの人出は見ないので、一年で一番人手が多い日ではないかと思います。カサ・バトリョのチケットを持っていた人は入場が大変だったでしょうし、大したことのないレストランでも大行列ができるほどでした。
なんでも今年は本もバラも過去最高の2019年の売上を更に更新したとのことです。物価高騰でも伝統行事はしっかり祝いたいというカタルーニャ人の心境なのでしょうか。日曜日で他にすることがないというのもあったのかもしれません。
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