【全文翻訳】民間軍事会社のCEOがまた1人、プーチンを裏切りか
原文:The Hill - Another Russian mercenary leader has turned against Putin (2024年8月24日)
プーチンの元料理人であり、悪名高い民間軍事会社ワグネルの創設者のエフゲニー・プリゴジンがクーデターを企てたのは1年余り前になる。ロシア軍や治安当局はそれを止めるようなことを何もしなかった。プーチンへの忠誠とは言い難い行いだ。
数日前、同じく民間軍事会社のトップであるGeorgy Zakrevskyが"偉大なる"プーチンを排除するようロシア人たちに呼びかけた。銃を持った男たちが偉大さを揶揄し始めたら、それは明らかに悪いことが起きる兆しだ。
53歳のZakrevskyは、リベラルでも善人でもない。ソ連軍での従軍経験があり、KGBに所属していた。法学博士号を取得し、"そのことについて知ること自体が禁じられている秘密活動に関与"した。その後"独立系軍事コンサルタント"に転身し、傭兵組織Paladinを設立した。
Paladinは恐ろしい組織だ。公式ウェブサイトには次のように書かれている:"数年前、この民間軍事会社は無名だった。今では世界的に有名だ。好事家たちには、私たちが殺人者だと思わせておけばいい。彼らにどう見られているかに興味はない。私たちには、何も証明する必要がない。"
この企業はコンゴ、レバノン、エクアドルで活動し、250名以上の傭兵が在籍し、3つの"戦略目標"を守っている。
Zakrevskyのこれまでの実績と現在の地位を考えれば、このような熾烈な人物がロシアの熾烈極まりない偉大なるプーチンに反旗を翻すとは想像もできない。この2人は本来、そしておそらくかつては盟友であったはずだ。Zakrevskyのような人物が公けにプーチンに批判することは、決して些細なことではない。
Zakrevskyは怒り狂っているに違いない。さらに重要なのは、おそらくそう考えているロシア軍人が自分だけではないことを知っているということだ。そして現状をみて、彼らの腹の中が怒りでにえたぎる思いであっても不思議ではない。偉大なるプーチンは、今にも母なるロシアを滅ぼそうとしているのだ。
これがZakrevskyのプーチンに対する戯言だ:
"我が国が危機に瀕しているわけでも、すぐ近くまで迫っているわけでもない。すでに我々は問題の真っ只中にいる。とてつもなく大きな問題だ。ドローンがロシアの領土奥深くを飛んでいる。モスクワやサンクトペテルブルクまで飛んでくる。クレムリンさえも攻撃された。我が国の黒海艦隊は押し出された。強大国の強大な艦隊ではなく、あたかも三流の国の艦隊のように。
我が国の空軍も押し出され、事実上機能していない。陣地は2年前と変わっていない。場所によっては後退したところもある。国民は死に絶え、ますます貧しくなり、酒に溺れて死を待つばかりだ。この状況を気にしている者はいない。できることといったら、移民を受け入れることくらいだ。"
Zakrevskyは、この悲惨な状況の責任が誰にあるのかについて、言葉を濁さず言う:"これは全ていわゆる'大統領'と呼ばれている'偉大なる'プーチンの責任だ。"
Zakrevskyは陸軍将校の無能と悪事を非難した後、この悲鳴を次のように締めくくる。"塹壕の中にいる者たちへ。諸君は今、どのような卑劣なことが行われているか、よく知っているはずだ。君や君の家族をあざ笑っているのが誰なのか、分かっているはずだ。我々は諸君に、我々の国を救うための連合に参加するよう呼びかける。もうすでに後戻りができないところまできている。"
特筆すべきは、Zakrevskyが"I call on you"(私は諸君に呼びかける)ではなく、"we call on you"(我々は諸君に呼びかける)と言っていて、この複数形はPaladin"連合"を指していると思われるが、PMCまたはロシア軍に所属する他の軍人たちを指している可能性もある。
また強調しておきたいのは、彼が語りかけている相手だ。ウクライナとの前線で悲惨な状況に置かれ、死んでいこうとしている兵士たちだ。Zakrevskyは、1916年と1917年の兵士たちの脱走が皇帝の失脚と、ボリシェヴィキの政権奪取に直接つながったことを知っているはずだ。
Zakrevskyの暴挙は、明らかにウクライナのクルスク州への侵攻と、ロシア軍、情報機関、そしてその指導者たちの恥ずべき無能さに促されたものだ。そしてZakrevskyの言う通り、責任はプーチンにある。自らを"偉大なる"指導者としたプーチンは、ロシア国内で起こるすべてのことに責任を負っている。それが独裁者であることの代償だ。
Zakrevskyの訴えは、軍部と文民のエリートの間に広く知れ渡ったと思われるが、不満を抱えた傭兵の不平として片付けることはできない。Zakrevskyは、以前のプリゴジンと同様に、ロシアの軍事階級を代表する人物だ。彼が不満を持ち、プーチンの解任を公言することで自分のキャリアや、場合によっては命を危険に晒すこともいとわないのであれば、同じ不満を持つ者は他にも大勢いるはずだ。それが彼がまだ逮捕されたり、殺されたりしていない理由かもしれない。
仮にZakrevskyが何らかの形で権力を握ったとしたら、彼の政治的傾向はおそらくプーチンと同じだろう。帝国主義、ファシズム、ウクライナでの戦争と大量虐殺。しかし、Zakrevskyはプーチンではないし、プーチンの政治的願望がどうであれ、彼がプーチンのような権力と権威を持つことはあり得ない。
Zakrevskyが重要なのは、彼がより優しく穏やかなロシアを予感させるからではない。彼がロシアの支配エリートたちの間に混乱をもたらすからだ。そして混乱は、ウクライナやその他の近隣諸国に対するモスクワの関心が低下し、不安定になり、たとえその可能性がどれほど小さくともファシズムからの転向の可能性が出てくることを意味する。
これはとても小さなことに思えるかもしれないが、プーチンの恐怖政治の恐ろしさを考えれば、これは驚くべきことだ。
問題のGeorgy Zakrevskyの戯言 (露日 機械翻訳)
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